25日、貴乃花親方の日本相撲協会引退騒動に絡み、相撲コンシェルジュを名乗る芸能レポーター・横野レイコの行動に批判が集まっている。

 横野は貴乃花親方が自身のブログに退職を匂わせる投稿を行い、報道各社に「25日17時から記者会見を開く」とアナウンスされていた段階で、『直撃LIVEグッデイ!』(フジテレビ系)にゲスト出演。

 これまで貴乃花親方と日本相撲協会が対立していた際、つねに協会側の肩を持ち、執拗に貴乃花親方を叩き続けた横野だが、「今回はショックを受けている」とし、「ここに至った決断がどうしてなのかわからない」などとコメント。「(相撲協会は)退職届を受理せずに残ってほしい」などと肩を持つようなコメントを行う。

 そんな横野に怒りをぶつけたのが、コメンテーターの北村晴男弁護士。貴乃花親方が退職を決意せざるを得なくなった「すべての親方は5つの一門のいずれかに属さねば廃業となる」というルールについて、『一門に所属しなければならない意味がさっぱりわからない』と横野に詰め寄ったのだ。

 横野は「一門に所属するのは大昔から5つだった」と説明。そして、6月に解体された「貴乃花一門」は北の湖元理事長が決めたものであり、理事会を通したものではないとして、「そもそも相撲界には5つだったんだから、戻しましょうということになった。本来の正しい形に戻しましょうとなった」と説明する。

 北村弁護士はこれに噛みつき、「なぜ、過去が正しいんですか?」と激怒。すると横野は「それは私もわからない」と言及を避ける。そして、「貴乃花親方は孤立していて(一門に所属する)ルールを(9月開催の)秋場所で聞いた。貴乃花親方は知らなかった」と、暗に「孤立している貴乃花親方が悪いのだ」とも思える発言を行う。

 これにも北村弁護士は激怒し、「知ってる知らないにかかわらず、なぜ5つの一門しかなくて、かつそれに属さねばダメなのかという合理的な理由をご説明頂いてないんですけど」と厳しいツッコミ。

 横野はそれについて、「私も納得いってない」とコメント。北村弁護士は「じゃあ正当性はないんですね?」と聞くと、「なぜなら協会はまだメディア発表してない」とし、詳細はわからないとした。

 さらに、このルールについて不満を見せる北村弁護士に対し、横野は「これが辞める理由ではない」と釈明し、「無関係」を強調。北村弁護士は追及を続けようとするが、安藤優子キャスターと大村フィールドキャスターが発言を遮り、「横野さんに聞いても仕方がない」とブロック

 高橋克実キャスターが「あれだけ弟子を育てることが好きだと言っていたのに」と嘆くと、横野は「途中で投げ出さないでほしい」と、再び貴乃花親方叩くようなコメントをする。

 その後、北村弁護士は圧力がかかったのか言葉少な。横野は「私もわからない」を繰り返すようになり、「急に来てもらった」などと庇われ、コーナーは終了した。その様子にネットユーザーは激怒。「相撲コンシェルジュというよりは、相撲好きの女性」「取材してなかったの?」「取材もせずに話しているならファンと変わりはない」と批判の声を上げた。

 そんな横野は、17時から行われた記者会見にも登場。記者として苦渋の決断をした貴乃花親方に「どうしても譲れなかったことはなんだったのか」「他の選択肢はなかったのか」「協会に残る考えはないのか」などと、質問をぶつける。

 自身を叩き続け、人格を否定しているとも取れる発言をした横野を知らないはずがない貴乃花親方だが、顔色を変えず淡々と回答。この様子にネットユーザーは「横野に質問させるな」「なぜ当てたのか」「よくのこのこ出てこられたな」と横野に怒りの声を上げ、貴乃花親方については「さすが横綱」「人格者」「拒否しても良かったのに」と評価する声が上がった。

 なお、記者会見では貴乃花親方が退職届提出の理由として「5つの一門に則さなければいけないルールがあり、ほかに所属するためには3月に提出した告発状を事実無根と認めるよう圧力をかけられた」と明かしており、横野がグッデイで北村弁護士に話した「ルールと引退は関係ない」という論理は崩壊している。

 横野はフジテレビ系の情報番組で度々貴乃花親方を批判しており、その様子を見た社会学者の古市憲寿氏が『とくダネ!』内で、「どうして協会の肩ばかり持つのか」と皮肉るシーンもあるほど。また、貴乃花親方が降格処分を受けた際には古市氏から「嬉しそう」と皮肉を受け、猛反論している。

 今回、北村弁護士が厳しく横野を追及した背景も、彼女が相撲協会の意を受け貴乃花親方を叩き続けた件を快く思っていなかった可能性が高い。

 横野自身は「貴乃花親方叩き」を否定しているが、ネットユーザーや相撲ファンの著名人、そして、共演者が「貴乃花親方叩き、相撲協会支持」の姿勢を感じていることは事実で、貴乃花親方が引退する遠因になったと言っても過言ではないだろう。

 すっかり、「相撲協会の意を受けた人間」というイメージが定着した横野レイコ。世間が彼女に対して向けている目や声に耳を貸し、貴乃花親方のような潔い決断をしたほうがいいかもしれない。

貴乃花親方