蚊も吸っていくのが血じゃなくて涙だったら、ここまで憎まれずに済んだかもしれないのに…。

アマゾン熱帯雨林を調査する生態学者レアンドロ・モラエス氏が、衝撃の瞬間をカメラに収めることに成功しました。

Credit: Science Magazine

鳥の一種であるクロアゴアリドリ(Hypocnemoides melanopogon)の背中に、蛾のゴルゴンマカレア(Gorgone macarea)が乗っています。蛾から伸びる口先が鳥の目を刺しているかのように見えますが、実はこれ、鳥の涙を飲んでいるんです。

これまで、蛾が動きの速い鳥を標的にするところをカメラで捉えることは滅多にありませんでした。しかし今回は、蛾が鳥の休息している夜中を狙っていたことが大きいでしょう。さらに、比較的安全な鳥の背中から吸引しています。このような条件によって、モラエス氏がカメラに収めることができたのです。

実は涙を飲む行為は、蝶や蜂にも同様に見られます。蝶はクロコダイルの涙を好み、蜂はカメの涙を好みます。これは、動物の目の分泌液に含まれるナトリウムや、タンパク質などの栄養分を摂取するためだといわれています。

また、メマイトと呼ばれるハエは、人の涙を舐めようとすることもあります。日本にも生息していますが、顔の前をよく飛来するのはこのためともいわれています。このハエに毒性はありませんが、寄生虫である東洋眼虫が目に入って感染症を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

 

 

蛾の羽の長い「しっぽ」は敵からの「音響探知」も避ける効果があると判明

 

via: Science / translated & text by ヨッシー

 

「蛾」が「鳥の涙」を吸っているレアな場面がカメラに収められる