文・取材・撮影:古屋陽一

ギミックに触るだけでとにかくワクワク

 2018年10月14日ベルサー秋葉原にて開催予定の“UBIDAYS2018”。“UBIDAYS”といえば、ユービーアイソフトが毎年開催する単独イベントとしてすっかりおなじみ。毎年同社の最新作が試遊できるとあって多くの来場者を動員している。今年も『アサシン クリード オデッセイ』や『ディビジョン2』など、そうそうたる注目タイトルが出展されるわけだが、今年記者がひときわ注目しているのが『スターリンバトルフォーアトラス』だ。









【画像14点】「『スターリンク バトル・フォー・アトラス』話題のフィギュア連動ゲームのレビュー&クリエイターインタビューをお届け。ロマンとセンス・オブ・ワンダーに溢れた1作」をファミ通.comで読む(※画像などが全てある完全版です)

 『スターリンバトルフォーアトラス』とはどんなタイトルなのだろう……ということで改めて簡単にご説明しておくと、同作はビデオゲームフィギュアリンクしたアドベンチャーゲーム。今年6月に行われたE3 2018で任天堂の『スターフォックス』とコラボが発表されたことでも大きな話題を集めたが、コントローラーにつけた専用のアタッチメントにガッチャンコとばかりにフィギュアを装着すると、ゲームの中に現物のフィギュアと同じ機体が出現。そのまま遊べるというゲームだ。機体にはそれぞれパーツが用意されており、実際にパーツを組み替えるとゲーム中の武器もチェンジするという趣向になっている。

 と、軽く説明しただけでご理解いただけるかと思うが、このギミックがとにかく楽しい! 記者が『スターリンバトルフォーアトラス』をプレイさせてもらったのは、8月末に行われたgamescom 2018においてだったのが、取材陣のために用意された機体やパーツがずらりと並んでいるさまを目の前にしたときは、まるで大好きなおもちゃを目の前にした子どものようにワクワクしてしまい、同行してくれた通訳のMさんに少し呆れられてしまったほどだ。

 とはいえ、こういったフィギュアの数々を見て、何も感じないで済ませろというほうが土台無理な話で、この手のものは、男の子が本質的に突き動かされる何かを刺激するのかもしれない。イマジネーションとか、男のロマンとか……(違うか)。いずれにせよ、ここぞとばかりにワクワクしながら試遊に励んだのは言うまでもない。



正統派のSFジュブナイルなのかも

 とはいえ、ワクワクしてばかりいても話は先に進まないので、gamescomのプレス向け試遊会のときに受けた、クリエイティブ・ディレクターローラン・マルヴィル氏のプレゼンをもとに、『スターリンバトルフォーアトラス』の概要を紹介していこう。

 ユービーアイソフトトロンスタジオ初のタイトルとなる本作は、約100人の体制で数年間をかけて開発しているオープンワールドアクションアドベンチャーゲーム。この“スタジオ初の”というところが若干ミソで、「ほかにはない斬新なものを」ということが、本作に結実したようだ。

 本作のストーリーラインは、主人公は宇宙各地から集まったパイロットたちのリーダーとして、アトラス星系の探索を行いながら、謎の敵である“忘れ去られしレギオン”と戦うという、骨太なもの。SFファンの記者からすると、それだけでわくわくの二乗となる。

 本作では、まずは複数いるキャラクターから自分のパイロットを選択する。当然のことながら、各パイロットは人となりも使えるアビリティーも異なる。たとえば、Chaseは非常にスピードのある操縦を得意とし、エイリアンチームのひとりであるJudgeは、自機以外の機体の動きを遅くできるので、弾や敵を避けて進むことができるといった具合だ。「キャラクタープレイ中にいつでも変更できるので、いろいろなパイロットを試してみてほしいです」とは、ローラン・マルヴィル氏の言葉。さらに言えば、キャラクターによってストーリーへの関わりかたも異なるようで、異なるキャラクターだと、異なる視点からストーリーが楽しめるようになるようだ。

