中国ではデパートからコンビニ、そして、露店に至るまで、生活のあらゆる場所に「非現金決済」が浸透しているため、現金を持ち歩かなくなった人が増加している。もちろん現金でも買い物はできるが、売り手と買い手の双方が「偽札を握らされないか」注意深くなければならない。そのため多くの店舗にはお札の真贋をチェックする紙幣識別機が置かれており、中国の高額紙幣である100元札を受け取った場合には、店員はお札が本物かどうか入念にチェックする。

 近年、日本を訪れる中国人観光客が増加しているが、日本のレジには紙幣識別機が置かれていないため、「日本人は偽札を掴まされることが怖くないのか」と疑問を抱くようだ。中国メディアの今日頭条は15日、「なぜ日本には偽札がほとんど出回っていないのか」と問いかける記事を掲載し、その理由について考察している。

 記事はまず、日本の紙幣には「偽造を防止する高い技術」が採用されているため、偽札を製造しようとしてもコストが掛かりすぎてしまい、法を犯して偽札を製造するメリットがほとんどない状況だと強調。

 続けて、日本には社会における「信用」を大切にする文化があることを紹介。記事は、過去に日本で起きた企業のねつ造や改ざんといった不祥事を例に挙げ、日本では偽札を製造したり、使用すれば信用が大きく失われ、それを取り戻すのは非常に難しいと紹介。それゆえ日本で偽札を製造する人は非常に少なく、中国人旅行客も日本で偽札を握らされる心配はないのだと紹介した。

 日本では偽札に関する事件が皆無というわけではないが、中国と比較すれば非常に少ないと言えるだろう。一方、中国でも紙幣に偽造防止のための技術が取り入れられているものの、偽札が非常に多く出回っているのが現状だ。銀行のATMからも偽札が出てくることもあるほどだ。中国で非現金決済が爆発的に広がったのは、偽札の流通が1つの要因と言われている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本で偽札が流通しないのは「偽札を作ると人生が終わるからだ」=中国メディア