中国メディア・東方網は9日、「日本の建物はどうして200年使えるのか」とする記事を掲載した。

 記事はまず、中国で1990年代に建設されるも2014年に倒壊したビルの写真と、1960年代に建てられ今も健在の日本にあるビルの写真とを比較する形で紹介。「約60歳という年季の入った建物が、どうしてこんなに新しく見えるのか。そこには、日本人の建物に対する丁寧なメンテナンスがあり、日本人の『職人気質』が現れているのだ」と伝えた。

 そのうえで、日本では1980年に100年程度の寿命を持ち、数世代が安心して暮らせるような「100年住宅」の構想が打ち出され、さらに2007年には自民党がさらに100年上積みした「200年住宅」構想を提起したことに言及。日本人が100年、200年といった単位の寿命を想定して建築するのに対し、中国の建物の平均寿命はわずか25年から30年であると指摘した。

 そして、日本の家屋や建物が長持ちするポイントとして、水回りがしっかりしていることを挙げた。中国では排水管からの水漏れといったトラブルがしばしば問題になるが、日本ではこのような問題は基本的に発生せず、それ自体が日本の建築における最低基準になっているとした。また、水回り関連製品の品質の高さに加え、作業員がプロフェッショナルな施工技術を持っていることから「問題を起こしたくても起こらない」状況であると説明した。

 さらに、環太平洋地震帯に属する日本では地震が頻発するため、政府が何度も建築基準法を改正して家屋や建物の耐震基準を引き上げ、マグニチュード7クラスの地震にも耐えられる構造が求められていることも、日本の家屋が長持ちする要因として指摘。このほか、建築材料の品質要求も非常に厳しいと伝えている。

 日本各地には、手入れの行き届いた築100年レベルの古民家が少なからず存在する。家屋やビルを長持ちさせるには、建設時に手抜かりなくしっかりと施工する必要があるだけでなく、その都度大小さまざまな手入れを怠らないことが必要だ。20年ほどで崩れるような中国の建物には、その両方が欠けているのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本の建物が「200年はもつ」と言われ、中国の建物が30年ももたない理由=中国メディア