『アサシン クリード オデッセイ』の舞台となる古代ギリシアを、膨大な時間をかけたリサーチで“リアル”に再現していることを証明すべく開催されたギリシアツアーファミ通取材班にリポートですが、今回は先日にお届けした聖地デルフィの現地リポート第2弾をお届け。かの有名なアポロン神殿に降り立ちます!


【画像14点】「古代ギリシアを体感! 古代ギリシャ最高の聖地・デルフィに降り立つ[PART.2] - 『アサシン クリード オデッセイ』特設サイト-THE WAY OF NEW ODYSSEY-」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

古代ギリシアの行く末を左右したアポロンの神託


 古代ギリシアにおいて最大の聖地であり、それにふさわしい隆盛を誇ったデルフィ。この聖地のシンボルであり、信仰の中心となったのがアポロン神殿です。最高神であるゼウスの息子にして、オリュンポス十二神の一柱を担い、芸能と芸術、知性と道徳、そして予言などを司る神として、古代ギリシア人からの畏敬を受け、人気も高かったアポロン。そんな神を祀ったアポロン神殿には、古代ギリシアの国家都市以外からも信奉者が集まったそうです。


 かつてその入口には「汝自身を知れ」、「過剰の中の無」、「制約と破滅は紙一重」という格言が刻まれていたと言われるアポロン神殿ですが、いまは基壇と柱が残るのみとなっています。正面には6本の円柱が並び、側面に15本の柱が並ぶドーリア式の建築物です(当時は38本もの柱が並んでいたとも)。神殿の中央にはアポロン神の像が置かれ、神殿の前には神託を受ける際に生贄を捧げる大きな祭壇があったとのこと。紀元前6世紀ごろにあったものは焼失し、その後の紀元前4世紀に建て直されたものが現存しています。


 アポロン神殿の入り口前には、シチリア島のゲラという都市国家の支配者ポリザロスが、祭りのレースで自身の勝利を記念して奉納した、4頭引きの戦車像が。実際に、この像を構成していた御者の青銅像が現存しており、このような像があったという復元図もデルフィ博物館に飾られているそうです(残念ながら時間がなくて博物館には行けず……)。


 アポロンの神託を授かるために、各都市国家の有力者たちは競うように豪勢な供物を捧げました。


 アポロンの神託を告げる巫女たちは“ピューティア”と呼ばれていました。ピューティアは巡礼者から供物を受け取り、その願いを聞き、アポロンのお告げを授けました。ときには都市国家の有力者が訪れ、政治的な神託を授かったことも。ただ、その神託は曖昧な内容で詩のようなものも多く、それを自分の都合のいいほうに捉えて利用した者もいたとか。また、供物を賄賂として政策に影響を及ぼすといった、いわゆる情報戦の舞台ともなっていたようで。


 アポロンの神託で有名なのは、哲学者・ソクラテスの弟子が「ソクラテスより賢いものはいない」という神託を受けたという逸話です。これはいわば神よりもソクラテスが賢いと、神自身が言ったということ。それを聞いて疑問を感じたソクラテスは多くの知恵者たちと対話し、自分が知っていること以上のことを知っていると思う他者より、自分の知識は完全でないことを知っている=知らないということを知っている自分は、わずかながら賢いという“無知の知”を見出したと言われています。


 その後、古代ギリシアの衰退とローマ帝国の台頭でデルフィの求心力は弱まり、キリスト教の登場で神託という文化そのものが失われていくことになります。しかし、『アサシン クリード オデッセイ』に登場するデルフィは、当然ながら全盛期ならではの美しくも荘厳な姿を見せてくれます。アテナイから少し遠いですが、ぜひ訪れてみてください!