前半29分、ロナウドが交錯したムリージョと小競り合いに発展して一発退場

 イタリア王者ユベントスは現地時間19日にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の開幕戦で、敵地バレンシア戦を2-0で制した。しかし、試合は前半29分にポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドがまさかの一発退場となる波乱の展開だった。

 ユベントスは試合開始から5分ほどはホームのバレンシアに押し込まれたが、すぐにリズムを奪い返した。左サイドからの攻撃が機能し、ファーサイドへのクロスの折り返しという形で元クリアチア代表FWマリオ・マンジュキッチとドイツ代表MFサミ・ケディラが決定機を迎えたが、いずれもシュートミス。そうした流れで進んでいた試合の前半29分に事件は起きた。

 ユベントスが左サイドから攻撃に出た際、ゴール前に入ろうとするロナウドコロンビア代表DFジェイソン・ムリージョが交錯。オーバーアクション気味に倒れたムリージョにロナウドが怒りを露わにし、倒れ込んだムリージョの頭をつかむようなアクションを見せた。ムリージョも激高し、両チームの選手たちがもつれる小競り合いに発展。フェリックス・ブリッヒ主審はゴール前を見ていた追加副審に助言を求めて状況を確認すると、ロナウドレッドカードを提示した。

 ロナウドはこれがCL154試合目の出場にして初の退場処分。納得のいかない泣き出しそうな表情でロナウドピッチを去った。

ピャニッチの2ゴールで2-0と勝利

 10人になったユベントスは4-4-1でバレンシアにボールを持たせることを選択するが、勝負強さで上回った。前半終了間際にまたも左サイドから攻撃すると、攻撃参加したポルトガル代表DFジョアン・カンセロがシュート。これはクロスバーに当たって跳ね返ったが、こぼれ球を拾ったカンセロに対してバレンシアスペイン人MFダニエル・パレホが足を高く上げて首のあたりを蹴ってしまいPKが宣告された。これをボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチがゴール右に蹴り込んで1-0とユベントスがリードして前半を終えた。

 後半に入ると再びゲームは動いた。右コーナーキックを得たユベントスはファーサイドでDFレオナルド・ボヌッチが合わせようとしたが、ムリージョに抱え込まれて倒れると再びPKが与えられた。ロナウドを退場に追い込んだムリージョだったが、主審の目の前で完全に相手を掴んでしまい痛恨のプレーとなった。これをピャニッチが前半と同様にゴール右に蹴り込み、後半6分でユベントスが2点目を奪った。

 その後もバレンシアはボールを持たせてもらいながら、ユベントスの守備ブロックを切り崩せずに決定機と呼べるほどのチャンスは生み出せずに時間が進んだ。それでもアディショナルタイムにクロスボールの場面でPKを獲得したが、パレホがゴール左を狙ったキックはポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニーがセーブユベントスはまさかのロナウド退場という逆境を跳ねのけ、大事な開幕戦でアウェーで2-0の勝利を奪い取った。(Football ZONE web編集部)

一発退場を命じられたC・ロナウド【写真:Getty Images】