寂しそうな女の子

manop1984/iStock / Getty Images Plus/写真はイメージです)

兵庫県明石市が発表した、全国初となるモデル事業が話題になっている。

■未払いの養育費を肩代わりする事業

兵庫県明石市は11月から、「未払いの養育費を保証会社が肩代わり」する、全国初のモデル事業をはじめることを発表した。

・市が「保証会社」に業務を委託

・養育費が滞った場合、「保証会社」が不払いの養育費(月上限5万円)をひとり親世帯に支払う

・その同額を「債権」として相手方から回収する

…という流れだ。申し込みの条件は「離婚時に調停調書か公正証書で、養育費の支払いを取り交わしていること」。

■2018年度で効果の検証 その後本格導入の検討

離婚時に養育費を取り決めても受け取れないことが少なくなく、子どもの習い事などはおろか、親がダブルワークを余儀なくされる。結果、子供との時間も取れず体調を崩すという弊害が起きていたという。

この解決策への一歩として踏み出したモデル事業だ。2018年度は、18世帯分の保証料として90万円を当初予算に盛り込んでいる。「効果などを検証し、本格導入の可否を検討したい」と語っている。

■養育費不払い、20年前から進展なし

日本において、養育費不払いは約20年前から指摘されているにも関わらず、進展がないのが現状。12年度からは、離婚届に「養育費取り決めの有無」についてチェック欄が設けられているが、強制でもなく内容の確認もないため「実効性をもたない」と言われていた。

また、不払い時の強制執行の際も、「離婚時に2人で公証役場に行くこと」「養育費に関する合意書を証書で残すこと」と、限られた人しかできない。

結果、2016年に厚生労働省が発表した「全国ひとり親世帯等調査」によると、ひとり親世帯の56%が「養育費を受けたことがない」と答えている。

■「子供の貧困が少しは解消されるかも」

明石市がモデル事業として踏み出した一歩に、ネットでは「相手から払ってもらうことに意味がある」との意見もあるが、「嬉しい」「助かる人は多い」との意見が寄せられている。

「養育費って、相手から払ってもらうことに意味があると思うけど…でも広まるべき事業かも」

「これは全国に広まってほしい 子供の貧困が少しは解消されるかも」

「これは助かる人多い。逃げれば逃げられた方は泣き寝入りするしかない、どこにいるのかも分からないのに、養育費を請求もできない状況…結構いると思う!」

「責任とらずに逃げる人、少なくないらしいね。再婚したらパタッとなくなったり。市がシングルマザーを手助けしてくれる発想が嬉しい」

■子供がいる夫婦は離婚すべきでない?

しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,342名に「子供がいる夫婦の離婚すべきではないと思う」か調査を行ったところ、約5割が「離婚すべきではない」と回答。

(©ニュースサイトしらべぇ

男性にその傾向が強いようだ。3組に1組が離婚する時代になってもなお、離婚に否定的な人は少なくないだろう。

「子供がいるから離婚しない(できない)」、「子供のために、離婚する」など、それぞれの選択があるはずだ。しかし、今回のように養育費不払いにより、生活が苦しくなり、子供たちが泣いてきた。この取り組みは大きな支援になるのではないだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2017年11月17日~2017年11月20日
対象:全国20代〜60代の男女1,342

「養育費を肩代わり」全国初の取り組みが話題 「子供の貧困が解消されるかも」