ロングセラー・ トミカの魅力
友達の家に行くときも、キャンプに行くときもいつも握りしめていたお気に入りのトミカ。車種や時代は違えど、誰にでもそんな1台があるはず。「もう手に入らないよね……」なんてあきらめちゃあいけない。もしかするとそのトミカ、まだ現役かもしれませんよ!

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初代・日野ハシゴ付消防車が登場したのは1972年。ベース車両のモデルチェンジを反映しながらも、ハシゴの伸縮・回転機構は継承。現在は3代目だ。

ロングタイプを含めると年間28車種の新車がデビューするトミカレギュラーモデル。計算上では5年を待たずに全モデルが一新するはずだが、実際はそれより短い期間で入れ替わるモデルもあれば、10年を超える長寿モデルも少なくない。

開発チームによると「トミカは現実の自動車社会の縮図であり、街で見かけるクルマ、誰もが憧れや興味を抱くクルマが題材に選ばれる」という。また、旬なクルマを取り入れる一方で、定番モデルはアップデートを行いつつも、いたずらに変えないのだそうだ。

では、どんな車種が不動の定番、ロングセラーになるのかといえば、多くは消防車やトラック、建機といった“働くクルマ”たち。緊急車両は子どもが憧れるヒーロー的存在であること、トラックや建機はギミックが採用されることが多く、その人気は時代に左右されないという。そういわれると、幼い頃に握りしめていたのは、たしかに働くクルマだったかも……。

もし、アナタにもそんな記憶があるならば、じっくり現行ラインナップを眺めてほしい。あの頃お気に入りだった1台に再会できるはずだ。

安定した人気を誇るツアーバス

タカラトミー
トミカ No.42 はとバス
価格:486円

都内をはじめ、関東圏の観光スポットを巡るツアーバスとして知られるはとバス。初代モデルの登場は1974年のこと。トミカのベース車両は数回の変更を受けている。

リアルなアクションが魅力

タカラトミー
トミカ No.45 トヨタ ダイナ 清掃車
価格:486円

白青ツートーンのカラーはもちろん、ごみ収集装置の上下、トビラ部分の開閉と、実車のアクションを忠実に再現。初代モデルはいすゞエルフで、デビューは1972年

つい回したくなるミキサー装置

タカラトミー
トミカ No.53 日産ディーゼル クオン ミキサー
価格:486円

建設現場に欠かせないミキサー車の初代モデルが発売されたのは1973年。荷台に設置されるドラム部分は回転ギミックを採用しており、手に取ると思わず回したくなる。

力強い佇まいを見せる建機の雄

タカラトミー
トミカ No.56 コマツ ブルドーザ D155AX-6
価格:486円

前部に備わる排土板のほか、後部には岩を掘り起こすリッパを装備。建機の力強さを見事に表現したブルドーザー。初めてモデル化されたのは1972年のこと

ホットドッグからケバブ

タカラトミー
トミカ No.57 スズキ キャリイ 移動販売車
価格:486円

1973年に登場したいすゞエルフハイルーフホットドック販売車が移動販売車の源流。その後、石焼いも車やラーメン屋などが登場し、現在はスズキキャリィのケバブ屋台。

自動車遊びに欠かせない1台

タカラトミー
トミカ No.90 UDトラックス クオン エネオス タンクローリー
価格:486円

EVが注目される昨今だが、ミニカー遊びに不可欠な存在といえば燃料を運ぶタンクローリー。初のモデルが登場したのは1973年、日野ダンプトラックがベースだった。

40年変わらないその姿

タカラトミー
トミカ No.95 ロンドンバス
価格:486円

現行トミカの中でもっとも長寿なのは、1977年に登場した2階建てのロンドンバス。カラーリングこそ変更されているが、デザインは40年以上変わっていない。

手にズシリとくる重厚感が魅力

タカラトミー
トミカ No.102 日立建機 リジッドダンプトラック EH3500ACII
価格:486円

大規模鉱山で活躍する車重300トン級の超大型ダンプ。トミカの現行モデルが発売されたのは2009年だが、1973年には同じく日立のリジッドダンプが発売されている。

トミカからはじめる、クルマLOVE】

トミカ」といえば、僕らが子どもの頃に遊んだオモチャの定番。クルマを運転したり自分のクルマを持ったりするなんて、ずーっと先のことだと思っていたあの頃、僕らは小さなトミカを手にクルマへの憧れを抱いていたはずだ。月日は流れ、オモチャはずいぶん様変わりしてしまったけれど、それでもトミカは定番中の定番。しかも現在は、大人になった僕らのハートをわしづかみにするコレクションまでラインナップされている。そう。今やトミカは大人にとっても魅力的なプロダクトのひとつ。だからこそ子どもといっしょにトミカを手に取れば、あの頃の僕らのように、きっと、子どもたちもクルマが楽しいものだって感じてくれるはず!

※『デジモノステーション』2018年10月号より抜粋。

text村田 尚之

photo羽田洋(プロペラ映像制作所)
(d.365
掲載:M-ON! Press