メールアドレスに『****』が入っている人は離婚しやすい!」

 世の中にはオカルト的な都市伝説が吐いて捨てるほど転がっており、信用に値するのは一握り。だからこそ、何を言ってもなかなか信じてもらえないでしょうが、まずは論より証拠。

一見前向きで、幸せを想像させる単語

 筆者はこれまで13年間にわたって、「夫婦の離婚」に特化し、相談などの仕事を行ってきました。過去の相談は当事者ごとに名前、住所、相談内容、メールアドレスなどを保存してデータベース化し、検索できるようになっています。

 しかし、残念ながら、当事者は相談が終わるとメールアドレスを変えることが多いです。なぜなら、プロバイダーアドレスは「引っ越し」、キャリアのアドレスは「離婚」、会社のアドレスは「転職」で使えなくなるからです。過去の相談件数は約1万件ですが、それでも5000件のメールアドレスはまだ有効です。

 日々の相談の中で、「またか!」という感じで、何十回、何百回と目に飛び込んでくるアドレスがあります。私が気になって上記のデータベースを確認したところ、女性相談者のアドレスには「ある単語」が含まれていたのです。

 多い順に「love」(686件)「happy」(321件)「sweet」(115件)「angel」(99件)という結果でした。一見すると、前向きで幸せで、楽しそうな生活を想像する単語ばかりですが、これらをアドレスに入れている女性は離婚しやすいのです。

 基本的に、離婚の加害者、つまり、不倫や借金、暴力で家庭を壊すような輩は相談しに来ないので、上記の数字はすべて被害者です。この手のトラブルメーカーと一緒になったり、結婚生活の中でトラブルが起きたり、トラブルをやめさせることができなかったりして、離婚に至る女性とはどのようなタイプなのでしょうか。

 今回は「メールアドレス」という共通項をきっかけにひも解いていきましょう(メールアドレスは実際のものを大幅に修正)。

結婚生活は「love」とは正反対の日々

【1位】「love

love_you_nonchan****.com」「lovelove_80kitty****.co.jp」「mickey777.love****.or.jp」など686

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:小泉銀次(36歳)→会社員(年収480万円)
妻:小泉愛花(31歳)→専業主婦
長女:小泉心寧(7歳)
次女:小泉心音(4歳)
長男:小泉陽太(1歳)
妻のメールアドレスaito.love.1988****.ne.jp

「今まで我慢してきましたが、これ以上は無理です! 主人といるのが苦痛なんです。離婚することは子どもたちも賛成しています!」

 そんなふうに、不安な胸の内を吐露してくれたのは小泉愛花さん。愛花さんには、7歳、4歳、1歳の子どもがいるのですが、夫と夫の母(義母)は一蓮托生。本来は夫婦の間を取り持つべき義母が、あろうことか、夫と一緒になって嫁(愛花さん)をいじめたそうです。愛花さんいわく、子どもたちの目の前で「嫌い、汚らわしい!」と軽蔑されたのが、一番ショックだったそう。ストレスが原因で円形脱毛の症状が現れたそうで、診療内科に通い続ける日。

 そんな愛花さんの堪忍袋の緒が切れたのは、夫の脱サラでした。夫は愛花さんへの相談なしに駅前に花屋を開店しようと動いており、すでに物件を契約したり、アルバイトを雇ったりしていたのです。愛花さんが一番許せなかったのは、夫が夫婦の貯金だけでなく、子どもの貯金を無断で引き出し、お店の什器を購入していたことでした。

「もう吹っ切れました! あいつに子どもたちの父親面をさせるのは無理だって!! 直接話すのはちょっと怖かったんですが、言ってやったんです。『実家に帰らせてもらいます!』って」

 愛花さんが、現在のアドレスを登録したのがいつなのか分かりませんが、「愛したい」「愛されたい」という気持ちが強いからこそ、わざわざメールアドレスに「love」の4文字を入れたのでしょう。愛花さんのような女性が結婚に憧れるのは、当然といえば当然。なぜなら、最愛の彼氏が結婚式で「永遠の愛」を誓ってくれるのだから。しかし、実際の結婚生活は愛花さんが夢見たもの、「love」があふれる日々とは正反対でした。なぜなら、夫や義母の言葉や態度、雰囲気に「love」は感じられなかったのだから。

