NBC9月24日(月)から放送中の『Manifest(原題)』は、米ABC2004年から6シーズンに渡って放送された、サスペンスと人間ドラマが融合した『LOSTスタイルシリーズ。不可解な航空機事故に巻き込まれたことで、乗客たちの人生が一変。ミステリアス飛行機消失事故の全貌に迫りながら、数奇な運命によって引き裂かれようとしている主人公とその恋人を追う。タイトルの『Manifest』とは搭乗者名簿のこと。オーバーブッキングにより搭乗便を遅らせたことが、主人公の不可解な体験の幕開けとなる。

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■5年遅れの着陸
警察官の女性ミカエラ(メリッサ・・ロクスバーグ)を乗せたジャマイカ発のモンテゴ航空828便は、予定通りNYに向かうはずだった。しかし、数度の乱気流に見舞われ、機体は激しく揺さぶられる。頭上の荷物棚は大きく開き、滑り落ちた荷物が機内に散乱。乗客はパニック状態に。しかし彼らを本当に驚かせたのは、辛うじて空港に着陸した後で、現地のFBI捜査官から聞かされた一言だった。機体は5年間も失踪していたというのだ。

フライトの数時間の遅れはよくあるが、5年も経ってからの到着は前代未聞。ミカエラたち一行が当時の年齢のまま姿を現したことから、機体ごとタイムリープしていたと判明する。彼らに対し、かつて親しかった、しかし今はすでにその失踪と死を受け入れている人々は、複雑な反応を見せる。状況に戸惑うミカエラたちに、さらなる異常な状況が。不思議な声が脳に届き、未来を予見できるようになっていたのだ。

航空事故超能力...『LOST』との類似点
第1話の着陸シーンスリル満点。5年の時が経過していることを認識していないパイロットたちは混乱状態に。米Varietyは続きのストーリーが気になるような強力なフックになっていると表現し、航空機事故を皮切りにミステリアスな状況が巻き起こることから、『LOST』と設定上の類似も感じられると述べる。しかし、過去作との類似を感じるとはいえ、ディテールに心血を注ぎ丁寧に造り上げられた良作だと一定の評価も与えている。

飛行機事故のくだりだけでストーリー性があると、米Hollywood Reporterはその緊迫感を高く評価する。こちらの記事でも『LOST』との類似点を指摘。警察官のミカエラは、突如芽生えた犯罪予知の能力を任務に活かすが、飛行機事故が超自然的な現象を巻き起こすという筋書きのドラマは過去にも例が多い。NBC2010年に製作した同ジャンルの『THE EVENTイベント』がわずか1シーズン打ち切りになったことを挙げ、同じような展開の新作とはいまさら感がある、と若干辛めの所感を綴っている。

■熱量あるキャストによる人間ドラマ
ドラマのもう一つの見どころは、5年の年月が人々を隔てる人間ドラマVarietyは、必ずしも成功しているとは言えないものの、『THIS IS US』のような感情の盛り上がりを描こうと挑戦した点は賞賛に値すると評価。最悪のフライトから生還した主人公ミカエラを待つのは、両親がすでに他界し、恋人は別の道を歩んでいるという悲劇。このほか同メディアは、良質なディテールを積み重ねて組み立てられた一本だとも表現している。一例を挙げると、便名の828は、聖書のローマ信徒への手紙「8章28節」を暗示する数字。キリスト教徒への救いを述べた一節だ。

肝心のドラマ性についてHollywood Reporterは、容姿端麗な人物が揃うものの、冒頭部分を観た段階ではまだキャラクターに愛着を持つことができなかったと打ち明ける。しかしキャストは熱の籠った演技を見せており、レビュー時点で公開されていなかった、後のエピソードに期待を寄せている。

飛行機事故から生還したミカエラたちに不思議な能力が宿る『Manifest』は、米NBCで放送中。米ABCによる『LOST』はNetflixAmazonプライムHuluにて日本でも配信中。(海外ドラマNAVI

Photo:メリッサ・・ロクスバーグ&ジョシュ・ダラス(2018年サンディエゴコミコンにて)
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