Credit: M. KAYSER ET AL/SCIENCE ROBOTICS 2018 / ニョロニョロ…?
Point
・ファイバーグラスで樹状の構造物を作るロボットの開発に成功した
・繊維を自らの体に巻き付けるようにして伸び、曲がった構造も作ることも可能
遠隔操作できるため危険な環境で建築物としてインフラになることが期待される

一見「ニョロニョロ」っぽいですが、物凄いニューテクノロジーです。

Science Roboticsに掲載された研究で、ファイバーグラスで樹状の構造物を作るロボットを開発することに成功しました。

Design of a multi-agent, fiber composite digital fabrication system
http://robotics.sciencemag.org/content/3/22/eaau5630

Credit: Science Magazine

ロボットは、植物のように重力に逆らって空に向かって伸びます。どのようにして形作られているかというと、ファイバーグラスが配合された高強度の樹脂繊維を体に巻き付けて体を大きくしていきます。

ロボットの先端部分には、繊維を巻くためのアームと繊維を固めるためのUVライトが取り付けられています。素材となる樹脂繊維はタンクでロボットの側に設置。ロボットが体を作るときは、アームを回転させながら繊維を体に巻き付けてUVライトで固めていきます。

このロボットは自律型で、コンピュータで自動的に体の曲げを計算し、他のロボット同士がぶつからないように構造を決めることができます。体を曲げる場合は、アームから放出される繊維の厚さやパターンを変えることで曲率や強度を調整します。

Credit: M. KAYSER ET AL/SCIENCE ROBOTICS 2018

開発チームは、実際にロボットを動作させて12時間かけて最大4.5メートルの高さの構造物を作ることに成功しています。さらに、ロボットを解体するまでの約7ヶ月間、風雨や雪などの環境下でも損傷することがありませんでした。

ハーバード大学の情報工学者ラディカ・ナグパール氏は、「このロボットは砂漠や水中、さらには惑星などの危険な環境でインフラとなりうるでしょう」と述べました。

今回開発されたロボットは、未開拓の土地での遠隔的建設や、災害時の仮設建築に役立つことことが期待されています。

 

 

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via: ScienceMagazine, ScienceNews / translated & text by ヨッシー

 

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