お金を稼ぐ」とひとくちに言っても、手段はさまざまあります。

 多くのビジネスパーソンにとっておそらく一般的なのは、あくせく働いて給与をもらうということ。ただ、銀行の低利が続く時代、せっかく稼いだおをどう運用すべきかは悩ましい問題です。

 そんななかで思い浮かぶのは「投資」という選択肢。でも、銀行の預べてリスクがあるなどネガティブな印を持っている方も多いかもしれません。

 そこで、昨年3月頃から、本業のかたわらで投資を始めたという都内在住のOL清水さん(仮名・20代後半)に実体験を伺いました。

「なくなってもよい」程度の金額から投資をスタート

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※画像はイメージです(以下、同じ)
 普段は、都内のコンサルティング会社で勤務している20代後半の清水さんインタビュー中に見せてくれたパソコンモニターには、十数社にわたる「ソーシャルレンディング」の投資先や額が並んでいました。

 清水さんが取り組むソーシャルレンディングは、ネット上のサイトを介して、事業などの資を集めたい企業と、投資マッチングさせるサービス仕事柄、さまざまな業種の動向をニュースで見ていた中で「興味を抱いた」と話します。

「初めて購入したのは、再生可エネルギー事業に特化した投資会社の商品でした。サイト上にあった『クリーンエネルギー』という言葉に、夢を感じたんですよね」

 現在は『クラウドクレジット』など、「10社以上のソーシャルレンディンサービスを利用して投資している」と言う、清水さん

「もちろん、銀行の預と違い、資産が減りするなどのリスクがあるというのも考慮していました。そのため、全財産を賭けるのでなく、『最悪の場合は、なくなってもよい』という額から始めました

 投資を始めてから現在までの約1年半も、資産が増えたかと思いきや「マイナスです」とります。理由は、投資会社の不祥事が発覚し、金融庁から勧告を受けたためだとか……。

 現在は「サービス自体が止まってしまい、投資会社に振り込んだおが戻ってくるかも分からない状況です。ここまでの資産でいえば、15万円ほどが損失になる可性もある」と本音を話します。

投資用と貯蓄用の口座を使い分けるという工夫も

貯金

 現在、本業では年収700万円台をキープしているという清水さん。毎、新たな投資先を増やしていく上では「給与の2~3割程度を費やす」と、自分なりのルールを決めているといいます。

「初めは50万円ほどからスタートして、々で投資先を増やすにあたり、貯蓄用と投資用の口座を使い分けるように工夫しています

 貯蓄用の口座は一般的なシティバンク。投資用の口座は、投資会社への振込手数料を考慮したので、に数回、手数料が無料になるネットバンクにしました。投資用の口座に入っている額をえない範囲で運用し、貯蓄用の口座からは投資に回さないように心がけています」

 お金ルールがある一方で、気になるのは投資する商品の選び方。清水さんお金を入れたあとに「放っておいても安心できる商品を選んでいる」と言います。

「私の利用しているソーシャルレンディングは、おおむね四半期に1回かそれ以上の期間で、利息の支払いや元本の払い戻しが行われるんですね。これまでの経験から、資産の上がり下がりを常にチェックしなければならない商品は肌に合わなかったんです

 専門ではないので、選ぶポイントは気になるジャンルかどうかや、利率くらい。バルトに憧れていて、好きなの事業に投資できるという理由だけで選んだこともありました」

 リスクが少なければリターンも低くなるため「見きわめるのはやはり難しい」と実感を伝える清水さん。自分なりに「地に続けられるような商品を選んでいる」と話します。

不労所得を体験してみるとお金に対する価値観も変わる

通帳

 投資というと、世間的には「資産を増やせる」「一攫千」といったイメージもつきまといます。しかし、清水さんは「むしろお金を意識したくなかったから」と投資を始めた理由をります。

ソーシャルレンディングは、先ほどもふれましたが『放っておける』からこそ、気軽に始められたんです。本業のかたわらで投資をするようになり、生活の中では『投資に回すために今は5万円を確保しよう』など、節約を考えるようになったのはひとつの変化ですね。

 投資というと、一気に稼ぐというイメージがある人もいるかもしれませんが、十円単位でも不労所得が入るというのを体験してみれば、お金に対する価値観も変わる気がします

ファイナンシャルプランナーに聞く投資のポイント

 ここまで紹介した、投資歴約1年半の清水さんの投資姿勢・方法はプロにどう映るのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの水野香さんに話を聞いてみました。

――清水さんの投資方法は、ファイナンシャルプランンナーの視点から見てどうですか?

水野香(以下、水野清水さんは、なくなってもよい程度の額からスタート、毎収入の2~3割という「マイルール」をしっかりと決めて守りながら投資をしている点がいいと思います。

 投資だけではなく、貯もしっかりとされているようで、20代後半とまだ若いにもかかわらず、非常にしっかりした方だと感じます。

――ソーシャルレンディング含め、投資全般でのリスクについては?

水野ソーシャルレンディングは較的利回りが高い融商品ですが、リターンが高いということはその分リスクも高いということです。投資全般にも言えることですが、しっかりと分散投資をすることを心掛けるとよいでしょう。

 具体的に言うと、ソーシャルレンディングの事業者や、事業者ごとのファンドを分散すること、また、他の融商品も今後は視野に入れてみてもよいかもしれません。

資産形成にかける時間は長ければ長いほど……

――若いうちから投資を始めることにメリットはあるのでしょうか?

水野:例えば、「60歳の時点で1000万円の資産を作っておきたい!」と思ったとします。そうすると、々の積立額は以下のようになります。

20歳から始める→2万833円(1000÷40÷12か
30歳から始める→2万7777円
40歳から始める→4万1666
50歳から始める→8万3333円
※利回り0

 資産形成にかける時間が長ければ長いほど、々は少ない負担でゴールすことができます。また、長い時間をかけて運用をすることで「複利」の効果を享受することができます。

――「複利」とは?

水野:最初に投資をした「元本」に対してのみ利息がつくことを「単利」といいます。銀行の定期預などですね。それに対して「元本+利息」に対して利息がついていくことを「複利」といいます。

 よく、雪だるま式と例えられますが、どんどん利息がつくことで、お金が増えていくスピードが複利のほうがいといえます。複利の効果は長い時間をかければかけるほど大きくなります。若いうちから投資を始めると、複利の効果を最大限に活かしてお金を効率よく増やしていけるかもしれません。

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 投資といっても種類はさまざま。少額から始められるものもあるので、銀行に預するという以外の選択肢を試してみるのもよいかもしれませんね。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

水野
明治大学法学部融総合代理店に10年勤続。BtoBの業務提携、コールセンター管理などを経験後、ファイナンシャルプランナーとしてファイナンシャルプランニング・資産形成などをテーマに、延べ6000名以上の方に向けての講演や、コラムの執筆を行う

【カネコシュウヘイ】

フリーの取材記者編集者デザイナーアイドルエンタメサブカルが得意分野。現場義。私立恵比寿中学BABYMETALさくら学院ハロプロアンジュルムJuice=Juiceカンガル)が核。拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitter@sorao17

※画像はイメージです(以下、同じ)