ライダーススポットやらサービスエリアの駐輪場など、バイクが集まるところで見られる「吹かし切り」。エンジンを切る瞬間に回転を上げてから切るやつです。

しかし実際何の意味があるのか? 昔からロードレースで活躍しているバイク屋さんに聞いてみました!

結果、全く意味が無いんですって。そんな…ちょっとは意味あって欲しかった。

そもそも「吹かし切り」が生まれたのはレースの世界

70年台〜80年台前半に活躍していた2ストロークレーサーがレース前に暖気上でエンジンを温めたあと、最後に吹かし切りしていたのが始まりだとか。レーシングマシンはわかりやすく言うと壊れる寸前くらいまでハイパワーにチューニングしているため、エンジンを始動するだけでも簡単にはいきません。

もちろんセルスターターなんて無いし、当時はレーススタート直後に押しがけで発進するというルール。ってことは誰よりも早く始動して走りださなければ…。ただでさえかかりにくいマシンでしかも押しがけなので、エンジン始動はレースに勝つための鍵でもあったんです。

吹かし切りの意味は高回転でエンジンを止め、押しがけしても一番かかりやすい状態で止めることができるから。これが低回転だとスパークプラグが燃えきらなかったガソリンやカーボンなどで汚れて「カブる」という現象になります。

極端な人は8000回転とか高回転でクラッチを繋いでわざとエンストさせていた人もいたとか。この方法ならエンジン内部は8000回転の状態のまま止まります

そして押しがけ一発スタートしてトップへ! これが吹かし切りの本当の意味です。

巷でよく見る吹かし切りは車種も排気量もあまり関係なくやってます。しかし2ストならまだしも、4ストロークのバイクは本当に無意味。プラグのカーボンを飛ばすから、という人もいますが今はプラグも車体も当時より性能が上がっているので最近のバイクになればなるほど無意味ということでした。

ってことは2スト乗りの特権じゃん!!とか思って聞いてみましたが、公道を走れるレベルのエンジンではあんまり意味が無いそうです。要はレーサーみたいなカリカリチューンで低回転でカブリやすいバイクで吹かし切りして意味があるってことですね。

吹かし切りが生まれた当時はレーサーの真似をするのが流行っていて、そのせいで吹かし切りが定着したんだとか。(人によっては別の説もあります)

でもまぁ…確かにやりたくなる気持ちもわからなくはない(笑) ブンッ!!って切ったほうがガチマシンっぽいもんな…。レスポンス良いと気持ちいいし…。

さすがにめちゃくちゃうるさいバイクでやったら威圧的に見えてしまいますが、周囲の人が不快に思わないレベルならそれくらいカッコつけてもいいんじゃないですか?

バイク乗りの長年の疑問が晴れた企画でした!

(取材協力:オートボーイ津田沼・ライター:佐藤 快/Moto Be 20代にバイクのライフスタイルを提案するWEBマガジン

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