 パイロットのつぎは宇宙船の選択で、いくつかのクラスに分かれており、それぞれ長所があるようだ。俎上に載せられたのは、長く攻撃を継続できる“High Energyクラス”、 スピードと操作性のバランスが取れていて、敵のあいだを素早く移動できる“Performanceクラス”、動きは遅いがダメージに対する耐性がある“Tankクラス”、素早い移動が身上の“Rocketクラス”など。


 最後は武器。武器はエネルギーの種類によって炎系のものであったり、氷系のものであったりとバラエティーに富んだ方法が用意されている。ちなみに、敵の属性などにより相性などもあるようで、「この敵だったらこの武器で」といった具合に、適宜武器を切り替えるのがゲームプレイの基本となる模様。せっかくパーツを組み替えるギミックがあるんだから、楽しんでもらいましょうということだ。まあ、武器を切り替えて攻撃方法が変わるのは、実際のところかなり楽しいです。

 さて、本作で就航可能なのは7つの惑星。それぞれの惑星はシームレスに移動でき、自由に探索できる。惑星には産業探査や科学探検の基地もあり、“植物採集”や“クリーチャーDNAサンプルの採集”などといったミッションも用意されており、達成すると“エレクトロン”という貨幣がリワード(報酬)としてもらえる。そのリワードは、宇宙船のアップグレードに使えるというサイクルだ。


 ちなみに、ストーリーは本作でも力を入れているポイントらしいのだが、ローラン・マルヴィル氏によると大きなテーマはふたつあるという。ひとつは“大人になること”。そして、ふたつめは“チャレンジを乗り越えるための協力”。SFでは人気のカテゴリーのひとつにジュブナイルがある。それらでは、多くは少年が冒険を経て大人へと成長していく物語が描かれるのだが、マルヴィル氏の話を聞く限りでは、『スターリンバトルフォーアトラス』は正統派ジュブナイルなのだろうと思わせた。


プレイ動画をお届け、『スターフォックス』が超クール

 セッションでは、自由に『スターリンバトルフォーアトラス』を体験できた。前述の通り、記者がプレゼンを受けたのが8月下旬。国内では2019年発売となる同作だが、海外では10月16日リリースされることになっており、試遊バージョンはほぼ完成相当だったと思われる。せっかくの機会ということで、そのプレイ動画をお届けしよう。なんとなく適宜カットしているものの、そこかしこに見える至らぬ腕前はご愛嬌として(徐々に腕前が上達していくのは成長物語の証)、動画を見ると世界観の一端と、魅力的なゲームプレイがご確認いただけるのではないかと思う。途中で日本語に対応していることに気づいたりと、撮影環境が一定しておりませんが、ご容赦ください。補足しておくと、日本語版向けに完全ローカライズをするとのことだ。

 試遊のために用意されていたのは、Nintendo SwitchバージョンXbox OneバージョンNintendo Switchバージョンといえば……もちろん、同ハードだけの要素となる、任天堂スターフォックス』とのコラボ。当日はフォックスアーウィンでのプレイも体験できた。マルヴィル氏の「E3で発表したときはワクワクしましたが、宮本さんの前でとても緊張しました。『スターリンバトルフォーアトラス』にとっては、大切な瞬間でした」との言葉に、『スターフォックス』とのコラボが持つ重みがうかがえるが、アーウィンでの操作は極めて爽快。ちなみに、アーウィンにも『スターリンバトルフォーアトラス』に登場する武器はつけることができるが、「オリジナルの雰囲気を楽しみたいのならば、何もつけずにプレイすることをおすすめします」とのことだ。また、前述のクラス分けでいうと、アーウィンは“Performanceクラス”となる。



【動画解説】以下の2本の動画はNintendo Switch版にてプレイした、フォックスアーウィンプレイ動画。動画を編集していてふとプレイ時のことを思い出したのだが、惑星に突入するまでの宇宙空間でのドッグファイト(360度)と、惑星に降り立ってからの地表を中心としたゲームプレイとの対比がすばらしい(惑星では重力の影響からか、そこまで地表から離れで飛行はできない)。また、コックピットと遠隔地とのキャラクターどうしのやりとりにも注目されたし。宇宙ではこうでなくっちゃね!