 一日中、握りしめている、スマートフォンに表示される「love」のメールアドレスと、「love」のかけらもない憎悪に満ちた実生活。そんな理想と現実の間で愛花さんは精神的に追い込まれていったようです。

 愛花さんは長い間、抗うつ剤を手放せず、円形脱毛という目に見える症状が現れていたのだから、夫の脱サラ計画を待たずに、もっと早く離婚を切り出した方がよかったかもしれません。しかし、「love」を大事にする愛花さんは「人には愛をもって接しないといけない」という思い込みに囚われて、夫を見切るのが遅くなってしまったのでしょう。そのせいで、愛花さんは余計に傷つくことを余儀なくされたのですが、離婚後はかわいい息子、娘さんと愛のある生活を送ってほしいものです。

happy」のアドレスで離婚のやり取り

【2位】「happy

「be-happy.4c@****.ne.jp」「happy8moon****.co.jp」「ka8.happy-everyday@****.or.jp」など321

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名。年齢は現在)>
夫:片桐正己(36歳)→会社員(年収680万円)
妻:片桐幸恵(36歳)→専業主婦
妻のメールアドレスhappy.smile.yuki****.com

「きっと旦那はお母さんと計画を練っていたんですよ! 許せません!!」

 そんなふうに声を荒げるのは片桐幸恵さん。幸恵さんは先月、夫から唐突に離婚を切り出されたようで、激しく動揺していました。夫の仕事は食品メーカーの営業職。たまたま出張先が出身地の近くだったので、実家で寝泊まりしていました。そして出張が終わって帰宅する直前のタイミングで「離婚宣言」に踏み切ったのです。「気持ちがなくなった。お前との仲に疲れて、心も体もボロボロだ。家事も気に入らない!」と。

 そんなふうに、幸恵さんは夫からボロクソに言われたのですが、よくよく幸恵さんの話を聞いてみると、突然ではなく必然だということが分かってきました。一例を挙げると…。

「片付けが苦手だって言っても程があるだろ?!」

 そんなふうに夫が文句を垂れるので、幸恵さんも最初のうちは自分なりに改善してみたそうですが、夫は幸恵さんの努力を認めずに「母とフランクに付き合ってくれた方が僕も楽だよ」「家にいるんだったら外で働いてくれよ」と別の文句を畳みかけてきたのです。幸恵さんは夫に合わせるのが馬鹿馬鹿しくなり、途中から夫のことを無視するようになったのです。

「そんなのは納得できないよ。早く戻ってきてほしい!」

 幸恵さんは懇願したのですが、夫は出張で1週間分の着替えを持ち出しており、実家にはまだ夫の部屋が残されているので、しばらくの間、住みつくことも可能です。このまま自宅に戻らず、「別居」という既成事実を作った上で離婚を成立させる魂胆なのでしょう。専業主婦の幸恵さんにとっては夫の給料が生命線。そのため、夫が出張を隠れみのにして別居状態を作り、離婚を切り出してきたにもかかわらず、「生活費を入れて!」と頭を下げなければならないのは、幸恵さんの方なのです。

 幸恵さんのメールアドレスには「happy」が含まれていますが、離婚の拒否、生活費の請求、そして人格の攻撃…「happy」のアドレスで送受信するのは「幸せ」とは正反対の内容。「unhappy」の連続は、ただでさえ夫の急変にショックを隠せない幸恵さんの心労を倍増させたのです。

 幸恵さんは「幸せ」をかなえるべく夫と一緒になったのに、もはや、離婚は時間の問題。百歩譲って離婚届に署名したところで今後の生活をどうするのか…夫の住居、給料、そして「妻の地位」を失って幸恵さんの人生はお先真っ暗。「不幸せ」に転落したのですが、メールアドレスに「happy」を入れれば、それで満足なのでしょうか。「happy」のメールアドレスの持ち主が「幸せ」を手に入れるために、最大限の努力をしているとは限らない典型例です。

※「下」に続く

露木行政書士事務所代表 露木幸彦

メールアドレスと離婚の関係とは?