交通事故

(Kwangmoozaa/iStock/Getty Images Plus)

和歌山県和歌山北署の20歳代の男性巡査が8月、知人の男(30)の交通事故を意図的に見逃したとして、犯人隠避容疑で事情聴取されていたことが21日にわかった。容疑が固まり次第、書類送検する方針とのことだ。

■中学時代の先輩に…

巡査は非番だった8月30日夜、和歌山市内の路上で私有車を運転中、前部が大破した状態で停車していた車両を発見。運転していた男は、なんと中学時代の先輩だった。男は事故を起こしたことを巡査に告げ、「黙っといてよ」と依頼したという。

それを受け、巡査は警察に通報せず立ち去ってしまった。男はその後、車を置いたまま逃走したが、たまたま通行人が車を見つけ、110番通報。

男はその直前、無免許で車を運転し、近くの民家のブロック塀などにぶつかる事故を起こしていたため、7日に逮捕されたとのこと。

県警が周辺の防犯カメラなどを調べると、巡査の車が近くを走行していたことがわかり、事情を聞いたところ、事故を見逃したことを認めたそうだ。

■「かわいそう」と同情の声も

非番の日に先輩の事故に遭遇し、さらに見逃した際の姿が防犯カメラに映っていたという不運の重なりに、ネットからは「かわいそう」「不幸すぎ」と同情の声が相次いだ。

・本当は見逃した巡査を責めるべきなんだろうけど、これはさすがに同情しちゃうな。勤務中ならまだしも、非番の日は一市民でもあるからな…

・中学の先輩って、職場の上司とかより怖かったイメージ。その頃のイメージが今も残ってたんだろうな

・いくつも不運が重なった感じだね。警察として、というよりは知人として見逃したんだろうけど、そこは許されないわけか

・この何が一番不運だったって、その先輩があまりにも考えない人だったってことだよね。逃げることなんて考えないでその場で通報しておけば良かったのに

■巡査の行動に賛否両論

また、この巡査の行動には賛否両論が巻き起こっている。賛成派は、やはり「先輩だし」「非番だから」といったものが多くみられた。

・中学の先輩から「黙っといて」なんて言われたら、黙っちゃうな。反抗できない

・警察も非番中はさすがに気抜いてるだろ。自分でも、この状況は見逃すと思う

一方、否定派は、「人として」「非番とか関係ない」などと厳しい声をあげている。

・非番とか勤務中とか関係ない。人として、事故現場に遭遇したら通報すべきだと思う

・悪いことを「黙っといて」って言われて黙ってるようじゃ、本当の関係とはいえない

たまたま遭遇した事故現場で、その事故を起こした張本人が知人だと知った時、人間はどういう行動を取るのだろうか。巡査の行動には賛否が大きく分かれているが、そのような非常事態こそ、人間としての真価を問われる時なのかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・清水 翔太

「黙っといて」頼まれ知人の交通事故を見逃した巡査 次々と襲う不運に同情の声も