【動画解説】Masonを選択しての、最初の惑星であるHavenに突入するシーン。順次宇宙船が乗り代わっているのはご愛嬌ということで……。そしてこれも動画を編集して思い出したのだが、プレイして感じたのが“センス・オブ・ワンダー”。センス・オブ・ワンダーは、昔はSFなどでよく使われていた表現だったのだが、新たなものに対する驚きみたいな意味合いだろうか。未知なる惑星に降り立ってのワクワク感は、まさにセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていて、「ほかの惑星はどんなふうなんだろう」と気になってたまらなかった。ちなみに、動画では大気圏に突入するシーンが収録されているが、SFと言えば何といっても大気圏突入! これもワクワクしますな。




 さて、2017年に『スターリンバトルフォーアトラス』が発表されたとき、記者は個人的には「フィギュアパーツもあるし、商品の管理がたいへんそう。日本で発売されるのは相当敷居が高いのでは……」と思ったものだった。それが、そういったギミックも含めて日本で発売されると聞き、「やるな!」とびっくりしたものだが、実際のところ『スターリンバトルフォーアトラス』は、フィギュアパーツがなくても十分快適にプレイできる。とはいえ、より楽しく遊ぼうと思ったらフィギュアパーツでのプレイを激しく推奨したい。ガチャガチャ入れ替えながらプレイするなんて、そこには男の子のロマンがあるではないか。

 そして、腕前が下手くそな記者だからこそ気づいたフィギュアパーツでのプレイメリットがある。本作では、敵から攻撃を受けると自機が使用不能になってしまうのだが、フィギュアを取り替えることで自機もチェンジし、フレッシュな状態でプレイできるのだ。つまり、たくさんフィギュアを持っていれば、それだけその時点からのやり直しが効くということ。試遊も佳境に入ったときに、とにかく敵が手強くて、自機を破壊されては乗り換え、さらに壊されては乗り換え……としているうちに、いつしかどれが無傷の機体がわからなくなり、あたふたして同行してくれたMさんに苦笑される……なんてひとコマも、それはそれで楽しい。

 ジュブナイルストーリーに、意趣を凝らしたフィギュアとの連動と、とにかく『スターリンバトルフォーアトラスワクワクさせずにはおかない1作だ。

 というわけで、おつぎクリエイター陣のお話に耳を傾けることにしよう。『スターリンバトルフォーアトラス』の魅力を語ってくれるのは、クリエイティブ・ディレクターローラン・マルヴィル氏、リード・ナラテエィブ・デザイナージョシュ・モーハン氏、アート・ディレクターダニエル・エバンクス氏の3名だ。



ゲームファンにさらなる喜びをもたらすために……

クリエイティブ・ディレクター ローラン・マルヴィル



――ガジェット好きにとってはワクワクするようなゲームですが、どのような発想で生まれたのですか?

ローラ何もないところからまったく新しいものを作ることから始まりました。数多くのプロトタイプで実験し、いろいろと検討したのですが、その中のひとつのアイディアが際立っていたのです。ブロックワイヤーでつなげたものを試しに作って、それをゲームで出現できるようにしたんです。社内を通りかかるスタッフが、自分のスターシップを作り出したりしたので、「これは(人を引きつける)何かがあるなと思いました。ハッとする感覚でしたね。その後、モジュラースターシップコントローラーにつけて操作するというアイデアにつながっていったんです。まあ、スターシップで何かをしようという発想が広がっていった感じですね。

――プロトタイプの制作が始まって、一番苦労したことは?

