▽5日、明治安田生命J1リーグ第29節が開催。『フライデーナイトJリーグ』として、横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌日産スタジアムで行われる。

◆目標は互いに勝ち点3
▽10勝5分け13敗の勝ち点35で11位に位置する横浜FMと、12勝8分け7敗の勝ち点44で4位に位置する札幌の対戦。横浜FMは残留争いからの脱出、札幌はAFCチャンピオンズリーグの出場権獲得という目標がある。

▽結果が出ないシーズンを過ごしていた横浜FMは、11位に位置しながらも4位の札幌都の勝ち点差は「5」。残り試合は少なくなったが、勝ち点3を積み上げれば上位に食い込める可能性も残しているのが、今シーズンのJ1だ。札幌としても1試合の結果で順位が変動する状況なだけに、互いに勝ち点3を積み上げたい。

▽両者は第10節で対戦し、1-2でホームの札幌が勝利している。

◆視界は良好、目指すは1ケタ横浜F・マリノス
▽開幕から不安定な戦いを続けていた横浜FMだが、9月は3勝1敗と結果を残した。敗れた浦和レッズ戦も内容は悪くなく、シーズン終盤に差し掛かって結果が伴ってきた印象がある。

▽とりわけ、ハイラインとポジショナルプレーというこれまでにないスタイルを目指し、堅守から超攻撃的に変貌を遂げている道中の横浜FM。大敗や大勝と浮き沈みが激しいシーズンとなっているが、ここ数試合は内容も安定してきた。

▽カギを握るのは守備陣。安定した守備が攻撃のスイッチにもなり、ホームでの金曜開催で多く集まるサポーターに良い試合を見せたいところ。GK飯倉大樹を中心とした守備陣の奮闘、そこからの切り替えとカウンターに注目だ。

◆飛車角落ちの苦境を乗り越えて北海道コンサドーレ札幌
▽ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下、順位表の高い位置を保ち続けている札幌。前節のサガン鳥栖戦で連敗を止め、リスタートと行きたかったところだが、主力3選手を欠く厳しい状況だ。

▽チーム最多の12得点を記録しているFW都倉賢、正確なキックでチームアシスト王のDF福森晃斗、キャプテンも務め、3バックの中央でもプレーしたMF宮澤裕樹が出場停止。攻守の要を欠いた試合は、チーム力を試される場となる。

▽主力3人を同時に欠く苦境だが、来シーズンACLに出場するとなれば数名の選手に依存するわけには行かない。チームの将来像を見据えての戦いを見せられるか。見者監督の采配にも注目だ。


【予想スタメン&フォーメーション】
横浜F・マリノス[4-3-3]

(C)CWS Brains,LTD.
GK:飯倉大樹
DF:松原健、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、山中亮輔
MF:大津祐樹、扇原貴宏、天野純
MF:仲川輝人、遠藤渓太
FW:ウーゴ・ヴィエイラ
監督アンジェ・ポステコグルー
出場停止:ドゥシャン
▽センターバックの一角であるドゥシャンが2試合の出場停止を受けた2試合目。前節も好パフォーマンスを見せたDF畠中槙之輔が入ると予想する。中盤の構成も変わらず、MF扇原貴宏をアンカーに、MF大津祐樹、MF天野純がインサイドハーフに入ると予想。前節2得点のFW仲川輝人、FWウーゴ・ヴィエイラ、MF遠藤渓太の前線3枚に攻撃は懸かっている。

北海道コンサドーレ札幌[3-4-2-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ク・ソンユン
DF:進藤亮佑、キム・ミンテ、石川直樹
MF早坂良太、荒野拓馬、深井一希、菅大輝
MF:駒井善成、三好康児
FW:ジェイ
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ
出場停止:都倉賢、福森晃斗、宮澤裕樹
▽主力3選手が出場停止となり、大きくメンバーを代えざるを得ない状況となってしまった。トップには、FWジェイを起用。ボランチにはMF荒野拓馬、3バックの一角にDF石川直樹を配置。DFキム・ミンテが3バックの中央に入ると予想する。前節はケガの影響で出場を回避したMFチャナティップの出場も微妙な所。ベストメンバーで臨めない一戦だが、チーム力で勝利を手にしたい。

【注目選手】
◆FW仲川輝人(横浜F・マリノス)
(C)J.LEAGUE PHOTOS
横浜FMの注目選手は、前節2得点のFW仲川輝人だ。今シーズンはここまで7得点を記録。自身の特徴である飛び出しとポジショニングに加え、ゴール前での冷静さも見せている。ボックス内で無類の強さを見せるFWウーゴ・ヴィエイラが警戒されがちだが、その背後を狙う仲川の連続ゴールに注目だ。

◆MF三好康児(北海道コンサドーレ札幌)
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▽札幌の注目選手は、MF三好康児だ。前述のとおり主力3選手を欠いて臨む試合だけに、攻撃面での活躍が求められる。U-21日本代表の主力としてプレーするが、この先A代表として活躍するためにも、チームの苦しい時期に力に慣れるかは重要なファクターだ。前節は移籍後初ゴールも記録。古巣の川崎Fにとってのライバルでもある横浜FM相手に、持ち前の攻撃センスを発揮し、チームに勝利を呼び込みたい。

◆状況が一変するシビアな対決
▽1試合で大きく状況が変化する今シーズンのJ1。互いにとって、この1試合の持つ意味は大きい。シーズン終盤になり、下位チームが勝ち点を稼ぎ出した中、現時点では波に乗れている横浜FMだが、ひとつ落とせば降格圏に再び近づいてしまう状況。連勝中という油断は許されない。

▽対する札幌も、ACL出場権に手が届く位置にいるだけに、苦しい台所事情ではあるものの、みすみす勝ち点を逃したくはないはずだ。両者の勝ち点は「9」であり、横浜FMが勝利すればその差は「6」。札幌もボトムハーフに落ちる可能性も出てきてしまう。

▽上位と中位の対決ながら、シビアな勝ち点の計算が絡んでくる金曜日夜の大事な一戦。両者の行末を左右する『フライデーナイトJリーグ』、横浜FMvs札幌は5日(金)の19時30分にキックオフを迎える。
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