重度の認知症となると、徘徊して行方がわからなくなってしまうケースも決して少なくない。このほど認知症の妻に犬のリードをつけて地元のファンフェア(移動遊園地)を訪れていた夫が逮捕されたというニュースがアメリカから飛び込んできた。『Metro』『York Daily Record』などが伝えている。

9月15日メリーランド州ヘイガーズタウンの「York Fair(ヨークフェア)」を訪れた客は、女性の首に犬のリードがつけられているのを目撃し、午後3時50分頃にウエスト・マンヘイム・ヨーンシップ警察に通報した。

目撃者の話によると、長さ2.4メートルほどある赤いナイロン製の犬のリードを首につけられていた女性は、後ろから強く引っ張られるたびに頭がガクンと後ろに倒れていたという。この女性を引っ張っていたのは、夫であるウォルターウイリアム・ウォルフォード(66歳)だった。

ウォルターは妻のキャサリンさんと息子、そして義理の娘を伴ってこのフェアを訪れていた。救急医療関係者がキャサリンさんを診察すると、喉のあたりに赤い痣ができていた。妻への暴行容疑で警察署に連行されたウォルターは、取り調べに対し、キャサリンさんが5年前に医師から余命2年と告げられ、進行した段階の認知症であること、特に認知症のための薬は処方されていないことを明かした。実は、ウォルターは昨年もこのフェアにキャサリンさんを連れてきたが、一人でどこかへ行ってしまい、1時間半後にようやく複数あるゲートのうちのひとつにいるところを発見されたそうだ。その経験があったことから、ウォルターは妻が行方不明になるのを今回は避けるよう工夫をしなければと思い、考え付いたのが妻に犬のリードを装着することだった。

最初、リードはキャサリンさんの腰部分に繋がれており、キャサリンさんが前を歩くたびに「弛みが締め付けられて紐が腰から首の部分に上がってしまった。リードは優しく引っ張っていた」とウォルターは主張している。一緒にフェアに行っていた息子も「父は母を虐待してはいない」とウォルターを擁護する発言をしているそうだ。警察が見たところでは、キャサリンさんは非常に混乱した様子で、自分の居場所も理解しておらず、話す言葉も辻褄が全く合っていない状態だったようだ。

暴行罪で逮捕されたウォルターには保釈金5,000ドル(約56万円)が設定されたが、現在は保釈されており、予備審問は10月18日の予定とのことだ。

画像は『Metro 2018年9月18日付「Man, 66, caught walking dementia-stricken wife on a dog leash at local fair」(Picture: York County)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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