【ヒット確実な新製品の「試してわかった」をレポート】

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先進のテクノロジーで極上の乗り心地を実現する、フランス生まれの都会派SUV
シトロエンから独立したプレミアムブランド「DS AUTOMOBILES」のフラッグシップカーとして生まれたのが『DS 7 CROSSBACK』。マクロン大統領の就任パレードにも起用されるなど、フランスを代表するSUVとしての位置を築いている。駆動方式はFFの2輪駆動だが、数多くの先進機能を備え、石畳など凹凸のある道でも快適に走れる革新的な都会派SUVだ。

DS AUTOMOBILES
DS 7 CROSSBACK
価格:469万円〜

【SPEC】
サイズ:L4590×W1895×H1635mm
ホイールベース:2730mm
パワートレイン:2.0Lディーゼル4気筒ターボ
        1.6Lガソリン4気筒ターボ
トランスミッション:8速オートマチック
車両重量:1570〜1720kg
最高出力:177PS/225PS
最大トルク:400Nm/300Nm
燃料消費率(JC08モード):16.4km/L/14.7km/L

Front
Rear
Side
Side

圧倒的に快適な乗り心地を支える先進機能の数々

かつてのシトロエンの高級車だった「DS」の名称を受け継ぎ、ハイエンドブランドとして独立した「DS AUTO MOBILES」。そのフラッグシップである『DS 7 CROSSBACK』は、フランス車らしいエレガントさと個性を持ったデザインに、意欲的な先進機能を数多く搭載している。

エレガントな佇まいに目を奪われながらロックを解くと、LEDライトがゆっくりと回転し、ドライバーを迎えてくれる。オートハイビーム機構を搭載するため、ライトが可動することを活かしたギミックだが、クルマの“目”である部分が動いて迎えてくれると、“相棒”感が高まる。

用意されるパワートレインは2.0Lのディーゼルターボと1.6Lターボの2種類。ディーゼルのほうが発進がパワフルだが、どちらも豊かなトルクがよく調律されており、街中などでは非常にジェントルな加速を見せる。それでいて、高速道路などで一度アクセルを大きく踏み込むと、大きな車体をスゴい勢いでスピードに乗せるだけの実力を持つ。

走行モードは「エコ」「ノーマル」「コンフォート」「スポーツ」の4種類で、スポーツモードではエンジン音も迫力を増し、足回りも引き締められる設定。高速コーナーでも路面にピタリと貼り付いたように安定してラインをトレースしてくれる。

特筆すべきはコンフォートモードの乗り心地で、多少荒れた路面でもカーペットを敷き詰めたような快適さを味わえる。これは路面をカメラでスキャニングし、凹凸に合わせて前後左右のサスペンションの減衰力を最適に調整する「DSアクティブスキャンサスペンション」に寄る恩恵だ。特に都市高速によくある路面の継ぎ目や、マンホールの蓋などを通過する際に、ふわりといなしてくれるような効果を感じられた。

そのほかにも、赤外線カメラで撮影した映像をメーターパネル部に表示し、前方の歩行者や動物を補足する「DSナイトビジョン」、車内のセンサーでドライバーの疲労度を感知する機構など先進的なテクノロジーが満載。近年人気の高いSUVだが、ラグジュアリーな乗り心地と革新的な機能を味わいたいなら、頭一つ抜きん出た存在と言えるだろう。

エレガントさを際立たせる光のギミック
SUVらしいダイナミックさを持ちながら、細部の精密なフィニッシュによってエレガントさを感じさせるデザインはこのクルマの大きな魅力。それをさらに際立たせるのが、LEDを多用したライトのギミックだ。フロントライトは夜間のキーONでそれぞれ180°ずつ回転してドライバーを迎えてくれる。その際、発色も紫がかったものになるなど細部に至るまで気が利いている。
リアのランプも格子状に光を放つ構造とされ、ボリューム感のあるリア周りのラインを強調。ミラー部にもウェルカムライトが装備されており、解錠すると乗り込む人の足元を「DS」のロゴの入った光で照らしてくれる。乗り込む前から気分が盛り上がる演出だ。


ラグジュアリーで快適な室内空間
内装はハイブランドらしいラグジュアリーな仕上がり。上級グレードの「Grand Chic」のオプションであるレザーシートは時計のベルトをイメージしたユニークなデザイン。エンジンをかけるとダッシュボード上にアナログ時計が現れる仕掛けや、シフトレバー周りのボタンがパリの彫刻を思わせるデザインとされるなど、細かい箇所にも気が利いている。ハンドルが、シトロエン時代の「DS」シリーズに装備されていた下が欠けたデザインを模したものとされていたり、操作ダイヤルに全てローレットが刻まれていたりと、とにかくドライブ中に目に映る部分にはデザイン的な配慮が行き届いている。


快適なドライブを実現する先進技術を搭載
先進的な車種らしく、フロントウィンドウだけでなく、フロントグリルやミラーの下部、そしてリアカメラまであらゆる方向にカメラを設置。駐車時には真上から見下ろしているような映像で周囲を確認できるだけでなく、走行中に見にくい左側のクリアランスなども確認可能だ。これらのカメラは自動ブレーキはもちろん、前走車との間隔を適切に保ち、追従する機能などを統合した「DSコネクテッドパイロット」機能にも活用される。

前方車両だけでなく、車線も検知し、レーン逸脱を警告しながらハンドルにも修正を与える機能も搭載。レーン内での走行位置もドライバーの好みに合わせてくれる配慮も。路面の凹凸まで感知し、サスペンションの減衰力を調整する機構も。


夜間や長距離ドライブの安全にも配慮
赤外線カメラで前方約100mまでの歩行者や動物などを捉え、メーター部のディスプレイに表示する「DSナイトビジョン」機能も搭載。目前に暗視カメラのような映像を表示してくれる。衝突の危険があるときは、表示だけでなく警告音も発してドライバーに注意を促す。
ステアリングコラム部分には、ドライバーの頭やまぶたの動きをセンシングする赤外線センサーを装備。長距離ドライブなどで、ドライバーの疲労度を測って通知する機能も搭載している。警告はメーターパネルの左側に「眠気」と「注意散漫」の2項目でそれぞれレベルが表示され、休憩が必要なレベルに達すると、休憩を勧める表示に変化。長距離ドライブでの安心感向上に一役買ってくれている。

※『デジモノステーション』2018年11月号より抜粋。

関連サイト
DS 7 CROSSBACK

text増谷茂樹

photo松川忍
(d.365
掲載:M-ON! Press