サル

(structuresxx/iStock /Getty Images Plus/写真はイメージです)

滋賀県彦根市内に住む無職の男(68)がクロスボウでサルを打ったとして、鳥獣保護法違反容疑で書類送検された。インターネット上では、今回の一件について賛否の声があがっている。

■衰弱したサルは安楽死に

今年6月、滋賀県彦根市の資材加工工場倉庫内で、頭に矢が刺さったサルが見つかり、市職員が彦根署に通報。約2時間後に網で捕獲したが、衰弱しており回復困難と判断して安楽死させたことが報じられていた。

サルは体長約40センチ、矢は長さ35.5センチで鉛筆程度の太さ。矢はサルの左耳の後ろから右耳に向けて貫通しており、獣医師の助言を受けた県の判断で、炭酸ガスによる安楽死を行ったとのこと。

■男は「追い払うため」と供述

そして今月19日、サルに矢を打った男が書類送検されていたと、『読売新聞』が報じた。男は5月下旬、自宅の庭にいたサルに向かって、クロスボウで矢を放ち、野生動物を捕獲しようとした鳥獣保護法違反の疑いだ。

男は警察の調べに対し、「昔からサルに庭を荒らされ、追い払うためだった」と供述し、容疑を認めているという。

■男の書類送検に疑問の声

今回の報道を受け、『Yahoo! ニュース』では、書類送検された男に対する同情の声があがっている。庭を荒らされ、「自衛」でサルを打ち、書類送検されることに疑問を感じたようだ。

「サルはとても危険な動物。老人や女性子供などに危害を加える可能性がかなりある。成人男性でも襲ってくるときもある。頭も良いし素早いのでタチが悪い」

「この人にとっちゃ害獣でしかなかったんだろう。書類送検されてもなんの問題の解決にもなってない。この人の自分の利益・資産を守る権利はどう保護されるんだろう」

「やりたい放題のサルはお咎めなしで、人間は書類送検っておかしな話だと思う。昔の生類憐みの令みたい。一生懸命作物を作っている人には、本当に酷い憎き害獣でしかないと思う。ただ、頭に矢が刺さったままってのはかわいそうだと思う」

■「ボウガンはやりすぎ」との声も

一方、「サルへの怒りはわかる」としながら、「ボウガンはやりすぎ」といった声も見られる。

「擁護する意見は多いが、周りの住民に当たる可能性があることを考えると、ボウガンではなく、ほかの方法があっただろうに」

「庭荒らされて怒るのもわかるけど、殺傷能力の高いボウガンを安易に購入して使うのはどうかと思う。誤発射して人にでも当たったら、それこそ殺人になってしまう」

「サルから被害を受け、サルを攻撃したい気持ちになるのはわかりますが、さすがにクロスボウはやりすぎでしょう」

庭を荒らされていたため、ボウガンでサルを打ったという今回の事件。「自衛」と「鳥獣保護」にまたがる難しい問題であることは間違いないだろう。

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(文/しらべぇ編集部・音無 まりも

サルの頭に矢を打った男を書類送検 「人の権利」と「鳥獣保護」の問題に物議