明治安田生命J1リーグ第27節のサンフレッチェ広島vsFC東京が、22日にエディオンスタジアム広島で行われる。首位・広島(勝ち点55)と3位・FC東京(勝ち点42)による、白熱必死の上位対決だ。

◆今季の借りは今季の内にサンフレッチェ広島
▽6位・セレッソ大阪戦、7位・鹿島アントラーズ戦を連勝で乗り切ったものの、前節の15位・サガン鳥栖戦を0-1で落とした広島。リーグテーブルでは2位・川崎フロンターレ(勝ち点49/1試未消化)に6ポイントの差を付けているものの、じりじりと近付かれているのが現状だ。

▽城福浩監督の古巣でもあるFC東京は、広島にとって今シーズン初めて敗北した相手でもある。味の素スタジアムでの第10節では、前半の立ち上がりにFWディエゴ・オリヴェイラ、永井謙佑に立て続けにネットを揺らされ、頼みのFWパトリックも沈黙。MF稲垣祥が一矢報いたものの、1-3の完敗を喫していた。優勝を目指す上で、今シーズンの借りは今シーズン中に返さなくてはならない。

◆首位からダブルで上昇へFC東京
▽前節の4位・ベガルタ仙台戦を0-1で落とし、直近のリーグ6試合を2分け4敗と大不振に陥っているFC東京。順位はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位は確保しているものの、このまま取りこぼしが続けばあっという間に中位転落…ということも考えられる。また、タイトルレースにおいても残り8試合で13ポイント以上を詰める必要があり、かなり厳しい状況だ。

▽試合巧者ぶりを発揮し勝ち点を積み上げていた時期は過ぎ去り、チームに漂うのは決定力不足という暗雲か。特に、ここ3試合は多くのチャンスを作りながらも無得点で試合を終えている。嫌な流れを断ち切りもう一度上を向くためには、首位を相手にダブルを達成する劇的な勝利が必要だ。今度は広島に今シーズン初の連敗を与えるべく、敵地での奮起が求められる。【予想スタメン&フォーメーション】
サンフレッチェ広島[4-4-2]

(C)CWS Brains,LTD.
GK:林卓人
DF:和田拓也、野上結貴、水本裕貴、佐々木翔
MF:柴崎晃誠、青山敏弘、稲垣祥、柏好文
FW:パトリック、渡大生
監督:城福浩
▽左第3、4中手骨骨折で手術を行ったMF森島が引き続き離脱。出場停止者はおらず、ベストメンバーの起用を予想した。

FC東京[4-4-2]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:林彰洋
DF:小川諒也、チャン・ヒョンス、森重真人、太田宏介
MF:大森晃太郎、橋本拳人、高萩洋次郎、東慶悟
FW:永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイ
監督長谷川健太
▽日本代表DF室屋が警告の累積により1試合の出場停止。その右サイドには、古巣対戦となるDF丹羽の起用も考えられるが、サイドバックを本職とするDF小川の先発が濃厚だ。また、負傷者に関しては伝えられていない。

【注目選手】
◆MF稲垣祥(サンフレッチェ広島)
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▽広島の注目プレーヤーは、チームにダイナミズムを注入するMF稲垣祥だ。中学年代にFC東京の下部組織に在籍していた稲垣は、その古巣に好相性を示している。昨シーズンのJ1第33節FC東京戦では、残留を手繰り寄せる決勝点を記録。また、今シーズン前半でもネットを揺らし、対FC東京戦では2戦連続ゴール中だ。勝てば優勝争いのライバルに大打撃を与えられる今節、再びクラブのヒーローになれるのだろうか。

◆MF髙萩洋次郎(FC東京)
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FC東京の注目プレーヤーは、中盤をけん引するMF髙萩洋次郎だ。2012年、2013年と、かつて広島でJ1リーグ連覇を経験した高萩。閉塞感漂うFC東京の攻撃陣に奮起を促すためには、“ファンタジスタ”のお膳立てが不可欠だ。再びタイトルに手をかけようとしている古巣の本拠地に、今度は敵として立ちはだかる。

◆堅守vs堅守
▽1試合平均0.7失点で最も守備の堅い広島と、平均0.9失点で3番目に失点の少ないFC東京。粘り強い守備、中盤の攻勢、最前線に強力な助っ人を置いている点で両クラブの戦い方は酷似している。となれば、力と力のぶつかり合いになることが予想される今回のカード。相手を真っ向からねじ伏せるのはどちらか、広島vsFC東京は22日の19時にキックオフを迎える。
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