みなさんはどのぐらいの頻度でお酒を飲みますか?そもそもお酒を飲む習慣がないという方もいれば、仕事などの理由から週数回は飲酒の機会があるという方も多いでしょう。 「酒は百薬の長」といいますが、また一方で過ぎたるは及ばざるが如し、過度な飲酒は体の様々な臓器に悪影響を及ぼします。 一度に大量の飲酒をすることによる急性アルコール中毒や、アルコール性肝障害、膵炎などはもちろん、飲酒は脳にも影響を及ぼす可能性があります。 この記事は、アルコールと脳の病気の関係について解説します。

大量飲酒で認知症のリスクが上がる!?

アルコールを大量に摂取する人ほど、脳の萎縮が高い確率で見られることがわかっています。
脳の萎縮は認知症の原因となり得るため、大量の飲酒やアルコール依存は認知症のリスクを高めることとなるのです。

ちなみに飲酒量と認知症の間の関係については様々な調査結果が発表されており、2003年に米国医学会雑誌に投稿された論文では「週に缶ビール350ml16本ほど飲むグループの認知症発症率が最も低い。また、それよりも多量の飲酒をするグループは飲酒量に比例して認知症発症リスクが上昇する」という調査結果が発表されました。

少量の飲酒には認知症を予防する効果がある可能性もある一方で、やはり飲酒量に比例して認知症リスクは上昇するということが改めて浮き彫りになる結果となりました。

命の危険も…ウェルニッケ・コルサコフ症候群とは

上記のようにアルコールの飲酒量によって脳の萎縮が起きやすくなり、認知症のリスクが高くなることが判明してきています。
こういった研究結果はお酒を飲む習慣がある方なら全員に関係のあることですが、さらに大量飲酒者では、脳への影響が命に関わることもあります

アルコールの大量摂取や依存症によって起こり得るウェルニッケ・コルサコフ症候群は、急性期(ウェルニッケ脳症と呼びます)では意識障害・歩行障害・眼振などの症状が起き、命に関わることもある重大な病気です。

ウェルニッケ・コルサコフ症候群の原因

正確には「アルコール多飲者は栄養が偏りやすくなる」ことが原因だと言われています。
一般的にアルコールを大量に飲む人は栄養のバランスが崩れた食事を摂る傾向があります
特にお酒に合う様なおつまみ(缶詰や乾物など)を中心とした食生活になると、ビタミンB1という栄養素が不足します。

ビタミンB1は緑黄色野菜などに多く含まれる栄養素で、糖分や脂肪酸の分解に作用します。この栄養素が足りなくなると、脳が十分な栄養を利用することができなくなります

脳が栄養を利用できなくなることで、うわごとを喋ったり幻覚をみたりするようになり、最悪の場合命に関わることがあるのです。

後遺症で認知機能が低下することも

ビタミンB1を補給することで命に関わる状態は脱することができますが、その後も後遺症として認知機能が低下することが多いことが特徴で、コルサコフ症候群と呼ばれています。

コルサコフ症候群に陥ると、ついさっきのことが思い出せなく(記憶障害)なります。
その結果、記憶のなかで思い出せない部分を作り話で取り繕おう(作話)とするような症状が見られます。

まとめ

大量にお酒を飲む習慣は認知症をはじめ、少なからず脳に影響を及ぼす可能性があります。認知症などの脳の病気はある日突然発症するものではなく、長い年月をかけてゆっくりと進行していく病気です。

「翌日にアルコールが残らないから大丈夫」「練習しているうちに飲めるようになったから平気」といった方も、お酒を飲みすぎていないかどうか、飲酒の習慣を振り返ってみてもよいかもしれません。

アルコールと認知症の関係。認知症のリスクが上がるって本当?