明治安田生命J1リーグ第28節のV・ファーレン長崎vs川崎フロンターレが、29日にトランスコスモススタジアム長崎で行われ、2-1で川崎Fが勝利した。

▽ここまで8勝3分け16敗で最下位に沈む長崎(勝ち点27)と、16勝5分け6敗で2位につける川崎F(勝ち点53)が激突した。前節のベガルタ仙台戦を1-0で勝利して連勝を飾った長崎は、その一戦と同様の先発メンバーを送り出した。

▽一方、26日に行われた第18節延期分の湘南ベルマーレ戦をゴールレスドローで終えて3戦無敗中の川崎F。中2日で迎える今節に向けて湘南戦から先発メンバーを2人変更した。下田と阿部に代わり、登里と知念が先発に名を連ねた。

▽残留を目指す長崎と、優勝を目指す川崎F。試合前に行われたガンバ大阪vsサンフレッチェ広島で首位・広島(勝ち点56)が敗れたため、勝利すれば得失点の差で上回り、首位に立てる川崎Fは序盤から攻勢に出る。

川崎Fは5分、ボックス手前でFKを獲得。これをキッカーの中村憲剛が右足で直接狙うが、ボールは落ち切らずにゴール右上へと外れた。さらに10分、敵陣中央やや左でセカンドボールを拾った登里がボックス左外に持ち込んでグラウンダーのクロス。中央で知念が飛び込むも、わずかに届かない。ゴールとはならなかったが、川崎Fが序盤から首位浮上への強い気持ちを見せる。

▽しかし、残留に向けて負けられない長崎も鈴木武蔵をターゲットにカウンターから攻撃を仕掛ける。16分、飯尾が右サイド敵陣深い位置からクロスを供給。中央で鈴木武蔵がヘディングで合わせる。さらに19分には鈴木武蔵が右サイドからスピードを生かしたドリブルで中央へと切れ込んで、左足を振り抜いたがどちらもゴール左へと外れた。

▽中2日の疲れからか前線からのプレスに強度を欠く川崎F。それでも26分、右サイドの家長にボールが渡ると、ボックス右手前から左足でクロスを送る。ボックス中央で相手DFの前で競り勝った小林が頭で合わせるも、シュートはわずかにゴール右へと外れた。

▽前半半ばが経過すると、川崎Fが敵陣でボールを操る時間が増加。32分、敵陣中央から中村憲剛が右足を一振りしてボックス右に浮き球のパスを送る。飛び出したエウシーニョが中央へ折り返し、ニアサイドで小林が右足を合わせる。しかし、ここは右ポストに嫌われてしまう。

▽それでも迎えた35分、川崎Fが右CKを獲得する。キッカーを務めた中村憲剛が右足でゴール前に蹴り込み、ニアサイドの小林悠が頭で逸らすと、混戦地帯の中からゴール前に顔を出していた知念が右足で押し込んだ。

▽欲しかった先制点を奪った川崎Fはその後、長崎を押し込み始める。すると41分、中盤での巧みなパスワークから登里が左サイドを抜け出す。登里からの落としを家長がペナルティアーク内からシュート。ここはGK徳重に弾かれたが、こぼれ球を小林がプッシュしてスコアを2-0にした。

▽試合を折り返すと、リードする川崎Fが攻勢を強める。50分、ボックス手前での細かいパスワークから最後は大島がミドルシュートを放つが、ここはGK徳重の正面に飛んでしまう。

▽後半立ち上がりが経過すると、中2日の川崎Fに対して体力的なアドバンテージがある長崎が徐々に相手に陣内に侵攻し始める。69分、右サイドでパスを受けた飯尾が敵陣中央右からクロス。ボックス内でファンマがヘディングシュートを放つも、威力は弱くGKチョン・ソンリョンに処理される。72分には再び飯尾のクロスを今度は鈴木武蔵が合わせる。しかし、これは枠を捉えることができない。

▽反撃を続ける長崎だったが、終盤にアクシデントが起こる。ここまでゴール前に顔を出し続けていた鈴木武蔵が足を負傷。米田との途中交代を余儀なくされる。

▽これで長崎はやや勢いが停滞。それでも試合終了間際、敵陣中央左からのロングボールをファンマがボックス内で収めて左足を振り抜き、1点差に詰め寄った。しかし、反撃はここまで。2-1で勝利した川崎Fは勝ち点で広島に並ぶも、得失点差で上回り第4節以来の首位浮上を果たした。一方の長崎は連勝が「2」ストップ。残留に向けて手痛い敗北となった。

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