今季ベジクタシュでプレーする守護神が、移籍した心境を告白

 昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝で衝撃的なミスを犯したことで、知名度を上げてしまったドイツ人GKロリス・カリウスは、今夏リバプールからトルコのベジクタシュに2年間の期限付きで移籍した。CL決勝でのミスでリバプールファンの一部から激しい非難を浴びた同選手だったが、ベジクタシュ移籍は「リバプールから逃げたわけではない」と語っている。ドイツ紙「ビルト」が報じた。

 カリウスはレアル・マドリードとの昨季CL決勝で、失点につながるミスを二度犯した。キャッチしたボールをアンダースローで味方につなごうとしたところを、目の前にいたレアルの元フランス代表FWカリム・ベンゼマにカットされて失点すると、ウェールズ代表FWギャレス・ベイルの正面に飛んできたミドルシュートも後逸してゴールを許し、1-3敗戦の戦犯となった。

 リバプールはこの夏にブラジル代表GKアリソンを、移籍金6700万ポンド(約99億円)で獲得。プレシーズンからユルゲン・クロップ監督率いるチームで正GKとしての地位を確立し、カリウスは窮地に立たされてしまった。ベジクタシュ移籍を決断した一番の理由として、カリウスはドイツ紙「ビルト」のインタビューで「レギュラーとして出場することを強く求めていたから」だと明かした。

ユルゲン・クロップ(監督)とはなんの問題もなかった。それよりも、非常にいい関係だった。(キエフでのミスについて)彼に責められたことは一度もない。リバプールに残って数試合に出ることもできたが、僕はナンバーワンとして、コンスタントに試合に出場したかった。誰にも退団しろとは言われなかったし、逃げたわけでもない」

「きっとあのことについて、今後何百回と聞かれるだろうけど…」

 さらに、25歳のカリウスは「年齢的にもレギュラーとしてプレーする必要がある。アリソンの移籍で、僕がイスタンブールに移って、ベジクタシュに入ろうと決断したんだ。ある段階でメディアや世間からのプレッシャーがとても大きくなって、リバプールは何か対応しなければならなかった。僕にとっては良い状況ではなかったけど、それがフットボールさ」とも話した。

 また、昨季CL決勝の“悪夢”は精神的なトラウマになったとしながらも、「きっとあのことについては、今後何百回と聞かれることだろう。でも過去は消せないし、もう終わったこと。素晴らしいシーズンだったけど、最後はとてもアンラッキーだったんだ」と述べ、大舞台で犯した自らのミスの代償を受け入れると語っていた。(Football ZONE web編集部)

今夏トルコのベジクタシュに期限付き移籍したGKカリウス【写真:Getty Images】