ロンドンにある王立植物園キューガーデンから、プラスチックゴミを分解する能力があるキノコの研究が発表された。
正確にはキノコというより、菌類の一種で、アスペルギルス・ツビンゲンシス(Aspergillus tubingensis)と名付けられたアスペルギルス属である。
このキノコは、世界的なゴミ問題を解決する救世主になる可能性が期待される。
差し迫ったゴミ問題を受けて、各業界ではさまざまな研究が進められているが、もしかしたら自然は我々に、問題解決のヒントを与えてくれているのかもしれない。
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プラスチックを数週間で分解
1934年、ベルギーの植物学者によってアスペルギルス・ツビンゲンシスは発見された。そして2017年、パキスタン・イスラマバードの一般ゴミ捨て場の土壌から採取・分離した アスペルギルス・ツビンゲンシスにポリエステル系ポリエスタン(PU)の分解能があることが分かった。
通常分解されるまでに数年かかるこれらのプラスチック物質を、数週間で分解することができるというのだ。
また、このキノコはプラスチックの表面で成長することができる。
その秘訣はそれが分泌するユニークは酵素で、これによってプラスチックの分子と分子の間の化学結合を分解するのだ。
プラスチックの分解を促進するこのキノコの力について、「急増するプラスチックゴミによる環境問題に対処するために是が非でも欲しいツールが開発される可能性がある」とに掲載された。
様々なキノコの有用性
レポートでは、2017年に発見された2000種以上の新種が報告されている。その中には自然界のみならず、産業にも有用なものがいくつもある。
たとえば、ヒラタケやカワラタケのような白色腐朽菌には、殺虫剤・染料・爆発物を除去するなど、土壌や排水に対して有用な効果がある。
トリコデルマ(子嚢菌の仲間)が農業廃棄物をエタノール糖に転換し、バイオ燃料の生産を促進することや、キノコの菌糸体が発泡スチロール・革・いくつかの建材の持続可能な代替物になりうることも紹介されている。
追記:(2018/10/04)本文を一部修正して再送します。
References:stateoftheworldsfungi / dezeen/ written by hiroching / edited by parumo
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