失われた20年という言葉は中国でも広く知られており、日本は衰退の一途を辿っていると信じ込んでいる人は少なくない。しかし、近年は日本人がノーベル賞を立て続けに受賞していることから、「日本は衰退しているはずなのに、なぜ日本人がノーベル賞を受賞できるのか」と疑問を抱く中国人は多いようだ。

 中国メディアの今日頭条は4日、「日本経済と日本企業が衰退しているというのは錯覚なのか」と問いかける記事を掲載し、日本経済や日本企業が衰退しているというのは「錯覚」だと伝えている。

 記事はまず、これまで外国籍を取得した人を含めると実に26人もの日本人がノーベル賞を受賞していることを紹介。中国では自然科学分野での受賞者は1人にとどまっていることに比べると、いかに日本の数字が多いかが分かるだろう。

 続けて、日本経済が不景気であることや、日本の製造業が不振に陥っていると認識している中国人は多いが、同時に「日本は景気が悪く、衰退しているはずなのに、なぜ日本人はノーベル賞を受賞できるのか」と疑問を抱く人もいるとしている。

 では、日本経済や日本企業は本当に衰退しているのだろうか。記事は、日本企業は「工作機械」や「産業用ロボット」、「自動車工業」などの分野で世界を顧客に仕事をしていると強調。これらは高い技術力が求められる分野であることから、日本の技術は決して衰退しているわけではないと主張し、高い技術がある限りは日本経済や日本企業が衰退しているという見方は「錯覚」に過ぎないと論じた。

 中国では日本は不景気で、近年企業の不正が多く発覚していることから、日本企業も衰退しているという見方が根強く存在する。だが、非常に多くの日本人がノーベル賞を受賞していることから、日本経済や日本企業が不振であるというのは「錯覚」であり、実は着実に競争力を高めているのが現実であると主張し、中国人は警戒心を怠ってはならないと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本は衰退してるんだろ? 「じゃあ、なぜノーベル賞を受賞できるのか」=中国メディア