クラブ史上初の男女日本人選手を擁し、アジア各国などにアプローチ

 ベティスは今夏、日本代表MF乾貴士の獲得でスペインだけでなく日本のサッカーファンの間での注目度も急上昇している。また女子チーム(フェミナス)には、なでしこジャパンの長身GKである山根恵里奈が所属していることもあってか、クラブは日本だけでなく中国も含めたアジア進出戦略を推進していこうとしているようだ。スペイン紙「AS」が報じている。

 記事では、「ベティスはアジアに進出中:イヌイとの日本との関係後、中国へと訪問」とのタイトルで、ベティスのビジネスディレクターであるラモン・アラコン氏が中国南東部の浙江省・温州市を訪れたとしている。

 300万人以上の人口を数える温州市の各種スポーツ施設を訪問し、提携契約にサイン。記事によると、同都市とは「今後、中国の若手選手をカンテラ(クラブの下部組織)でプレーすることを受け入れる」と、選手交流とサッカー面での発展への協力関係構築を推し進めているという。その一助となっているのは、同じアジア勢である乾と山根の存在があるようだ。

「ベティスは、爆発力のあるアジア市場においての拡大を図っている。すでに日本人選手として男女ともに初となるタカシ・イヌイとエリナ・ヤマネが所属しており、現状は中国での市場拡大を目論み、極東の都市において数多くの契約合意を目指している。またキケ・セティエン監督率いるチームのいくつかのアジアツアーについても開催決定が近づいている」

 二人の入団を契機に、アジアでのプレシーズンを含めた認知の拡大を図る戦略のようだ。今季トップチームはUEFAヨーロッパリーグに出場するなど、リーガ・エスパニョーラにおいて名門の一つであるベティスだが、乾と山根の存在を武器にアジアでの存在感を強めようとしている。


Football ZONE web編集部)

ベティスに所属するMF乾貴士(左)、女子チームに所属するGK山根恵里奈(右)【写真:Getty Images & Football ZONE web】