アセットマネジメントOneは9月28日に、元本確保型投資信託「ゴールドマンサックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-09」(愛称:プライムOne2018-09)を設定する。今年7月31日307億円で設定した「ゴールドマンサックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-07」と同じスキームで運用する第2号ファンドになる。同ファンドについてアセットマネジメントOne投資信託営業本部兼商品本部シニアエグゼクティブの浜田好浩氏(写真)に聞いた。

 ――ファンドの狙いは?

 国内個人金融資産の約半分の900兆円を占める現金・預金の大きな塊は、“岩盤”と言われるほど動かない。日本では元本保全へのニーズが極めて高い。円建てで元本確保、かつ、国際分散投資もできるような商品ができないかとさまざまな可能性を探っている中で生まれたのが「プライムOne」だ。

 運用期間が約10年間の単位型投信で、この間、国際分散投資戦略指数の収益率を参照して分配金を支払う仕組みになっている。過去のシミュレーションでは平均年率2.1%のリターンが獲得できている。

 このリターンは確定したものではないが、個人向けの新窓販国債(2018年10月発行分)の応募者利回りが10年固定で年0.071%に対し、年2%のリターンが期待できる商品は大きな魅力を感じていただけると思う。この年平均2%は、世界の株式や債券に分散投資した運用結果であることを理解していただければ、国際分散投資の魅力も伝えられると思う。「プライムOne」が資産運用のきっかけになることを期待している。

 ――ファンドの仕組みは?

 ファンドは、ゴールドマンサックス・ファイナンス・コープ・インターナショナルが発行する社債に投資し、それを10年間保有し続けるという単純な仕組みだ。この社債は、10年後に元本で償還することを、ザ・ゴールドマンサックス・グループ・インクが保証している。ゴールドマンサックスが債務不履行を起こさない限り、元本が保証されている。

 この社債は、固定クーポンと実績連動クーポンという2階建てでクーポンを支払う。固定クーポンは毎期0.39%程度あり、当ファンドの基本報酬額と同額程度になっている。つまり、このファンドは、信託報酬というコストを固定クーポンで賄う仕組みだ。

 さらに、実績連動クーポンは、当社が資産配分比率を決定している国際分散投資戦略指数のパフォーマンスを参照し、同指数の累積収益率を経過年数で割って求めた値となる。例えば、運用開始4年目に指数の累積収益率が8%だった場合は、4で割った2%になる。5年目に累積収益率が横ばいだったとしても、8%を5で割った1.6%の実績連動クーポンが付く。累積収益率がマイナスの場合でも、実績連動クーポンはゼロでマイナスにはならない。つまり指数のパフォーマンスがプラスである限り実績連動クーポンは支払われることとなる。

 この国際分散投資戦略指数はドイツの指数計算専門機関Solactive社が中立公正に算出する。そして実績連動クーポンから約1割の成功報酬を控除した残りが毎年分配金として投資家に支払われる。

 なお、信託財産留保額0.3%の手数料でいつでも換金できる。

 ――貴社が構成比率を決定する国際分散投資戦略指数とは?

 「投資のソムリエ」などの公募投信で使う運用モデルと同種のモデルで構成比率を決める。このモデルは国内外の株式や債券に幅広く分散し、かつ、市場の変化に即応して現金等とリスク資産の構成比率を機動的に見直すことで価格変動リスクを一定水準に維持する。公募投信以外にも機関投資家向けの資産運用手段として採用され、総額で1兆円超の資金を運用中の、当社を代表する資産配分モデルである。「プライムOne」では、価格変動リスクを年率3%程度になるよう調整する。過去10年間のシミュレーションでは、実績連動クーポンは成功報酬控除後で平均年率2.1%が得られた。

 ――今後の展望は?

 7月に設定した第1号は大和証券1社での販売だったが、今回は大和証券も含め合計35社の販売会社にお取り扱いいただく。販売会社からは、「プライムOne」には、初めて投資信託を購入する方からのお申込みが多く入ってきていると聞いている。

 9月号に続き10月号も募集が確定している。11月以降も連続的に設定していく予定で、「プライムOne」シリーズを投信市場に浸透させていきたい。元本確保性を有する業界初のこの商品で、現在業界あげて取り組んでいる「貯蓄から投資へ」の流れを加速させたいと考えている。(情報提供:モーニングスター社)

国際分散投資のリターンを得て円建て元本確保をめざす「プライムOne」、9月設定第2号は35販社に拡大