火曜ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系)の最終回が19.2%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)の有終の美を飾った。謎のラストシーンや、みゆきの大学進学はどうなったのかなど疑問が残る部分はあったが、おおむね好評を得た。

 この脚本を手掛けたのは森下佳子氏。過去の執筆作品には、「義母と娘の──」で主演を務めた綾瀬はるかの出世作である「世界の中心で、愛をさけぶ」や「白夜行」「JIN-仁-」(いずれもTBS系)、NHKの朝ドラごちそうさん」、NHK大河「おんな城主直虎」といった良作が並ぶ。

 対して、こちらの脚本家の惨状はどうしたものだろうか。まずは「西郷どん」を書いている中園ミホ氏だ。「やまとなでしこ」(フジテレビ系)や「ハケンの品格」(日本テレビ系)、「花子とアン」(NHK)「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)とヒットを連発。女性脚本家の旗手としてもてはやされていたのだが…。

「『西郷どん』は初回と2回目にそれぞれ同じ15.4%を記録して以降、15%台は一度もマークしていません。しかも5月以降は14%にも届いておらず、8月12日の30回目ではついに10.3%と2ケタギリギリに。この低調ぶりは何を置いても、西郷隆盛鈴木亮平)のほか、登場人物を表面的にしか見ていない中園氏の筆力のなさにある。対して、島津久光(青木祟高)や徳川慶喜松田翔太)などは、とにかく悪者にして、まるで勧善懲悪のような筋運びになっている。つまり彼女は、わかりやすいキャラクターとテンポあるストーリーテリングしかできない脚本家という烙印が押されてしまったわけです」(芸能ライター)

 もう1人、株を下げたのが朝ドラ「半分、青い。」を書いている北川悦吏子氏だ。彼女もまた、「愛していると言ってくれ」(TBS系)「ロングバケーション」(フジテレビ系)など心に残る名作を数多く生み出していたが…。

「ヒットドラマというのは、いつの間にか登場人物が視聴者に寄り添い始めたり、自分たちの人生を代弁していたりする。しかしこの作品は、キャラクターが、北川氏の頭の中でしか動いていないので、誰にも共感できない。ましてやヒロインの鈴愛(永野芽郁)でさえ他力本願すぎて、腹が立つほどです」(前出・芸能ライター)

 この2人には、しばらく休んでもらった方がよいのではないか。

(魚住新司)

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