バルサを去り、有名クラブで活躍する代表格のチアゴ「世界で最高のMFの一人」

 バルセロナと言えばアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(現ヴィッセル神戸)らを輩出した「ラ・マシア」こと下部組織がクラブのアイデンティティーとなる一方、近年は主力に定着した生え抜きが減少傾向にある。

それを受けて、スペイン紙「マルカ」は「ここ10年で最も期待された50人の下部組織出身選手の今」を特集。そのリストには日本代表選手と同僚となったプレーヤーや現役Jリーガーの名前も刻まれている。

 直近10年の昇格者でレギュラークラスまで上り詰めた選手と言えば、スペイン代表MFセルジ・ロベルトだ。当初は出番に恵まれなかったものの、ルイス・エンリケ前監督時代に右SBで起用されてから台頭。チームに欠かせないユーティリティーとなった。「トップチームでレギュラーとなった数少ないうちの一人」とされている。現在バルサ所属の23歳MFセルジ・サンペールもトップチームに定着できるかについても触れられている。

 バルサから去ったとはいえ、各国有名クラブで活躍する選手は多い。その筆頭格はバイエルンスペイン代表MFチアゴ・アルカンタラだろう。イニエスタと元スペイン代表MFシャビ全盛期とかぶった不運もあり、バイエルンへ移籍。そこで卓越したゲームメーク能力が花開き、「世界で最高のMFの一人」との評価を受けている。


バブンスキーは今夏にJ2大宮へ移籍

 また、アーセナルスペイン代表DFエクトル・ベジェリンについても「16歳バルサを去って入団して以降、アーセナルの右サイドバックのファーストチョイスとなり、このポジションで世界的な選手の一人となった」と記されている。

 日本人選手と同僚になった選手もいる。スペイン代表DFマルクバルトラはドルトムントで日本代表MF香川真司、現在所属するベティスでは日本代表MF乾貴士とチームメートとなったことで「ベティスのボス」と評されている。ベティスだとパラグアイ代表FWトニー・サナブリアも同じくラ・マシア出身だ。

 次世代のアンカー候補として期待されたスペイン人MFオリオル・ロメウはチェルシーバレンシアシュツットガルトを経て、2015-16シーズンからは日本代表DF吉田麻也が所属するサウサンプトンに籍を置いている。

 流れ流れて、活躍の場を日本に求めたのはMFダビド・バブンスキーだ。スペイン代表DFジェラール・ピケと当時レアル・マドリードのDFアルバロ・アルベロアがツイッター上で繰り広げた舌戦をやめてほしいと懇願したというエピソードを持つが、「彼は日本での冒険を選んでいる。まずは横浜F・マリノスに入団し、今夏から大宮アルディージャと契約した」と現況を報告している。

 ラ・マシアでの競争を勝ち抜いても、トップチームではさらなる高いレベルが求められる。チアゴやバルトラ、バブンスキーらのようにバルサで活躍できなくとも世界各国に請われることが、バルサの下部組織が才能にあふれた若者があふれている何よりの証明かもしれない。


Football ZONE web編集部)

(左から)セルジ・ロベルト、エクトル・ベジェリン、チアゴ・アルカンタラ、マルク・バルトラ、ダビド・バブンスキー(現在は大宮アルディージャ所属)【写真:Getty Images】