今年5周年を迎え、世界累計4500万DL超の絶大な人気を誇る「モンスターストライク」。モンスターと共に強大な敵に挑むゲームアプリは、リアルイベントやタイアップ、映像化と、さまざまなメディアへと進出を果たし、16年公開の劇場版アニメ少年少女とモンスターの“絆の物語”がゲーム未体験の人々をも惹きつけ、週末興収1位を記録する話題作となった。

【写真を見る】巨大なモンスターと対峙するソラとカナタ。キャラクター、背景の描き込みが半端なく美しい!

この秋、待望の新作『モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ』が10月5日(金)より公開。完全オリジナルストーリーの同作は、前作以上に“映画”として幅広い層を魅了する要素に満ち溢れていた。

ハリウッド大作を想起させる“空中に浮かぶ東京”の世界観

物語の舞台は、13年前に東京の一部が根こそぎ浮上して誕生した“空中都市”旧東京と、地上に残った新東京。幼いころの記憶が曖昧な少年・カナタは、祖母と2人で暮らす普通の高校生。右手にある不思議なアザの正体を知りたいと思いながら、生まれ育った新東京で不可侵な旧東京を見上げ暮らしていた。そんなある日、カナタは空から降って来た青い髪の謎の少女・ソラと出会う。旧東京から来たという彼女は“世界を救えるのはあなただけ”と告げ、カナタを空中に浮かぶ旧東京へ誘う――。

謎のシールドに覆われ、地上からは状況を窺い知れぬ空中都市。そこになぜモンスターだけが住み、なぜ人間のカナタが導かれたのか?ファンタジー大作を彷彿させる設定とビジュアルに、理屈抜きでワクワクさせられる。

ドラマチックな“4人の絆の物語”

旧東京へやって来たカナタは、人間を憎み、空中都市を地上に墜落させようと企てるモンスターたち“解放戦線”との戦いに巻き込まれていく。ソラをはじめ、ヴァンパイアの兄妹トウヤユウナら“世界を救いたい”と願う人とモンスターとの共生に好意的なモンスターたちと行動して戦ううちに、カナタ自身も成長していく。

カナタ、ソラ、トウヤユウナが時に衝突し、時に笑い合い、絆を深めていく展開は、きっと4人のいずれかの内面に共感できるはず。絆を育みながらも、すべてがうまくいくわけではない。観る側の予想を裏切るドラマには、一流エンタメとしての醍醐味が溢れている。

■ これぞ“新しい世界基準”!バトルも背景も超ハイクオリティ

今作は、原作を手掛けるXFLAGスタジオと気鋭のアニメ制作会社・オレンジが“新しい世界基準の長編アニメーション”を目指し総力を注いだプロジェクト。友情と成長といった普遍的なテーマを軸に壮大なアクション・バトル・エンターテインメントが紡がれる。

特に注目してほしいのが、空中都市となった渋谷駅周辺や東京タワーなど緻密に描写されたランドマークで繰り広げられる大迫力のバトルシーン。最新鋭の3DCGで描かれたからこそ可能になったダイナミックなカメラワークは、観る者の想像を超えた驚きと爽快感を与えてくれるだろう。

ダイレクトに、ナチュラルに反映された“演技”

カナタ役にはドラマ「ヒモメン」、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(公開中)の窪田正孝、ソラ役はドラマ「探偵が早すぎる」や『食べる女』(公開中)の広瀬アリスをキャスティング。窪田は声優初挑戦、広瀬はアニメ映画では声優初挑戦となったが、世界の運命を握る2人をナチュラルな演技で表現していて驚かされる。

そんな2人を支えるのが細谷佳正悠木碧松本梨香山寺宏一仲野裕杉田智和島崎信長田丸篤志前野智昭という声優界屈指の超豪華実力派声優陣。今作では先にセリフを収録してからアニメを制作する“プレスコ”方式を採用。ディズニー/ピクサーも用いる手法で、キャストの息遣いや間がよりダイレクトに反映されたキャラクターの表情や仕草にも魅せられるだろう。

モンスターと人間が共存するファンタジックな世界で、仲間や家族、そして未来を守るために戦う少年の奮闘。「大切な人を守る」ために頑張ることのカッコ良さを再確認させてくれる、共感度MAXな『ソラノカナタ』。ゲームを、アニメを知らずとも、きっと“生きるエネルギー”をもらえること確実な“映画”である。(Movie Walker・文/トライワークス)

冒険の舞台は空中都市・旧東京。ここに一体どんな謎が隠されているのか?