台湾の高雄市大寮区に住む30代の男性が、近隣住民30名あまりから集団暴行される事件が起きた。住民らは、男性が住宅地一帯の駐車違反を執拗に告発したため、何度も罰金を科せられたことに腹を立てて報復したという。『聯合新聞網』『ETtoday新聞雲』『自由時報』などが伝えた。

8日、集団暴行の様子を捉えた動画がSNSにアップされた。自宅付近の住宅街などで駐車違反の証拠写真を撮り当局に告発した男性が、告発された近隣住民ら30人あまりに取り囲まれ、うち7人ほどの男たちから暴行を受けた映像だ。男性は執拗に告発を繰り返していたという。

バイクのヘルメットドライブレコーダーを取り付けたこの男性は、走行しながら違反の駐車を記録し静止画を抜き出す方法で、高雄市警察局のインターネットサイトに設けられた告発ページにアップしていた。男性は毎日の出勤や帰宅の際に記録しており、告発された人の中には一度に14枚の罰金通知を受け取った人もおり、その金額は5000元(約1万8000円)以上になったそうだ。

住民らは受け取った証拠写真の中に車のバックミラーに映った告発者を見つけ、防犯カメラの映像を調べて男性を割り出したという。「違反したのは悪いけれどこんなやり方は悪質だ」「一言声をかけてくれれば済む話」などと主張した。

警察によれば、事件が起きたのは3日の夜7時半頃。通報を受けて警察官が駆けつけたが、すでに暴行は止んでいたという。男性は怯えた様子で被害届は出さないと話していたが、警察では被害届がなくても集団暴行の動画をもとに加害者を特定し、社会秩序を乱した罪として起訴する方針とのことだ。

林園警察分局によれば、今年1月から9月の間に寄せられた管轄内の告発受理数は全部で7697件に上るが、そのうちこの男性からの告発が何件あったかについては守秘義務のため明かされていない。なおかつては交通違反の告発者に謝礼金が贈られる制度があったが、すでに廃止されている。

画像は『ETtoday新聞雲 2018年10月9日付「有人1次繳5000多!檢舉狂男遭「私刑教訓」驚恐不告 網友卻怒了」(圖/記者吳奕靖攝)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

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