夏から秋へと変わる季節は衣替えのタイミングです。
猛暑となった今年の夏の衣類は、汗じみや皮脂汚れなど、気になる汚れがいっぱいです。
衣類や夏の小物を来シーズンでも気持ちよく使うためのコツを、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんにアドバイスしていただきました。
前回は「衣替え前線」東京は9月20日頃の予報!黄ばみやニオイを抑える「しまい洗い」のコツについてお伝えしました。
今回は秋の衣替えの“困りごと”TOP5や、シーズン小物の洗い方や乾かし方、しまい方をお伝えします。
“セリア”のアイテムだけでOK!ガスコンロ「グリル排気口」は掃除しなくていい!?秋の衣替えの“困りごと”TOP5と、黄ばみ・ニオイを抑える洗濯テク!
ライオン株式会社が行った20~40代の男女1000名へのアンケート(2016年調べ)で、秋の衣替えの“困りごと”TOP5が明らかになりました!
それぞれの解決方法についても見ていきましょう。
1位「黄ばみ」
みなさんも身に覚えがありませんか?
洗濯してしまったはずの服が、クローゼットから出してみると黄ばんでいた……。
お気に入りの服だったら、ショックも絶大です。
黄ばみの原因は主に、「洗濯しても落としきれず残った繊維の奥に蓄積した皮脂汚れ」にあります。
特に汚れが付きやすいのは、エリや脇の下です。
お気に入りの衣類やおしゃれ着に黄ばみを作らないためには、こうした箇所におしゃれ着用洗剤を直接塗って洗濯するか、液体酸素系漂白剤とおしゃれ着用洗剤液の中に15分くらい漬け込んでから洗う「つけこみ洗い」を行うと、繊維の奥に蓄積した汚れをしっかり落とすことができます。
2位「しわ」
麻や綿素材の夏服は、特にしわがつきやすいものです。
麻はしわになりやすいので、おしゃれ着用洗剤でやさしく洗うとしわが付きにくく、型崩れも抑えることができます。
洗濯するときは、洗濯ネットにたたんで入れておくと、しわができるのを軽減できます。
しわを回避するために、ハンガーで吊るして収納する方法もオススメです。
3位「ニオイ」
ニオイ対策には、しまい洗いの際に、液体酸素系漂白剤と洗剤を使った「つけこみ洗い」が有効です。
皮脂汚れには液状の汚れ(オレイン酸)が含まれています。
極細の化学繊維を使った機能性インナーは、繊維の奥に汚れが入り込みやすく、普段の洗濯では落としきれなかった皮脂がニオイの発生源になってしまいます。
4位「色あせ」
おしゃれ着用洗剤には、色あせの予防の効果を含むものがあります。
夏場の日差しは特に強いので、直射日光が衣類を傷め、色あせの原因になってしまうことも。
外で干す時は服を裏返して「陰干し」をしましょう。
収納する時は、直射日光の当たらないところへしまいます。
5位「虫食い」
虫食いは、食べこぼしや皮脂汚れが原因でも起こります。
脇の下やエリ・そでの汚れには液体洗剤やおしゃれ着用洗剤の原液を、黄ばみや食べこぼしには液体酸素系漂白剤を直接塗ってから洗濯しましょう。
まだまだある!「しまい洗い」したい夏の衣類と小物
浴衣
最近では、ウォッシャブル浴衣も発売されており、浴衣も自宅でホームクリーニングすることができます。(※洗う前に「洗濯表示」で家庭で洗濯できるか要確認)
お祭りやお出かけに着ていくことが多い浴衣には、食べこぼしや汗じみが付いている心配があります。
浴衣の洗濯に使うのは、型崩れ・色あせ防止効果のあるおしゃれ着用洗剤です。
エリが汚れている場合は直接洗剤を塗り付けて、キャップの角でとんとんと軽くたたきます。
洗剤をたたいてしみ込ませることで、汚れが出て落ちやすくなりますよ。
食べこぼしのシミを見つけたら、液体酸素系漂白剤をつけておきましょう。
洗濯機に入れる際は、ネットを使います。
袖と裾が表に出るように「袖だたみ」をして洗濯ネットに入れ、「おしゃれ着コース」などの弱い水流でやさしく洗います。
