高機能自閉症(またはアスペルガー症候群とも)と診断された11歳少年が現在、イギリスのハイストリートファッションブランドのモデルとして活躍している。モデルを始めるようになってからは息子の自閉症の症状が随分改善したと喜ぶ父親は、「自閉症だからといって、夢を諦める必要などないということをみんなに知ってもらいたい」と話している。『Mirror』などが伝えた。

英ハートフォードシャー州レッチワースに暮らすアルフィー・アルドリッジ君(11歳)は、現在スティーブニッジにある特別学校(special school)に通っているが、高機能自閉症と診断される前に通っていた普通の学校では、大きなストレスを抱えながら毎日を過ごしていた。

アルフィー君は頻繁に攻撃的になる兆候が見られたため、学校側は記念写真撮影やその他のイベント、様々なアクティビティーなどにアルフィー君を参加させることを禁じた。アルフィー君の態度を敬遠する学校側とその対応によりますますストレスを感じて更に攻撃的になるアルフィー君との悪循環を知った父のギャリーさん(50歳)は、このままでは希望など持つことはできないのではないかと息子の将来を案じた。しかし特別学校に転校した後、家族の友人が「モデルをさせてみてはどうか」と提案、モデル事務所のスカウトを受けたアルフィー君は、その後大きな変化を遂げた。

「Zebedee Management」は心身障害者の雇用においてはイギリス初のモデル事務所として知られており、アルフィー君は現在、H&MやRiver IslandLand Roverなどイギリスで人気のハイストリートファッションブランドの撮影にプロのモデルとして登場している。撮影に参加するようになってからは、アルフィー君の自閉症の症状が大きく改善されたようだ。アルフィー君の母親とは別れているが3児の父親であるギャリーさんは、このように喜びを語っている。

「これまで息子は、水泳教室やジム、サッカーなどもチャレンジしました。ですが、グループで何かをするということがダメでした。モデルに関しては、とてもリラックスしてやっています。モデルになるために生まれてきたのかと思ってしまうぐらい情熱的な姿勢で撮影に取り組んでいて、今までの息子とは大違いなのです。息子自身にとっても、モデルをすることで自分を表現することができるのでしょう。これまでなにかと攻撃的でしたが、今では随分改善されて、息子は自信に満ち溢れているように見えます。息子を通して私が皆さんに是非伝えたいのは、自閉症だからといって夢を諦める必要などないということです。」

ギャリーさん曰く、今でもまだ友人たちとの社交的問題やグループ内での作業に多少の問題はあるという。しかしモデルの仕事がアルフィー君を大きく成長させたことは間違いないようだ。アルフィー君自身、大好きなことを見つけた嬉しさをこのように話している。

「撮影に行くと髪やメイクをしてもらって、なんだかセレブになった気分になるんだ。学校で友達に話したら、みんな『へぇ、カッコいいね!』って言ってくれるよ。モデルの仕事が楽しいし、将来はトップモデルになれたらいいな。」

今週には次の撮影があり、12月にはキャットウォークにもチャレンジする予定だというアルフィー君。カメラに向ける視線からは、今のアルフィー君のやる気が溢れてきそうである。

画像は『Mirror 2018年9月17日付「Autistic boy who was banned from school activities because of anger issues becomes model for top High Street brands(Image: SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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