ローラプロトタイプの初期段階で、トイのエキスパートの手助けが必要だという判断になりました。モジュラー・スターシップを実際に作るわけですから。私たちは実験はしていましたが、実際に形にするとなると、プロの判断が頼りになる。
 そこで、著名なトイ企業で働いていたという経歴を持つエキスパートスタッフとして迎え入れました。そのひとりが、日系カナダ人のコミナミ・シンヤです。彼が、アレックスニコライといっしょにトイデザインを担当しました。実際のところ、トイのエキスパートチームに入ってビデオゲームの仕事をしているのを見るのは、少し不思議な感覚でした。彼らはスターシップエンジニアリングを担当し、アーティストデザインの仕事をお互いに学びながら進めました。スターシップデザインするときには、実際に物としても作らなければならないので、調整が必要でした。ビジュアルだけでなくコンソールとのコネクションも重要になりますし。

――ゲームとトイの融合が楽しいですが、このゲームゲーマーにどんな喜びをもたらすでしょうか?

ローラモジュールスターシップという発想が生まれたときは、「ゲームとの新しいインタラクションができた」ということでハッピーな気分だったのですが、この高揚感は最初だけでした(笑)ギミックだけではなくて、ゲーマーに何か意味を提供するものでなければならないと思いました。よりすばらしいゲームにするために、イノベーションをさらに推し進める必要があったんです。
 そこで、ゲーマーが実際にこのモジュラーをどう使うかを考えました。まずは、バトルスムーズにすること。その一例として、本作では戦いの最中に装備を瞬時に変えることができるようにしました。プレイしていただいてお分かりになったと思いますが、パーツを取り除くとゲームポーズ状態になります。ゲームに慣れてきたら、ポーズ状態に入るのはオフにすることができ、よりシームレスにプレイ可能になります。
 ふたつめは、オープンワールドにすることです。ゲームに関しては、従来から子ども向けはありますし、一方で18歳以上向けのAAAタイトルもあります。しかし、この両者のあいだにはギャップがあると思うのです。私たちは若いプレイヤー子ども扱いすることなく、奥の深い経験を提供できるのではないか……と判断しました。そこで、7つの惑星を持つ壮大なスターオープンシステムを構築し、“失われしレギオン”というダイナミックな勢力を設定しました。より没入感のあるゲームプレイが堪能できるんです。



――ストーリーは若いプレイヤーにも理解しやすくなっているのですね?

ローラはい。友情や大人への成長、困難に立ち向かったときの順応性などを扱った、とても肯定的なストーリーです。ドラマ性もあります。重要なのは、子ども扱いしないということでした。大人も楽しめるものになっていますよ。

――プレイ時間はどれくらいを想定しているのですか?

ローラプレイ時間は答えにくいですね。ゲームは非常に体系的で、プレイを進めれば進めるほど巨大なワールドに広がっていきます。“失われしレギオン”に対抗する仲間作りに何時間も使うこともできます。また、各キャラクターは性格が異なり、独自の意見を持っていますので、異なるキャラクタープレイすれば、また違った体験が得られます。たとえば、Nintendo Switchフォックス・マクラウドとしてプレイすれば、チェイスやメサとは違った経験になるんです。

――E3 2018で『スターフォックス』とのコラボが発表されましたが、反応はいかがでしたか?

ローラン反応はとてもいいです。フォックスは、Nintendo Switchプレイヤーには大きなプレゼントです。E3では、プレスの方を含めたくさんの方にゲームプレイしていただいたのですが、「ゲームの奥深さに驚いた」、「コンバットや操作性がよい」、「トイの反応がとてもよい」といったご意見をもらっています。私たちにとってはかわいい子どものようなものなので、とてもうれしいです。

――『スターフォックス』とコラボするにあたって、注意したことはどのような点ですか?

ローラン『スターフォックス』に忠実であるということです。きちんとできているかどうかは心配でした。サウンド、言葉遣い、外見など、とにかく細心の注意を払いました。もちろん、任天堂さんの協力のもとに進めています。『スターフォックス』のファンに向けて本物らしいものを作ることは、チームにとって、とても重要なことでした。

――最後に、日本のファンメッセージをお願いします。

ローランこのゲームに興味を持っていただいてありがとうございます。『スターリンバトルフォーアトラス』を引っ提げて、『スターフォックス』を日本に持ってけることにワクワクしています。スターシステムを発見し、モジュラー・スターシップを経験して、最高の時間を過ごしてほしいです。できれば、日本へ行ってみなさんにお目にかかりたいと思っています。

【編集部注】その後UBIDAY2018に合わせて、ローラン・マルヴィル氏の来日が決定。ステージイベントを実施することなどが明らかにされている。どんなお話が聞けるのか……。楽しみだ。




共感できるキャラクターを見つけてほしい

リードナラティブデザイナー ジョシュア・モーハン氏


――ストーリーにも注力しているとのことですが、ストーリーの目的は何になるのですか?

