第1週「結婚はまだまだ先!」第3回10月3日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト安藤サクラ 長谷川博己 ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋 斎

連続テレビ小説 まんぷく Part1

3話のあらすじ
電話交換手の仕事を失敗した福子(安藤サクラ)だったが、英語の能力を買われてフロント係に抜擢される。

高視聴率スタート
10月1日月曜日という月初めの週初めという気持ちのいい日にスタートした「まんぷく」第1話の視聴率は関東地区では23.8%、関西地区では20.4%(ビデオリサーチ調べ)でじつに幸先の良いものだった。
とりわけ関東地区では過去10年で最高という栄えあるもの。

「半分、青い。」が視聴率を上げていたのでその波にうまく乗った。
そういう意味では「半分、青い。」は広く朝ドラのために大変いい働きをしたといいえるだろう。その恩恵にあずかった「まんぷく」は運がいいし、運の良さも実力のうちだ。
第2話はすこし落ち着いて、21.2%(関東)だった。
ちなみに関東は900世帯、関西は600世帯と調査世帯数に差がある。

福ちゃん、大出世
鈴(松坂慶子)の腹痛は、咲(内田有紀)が嫁に行くと、福子とふたりきりの生活がはじまることへの不安だった。「福子よ〜」「福子よ〜」とやたら心配する鈴。
確かに電話交換の仕事はうまくできていないとはいえ、福子はそんなに頼りない子なのだろうか。
……と思って見ていると、父親の商売がうまくいって裕福な時代に英語を習っていたことが功を奏して、
福子はホテルの顔であるフロント係に抜擢される。
お給料も上がる。だから心配はいらないと母にこれまでを感謝を伝えたうえで、姉を嫁がせてほしいと丁寧に頼む福子。
麗しき、昭和の礼儀正しき家族の姿の再現! このとき、安藤サクラ髪の毛をちゃんと整えて話し出すところが印象的だ。

べっぴんイケメン キャストがそろった
3話では「べっぴんにもいろいろある」という言葉が出てきた。
ヒロイン福子の容姿がストレートに「べっぴん」と言い切れないことを1話からずっと書いているが、容姿差別のようないやな印象は受けず、むしろ微笑ましい。
福子の家族役の松坂慶子、内田有紀、松下奈緒は華やかな顔立ちに比べたら、安藤サクラは地味な顔立ちかもしれないが、品や知性が漂い、それでいてあたたかさもある(たまにクールな顔になるのも素敵だ)。
べっぴんやないとフロント係になれないのではと一時は心配した福子だったが、「あなたの笑顔はすてきよ」と保科(橋本マナミ)に励まされる。たしかに福子はいつもニコニコしていて、感じがいい。

まんぷく」で興味深いことは、今井三姉妹の相手役のキャストがいわゆるイケメンかつ認知度の高い実力派がそろったことだ。
同じく三姉妹もの「とと姉ちゃん」(16年)では、主人公とと(高畑充希)の相手役は坂口健太郎だった(ただし、ふたりの恋は実らずととは未婚)。
次女(相楽樹)の夫役は美形売りをしていない演技派の伊藤淳史、
三女(杉咲花)の相手役はイケメンではあるが俳優の実力は未知数の上杉柊平で、主人公カップルほどの華やかさは抑えめになっていた。

一方、「まんぷく」ではこうだ。
咲の婚約者役は大谷亮平(「逃げ恥」で一気にブレイク)、
克子の夫役は要潤(「仮面ライダーアギト」でデビュー以降コンスタントに活躍)、
福子の運命の人役は、長谷川博己(「セカンドバージン」「家政婦のミタ」「シン・ゴジラ」と出演作の跳ね方が大きい)と、それぞれ主役(もしくは主役の相手役)を晴れる実力派かつ、いわゆる二枚目をずらりと揃えた。
この点からみても、制作陣が「まんぷく」に相当力を入れていると考えられるだろう。

なんでもかんでもイケメンイケメン言うなという意見もあるし、こちらもプロの文筆家としてイケメンだけで語るつもりもないが、朝ドラに素敵な男性俳優が必須であることは否めない。
女性視聴者が主たるターゲットドラマでは、主人公の相手役のキャスティングは重要だ。
その点、「まんぷく」は三姉妹全員を単独のドラマにしても成立する相手役を起用しているのだから、どこを切っても華やかで、画面から眼が離せない。
スタート時、この3カップルをうまく描くことで、視聴者をがっちり固定することができそうだ。

さらに、片岡愛之助
福子の仕事にも光が差した頃、運命の人・立花萬平の仕事にも光が。
いまのところ別々の人生を送っている福子と萬平を並行して描いているストーリー構成も巧みだ。

萬平のもとに幻灯機に興味をもち、営業をやりたいと申し出る人物は加地谷圭介。演じるのは片岡愛之助(歌舞伎俳優として舞台で活躍し、日曜劇場「半沢直樹」の「金融庁〜」で一躍全国区の人気者に)。またまた華のある俳優の登場だ。大きな蝶ネクタイに負けてないのがすごい
萬平との男のドラマを見せてくれそうと期待が膨らむ。

無理して喋っている大阪弁を加地谷に見抜かれて、ふだんの喋り方にすっと戻る萬平。その落差たるや・・・。演じている演技という難しいところをうまいことやっているのはさすがの長谷川博己

ストーリーの運びも、一見のんびりしているようで、主要登場人物をどんどん出して着々と進行する準備を固めてきているところは手堅い。
(木俣冬)

連続テレビ小説まんぷく
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~


まんぷく」の演出家のひとり安達もじりさんも参加している朝ドラべっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送開始!
第3話レビューコチラ

連続テレビ小説 まんぷく Part1 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版