脱水後は手のひらで布地を挟んでパンパンと叩き、しわを伸ばすように広げます。
干すときは、ハンガーを3つ使って蛇腹状に折りたたんで掛けると、型崩れ予防になります。
陰干しで、色あせを防止しながら乾かすといいでしょう。
水着
プールの水には除菌のための塩素が含まれており、濡れた水着をそのままにしておくと色落ちしてしまうことがあります。
色落ちを防ぐためにも、水着は脱いだらすぐ水洗いしましょう。
肌に日焼け止めクリームを塗った場合は、水着にも付着しています。
家に帰ったら、日焼け止めなどで汚れた部分におしゃれ着用洗剤の原液を塗り、やさしく手洗いしましょう。
肩ひもをつまんで干すと、型崩れするおそれが。干すときは、脇やアンダーバスト部分をはさんで陰干しします。
夏用帽子
頭は汗をかきやすい場所です。
帽子の内側は、汗汚れが付いているため、シーズンが終わったら必ず洗濯しましょう。(※洗う前に「洗濯表示」で家庭で洗濯できるか要確認。)
また、大きなつばの帽子だと、つばが顔に触れてファンデーションが付いていることもあります。
洗剤は型くずれ防止効果のあるおしゃれ着用洗剤を使います。
やさしく押し洗いで手洗いするか、ネットを使用して「おしゃれ着コース」などやさしい水流のコースで洗ってください。
帽子は形が命。
型崩れしないようにするには、「洗濯ネット」を帽子に詰めて形を整え、ペットボトルなどに立てて乾かします。
干す場所は、風通しの良いところで陰干しを。
なお、ニット帽の場合は平干しをしてください。
晴雨兼用日傘
PU加工の日傘は洗えませんが、それ以外の日傘には水洗いができるものもあります。
雨や風にさらされた傘には、チリやホコリが付着しています。
まず、洗濯ブラシを使ってなでるように表面をこすり、小さなゴミを取り除きます。
次に、水4Lに10ml程度のおしゃれ着用洗剤を溶かし、洗剤液をスポンジにつけて傘の内側を軽くたたくように洗い、同じように傘の外側もたたき洗いします。
すすぎはシャワーを使って水を全体にかけながら、スポンジで軽くたたいて洗います。
最後にタオルで水分を拭き取り、傘を開いた状態で日陰で干します。
秋の衣替えの“困りごと”番外編「型崩れ」
サマーニットやカットソー、Tシャツなどは、よれたりのびたりしやすいく、数回着ただけで型崩れで着られなくなってしまうことがあります。
これでは、経済的にも大ダメージです。
実は、衣類の型崩れの原因のひとつは、洗濯方法にありました。
「標準コース」を使ってお洗濯している方も多いのではないでしょうか。
しかし、よれたりのびやすい服は「おしゃれ着コース」「手洗い・ドライ対応コース」などの水流の弱いコースで洗濯することがミソ。
ネット1枚につき、衣類1枚を入れて洗うとさらに安心です。
プリントのあるTシャツや、ビジュー付きのニットやカットソーなどは裏返してネットに入れましょう。
ブラトップなどのカップ付きインナーも洗濯ネットに入れて「おしゃれ着コース」などでの洗濯がオススメです。
水流の強い「標準コース」で洗っていると、布地が傷んでカップの高さが低くなってしまったり、バストが横に広がる型崩れが起こってしまうことがあります。
形が歪んでしまったブラトップを着用していると、バストの形にも悪影響を与えてしまうおそれがあります。
ブラトップも丁寧に洗濯したいものです。
丁寧な「しまい洗い」で長持ち。節約効果も!
衣替え前線を参考に、スケジュールをたてて少しずつ夏の衣類やシーズン用品を片づけていきましょう。
コツをふまえた「しまい洗い」を行って汚れをしっかり落とせば、次のシーズンもピカピカで使用できます。
丁寧に洗えば、型崩れや変色を防ぐことができ、結果的に衣類や小物が長持ちして節約効果も期待できます。
お気に入りの服も長く着られて、うれしいこと尽くしですね!
【参考】
※ アクロン
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