ジョシュア地球に不時着したエイリアンであるJudgeを故郷に帰還させるために、異なるスターシステムを探索するというのがストーリーの骨子です。グループにはいろいろなキャラクターがいて、プレイヤーが共感できる登場人物を見つけられるようになっています。時代設定は現代です。“エレクトロ”というリソースがキーとなっているんですよ。

――時代設定は現在なのですね?

ジョシュアそうです。たとえば、『ハリー・ポッター』もそうなのですが、設定を現代にすることで、“手が届かないようでいて、自分もその中に入ることが容易に想像できる”という世界になるんです。このゲームでも、プレイヤークルーのひとりとなって、アトラスへ行くことを想像できます。実際の星系に則ったのも同じ理由からです。いろいろとリサーチを行い、地元の大学の宇宙物理学者にも開発に参加してもらって、実際に行われている研究について学びました。アトラスについて、距離や必要なテクノロジーなどについて学び、ゲームに活かすことができたんです。これによって、世界をより身近に感じてもらえるようにしたかった。
 アトラスは、実際に存在する昴座(プレイアデス星団)の7つの星のひとつです。実際にある星を使いましたが、ゲームでは想像上の星も加えています。はっきりわかっていないところもありますので、それをうまく使いました。




――登場キャラクターはどのような感じになるのですか?

ジョシュア地球から来ているコアメンバーは6人です。このゲームでは、すべてのメインキャラクタープレイアブルキャラクターとなります。ゲームの中で出会う主要なキャラクターも、やがてはプレイアブルキャラクターになります。
 ローンチ時のプレイアブルキャラクターは10人ですが、徐々に増えていきます。キャラクターを変更するときは会話の内容も同時に変更され、ワールドの見方も変わります。キャラクターを変更すると、プレイヤーの体験できることも大きく変わるんです。

――キャラクター造形にあたって、こだわったポイントは?

ジョシュアチーム全体のバランスを見て、そのキャラクターキャスト全体に何か新しいユニークなものを持ち込めるかどうかがを判断します。プレイヤーには、誰か共感できるキャラクターを見つけてほしいからです。バランスを見て、どうやったら新しい性格を持ち込めるかを考えます。
 若いキャラクターであるふたり、ChaseとLeviを例にとってみましょうか。ふたりはまったく異なる性格を持っています。南米ブラジル出身のChaseは負けず嫌いですが、集中力に長け、地球ではカーレーサーをしていました。彼女の性格は、誰よりも早い赤いスポーツカーのようなスペースシップに表現されています。同年齢のLeviは北米出身で呑気な命知らず。変わったユーモアセンスの持ち主なので、不適切なことも言ってしまいます。自分中心であまり周囲に気を使いません。違うタイプの典型的な若者ふたりを表現しました。


――キャラクターのお話をしているときは、本当に楽しそうですね。その笑顔からキャラクター作りがお好きだということがわかります(笑)

ジョシュアはい! とても楽しいです。このゲームは5年かけて開発してきましたので、彼らのことはよく知っています。Chase、Levi、Mason、Hunterは最初のほうで作られたキャラクターですね。

――そういう意味でいうと、フォックスは異なる世界観から来ているので、コラボさせるのに苦労したのでは?

ジョシュア任天堂さんとのパートナーシップは、昨年からスタートしました。『スターフォックス』のようなクラシックブランドキャラクターといっしょに仕事ができることに、『スターフォックス』のいちファンとして、とてもワクワクしました。
 実際のところ、ふたつの世界を融合するにあたって、とてもよい組み合わせであることがわかりました。『スターフォックス』自体は異なる星系を探索し、さまざまな対立に関与していくアドベンチャーゲームです。言ってみれば、『スターリンバトルフォーアトラス』の骨子とよく似ています。『スターフォックス』のキャラクターはしっかり確立していますので、呼び入れることは容易でした。(『スターリンバトルフォーアトラス』に盛り込む)フォックスストーリーラインを作って、スクリプトを書いて、(ニンテンドー・オブ・アメリカオフィスがある)シアトルへ行って声優さんに会い、ニンテンドー・オブ・アメリカキャストといっしょに仕事をしました。昔からの任天堂ファンからすると、すばらしい体験でした。
 『スターフォックス』はRPG要素もあって、『スターリンバトルフォーアトラス』のようなオープンワールドゲームとは異なりますが、キャストはうまくフィットしました。

――たしかに、とてもフィットしていました。ではお時間のようなので、最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

ジョシュア日本のゲームファンの皆さまに、ぜひ『スターリンバトルフォーアトラス』をプレイしてみていただきたいです。楽しんでください!





日本アニメの影響も……

アートディレクター ダニエル・エバンクス氏


――まずは、アートの方針を教えてください。

ダニエルゲームを最初に見たとき、スペースシップとモジュラー・トイの組み合わせはすばらしいアイデアだと思いました。多くのユーザーが楽しんでくれるだろうと確信しました。私は個人的に乗り物スペースシップが好きなので、本物らしい信じられるものにしたかったんです。すべてのスペースシップはある程度の機能性を持ち、本物らしくなければなりません。翼にあるフラップがきちんと開閉し、宇宙ではスラスターが働いて動く、本物の乗り物のようにしたいと思いました。

――スペースシップデザインするにあたっては、目指すテイストなどはあったのですか?

ダニエルグループごとに個性の際立ったスペースシップにしようと思いました。それぞれに特徴があり、味付けも違うものにしました。全体としては、お互いに補足しあっていて、しかも独自の魅力を持ったものを……ということで心掛けていました。モジュラーであることは大きな課題でした。パーツを取り替えて、自分のスペースシップを作ることができるので、どのように組み合わせてもしっくりくるようにしなければならなかったからです。つぎはぎのような、いわばフランケンシュタインのような船ではダメです。また、スペースシップごとに色を統一して、イエローならこれ、ホワイトはこれと決めました。ひとつのスペースシップのアクセントに使われている色が、ほかのスペースシップの本体部分に使われているというようにして、どう組み合わせても合うようにしたのです。さらに、各スペースシップにはテーマがあります。スターリンチームスペースシップは軍用の乗り物と高性能の乗り物を組み合わせて作りました。無法者のスペースシップにはオートバイやホットロッドのテイストを取り入れています。

――スペースシップは何人でデザインを?

ダニエル私を入れて5人くらいですね。

――お気に入りのスペースシップは?

ダニエルMasonのスペースシップが気に入っています。スターターパックのシップですね。パワーが感じられますし、何よりもデザインが気に入っています。Chaseの赤いシップも好きですね。これは最初にデザインしたスペースシップで、この方向性は間違っていないと感じたスペースシップです。いまご覧いただいているのは、試行錯誤の結果できたバージョン3です。


――トイのエキスパートを招き入れたとのことですが、どのような要望があったのですか?

ダニエル私はずっとビデオゲームを仕事としてきました。いわば、実際に存在する必要のないモノを作ってきたわけです。シンヤといっしょに仕事をして、存在するモノをデザインするプロセスを教えてもらい、目から鱗でした。それだけでなく、トイを作る上でのさまざまな選択にも驚きました。シンヤは“トイエティック”という言葉を使っていて、よく会話に出てきましたね。“トイエティック”というのは、“トイとして成り立つ”とか、“トイっぽい”という意味です。彼とは、トイを開発するプロセスで緊密に仕事をしましたが、モノとしてトイにするためにもともとのアイデアとなるデザインを大きく変更するという妥協はしたくありませんでした。ですので、お互いの方向性を理解し合うことが必要でした。彼は、さまざまなクラススペースシップベースとなる構造を作り、私たちがその上にデザインをつけていきました。

――本作には7つの惑星が登場するとのことですが、デザイン面での差別化はどのように?

ダニエルまず全体としてアトラスの探索を楽しくワクワクするものにしたいという方針で進めました。すべてがエイリアンのようになってはおもしろくないので、親近感を持てるように多少地球らしさを取り入れることにしました。一方で、本当にエイリアンらしい惑星も作ると対比が際立ちます。この方針が決まった後に、各惑星のテーマを決めました。今日プレイしていただいたHavenは、庭園がテーマになっています。木があって昆虫などのクリーチャーもいますが、クリーチャーなどは大きくして、プレイヤーは小さくしてあります。この視点で行くことに決めてからは、いろいろなことがスムーズに進みました。


――『スターフォックス』のアートデザインで苦労した点は?

ダニエルスターフォックス』の世界観はすでに出来あがっているものなので、本物に忠実に作り、ファンに満足してもらえるようにすることが大変でした。私も『スターフォックス』は子どものころにプレイしていて大きな影響を受けています。『スターフォックス』の世界観は完璧だと思っていたので、このような機会を得て、本当にワクワクしました。『スターフォックス』のコンテンツには大いに敬意を抱いていますし、作業は楽しかったです。

――『スターリンバトルフォーアトラス』というゲームの中で、『スターフォックス』の世界観は融合できたのですか?

ダニエル彼はワールドのビジターと考えています。もちろん、シネマティックなシーンなどで、すべてのマテリアルをHDレンダリング用に調整する必要はありましたが、フォックスをこちらのワールド合わせるのではなくて、ふたつのワールドを融合するように努力しました。

――キャラクターのアートデザインの方針は?

ダニエルスペースシップと同様ですね。ナラティブデザイナージョシュアと相談して、“全員がエースパイロットのように感じられること”という主方針を決めました。ビジュアルについてはグループとして見たときに形状、色に多様性があり、見ているだけで楽しく、集めたくなるようなものが理想でした。作業しているあいだにもナラティブデザイナーが来て、キャラクターとその性格を説明してくれるので、そこからビジュアルを作っていきました。反対に、いろいろと描いているうちに何かいいアイデアが出てきて、ジョシュアストーリーを書くということもありましたね。こうした相互のやり取りからキャラクターが生まれたわけです。

――全員がエースパイロットという扱いなのですね。

ダニエルキャラクター間にはおもしろい関係性があります。とくにChaseとLeviはそうです。同い年ですし、最初のシネマティックでも、我先にとスペースシップに走っていきます。同じチームにいますので、よき競争相手という関係ですね。
 キャラクターの人格は、ビジュアルからもわかるようにしました。Chaseスピードが持ち味なので、レーシングスーツを着ていますし、Shadeミステリアスアウトローで、つねにフードをかぶった状態で顔は影に隠れています。

――お気に入りのキャラクターは?

ダニエルShadeクールで気に入っています。Judgeも好きなキャラクターのひとりですね。いずれもパイロットアビリティーがかっこいいですし、ビジュアルがとても気に入っています。個人的な好みが入っていますが、デザインしていてとても楽しかったからです。


――最後に、日本のファンメッセージをお願いします。

ダニエルみなさんに、『スターリンバトルフォーアトラス』の世界を見ていただける日が待ちきれないです。私たちは、日本の映画やアニメには大きな影響を受けてきましたので、こうして私たちが作ったものをお見せして、お返しができればと思います。このゲームを気に入っていただければ幸いです。

――ああ、日本の映画やアニメインスパイアを受けているのですね? たとえば、どのような作品から?

ダニエルたくさんありますが、『AKIRA』は私にとってものすごく重要な作品です。ビジュアルエフェクトの参考にしています。『EX MACHINA』からも刺激を受けています。あとは、宮崎駿作品。ストーリー全体のアプローチからも大きな影響を受けました。とくに、年齢を問わずファンから支持を得ているところ。これは、私たちがこのゲームを開発する上でキーとなるものでした。