海の幸から山の幸まで旬なものが多く、ついつい食べ過ぎてしまうこの時期。そんな食欲の秋にピッタリな料理に関する3本の映画が立て続けにスクリーンに登場する。どれも舞台は美食の国・フランス。食欲をそそるだけでなく、目にもおいしく、内容も味わい深い3作品をチェックしていきたい。

【写真を見る】飯テロ注意!ミシュランシェフが手がける一流料理の数々(『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』 )

ミシュランシェフが手がける、芸術品クラスの料理の数々

まず紹介するのは、ミシュラン史上最年少で三ツ星に輝き、世界中で18ツ星を獲得したフランス料理界のレジェンドシェフ、アランデュカスに密着した『アランデュカス 宮廷のレストラン』(公開中)。デュカスの新たな挑戦として、1700年代の“王の食卓”を再現するヴェルサイユ宮殿内初となるレストランのオープンまでを追った美食ドキュメンタリーだ。

デュカスの食を通した活動や考え方をひも解き、成功の秘訣にも迫る本作。やはり目が向いてしまうのは、彼の手がけた料理や彼が世界中で食べ歩く美食の数々。とろ~りとしたソースがかけられた柔らかそうな牛肉やフォアグラ、つやつやと輝く魚介類、アートのような懐石など、息を飲むほど美しく洗練された料理たちには、食欲を刺激されるばかりだ。

■ ワイン造りを通して描く、味わい深い人間ドラマ

そんな料理と共に味わいたいのが、おいしいお酒。『スパニッシュ・アパートメント』(02)のセドリッククラピッシュ監督の新作『おかえり、ブルゴーニュへ』(11月17日公開)は、ボジョレー・ヌーボーロマネ・コンティを生み出すワインの名産地・ブルゴーニュ地方を舞台にした1作。ワイン醸造家の父の死をきっかけに再会を果たした3兄妹、それぞれの悲喜こもごもを紡いでいく。

畑を継いだ兄妹たちが、様々な困難に直面しながらもワイン造りに勤しむ姿を映した本作では、樽の中のブドウを足踏みするシーンなど、ブドウの栽培からワインの醸造、瓶詰までの過程が一年を通して描かれていく。人間ドラマに加え、ブドウ畑の移ろいと共にワインがどうやって造られていくのかも楽しむことができ、一度で二度おいしい作品となっている。

スパイスの効いたストーリーで描き出す絢爛豪華なセレブの食卓

最後に、『マダムのおかしな晩餐会』(11月30日公開)は毒っ気が効いたロマンティックコメディ。パリに引っ越してきたアメリカ人夫婦が、セレブの友人を招いた晩餐会を開いたものの、出席者数が不吉な“13”人になっていまい、正体を伏せたメイドに参加させたことから巻き起こる大騒動を描いていく。

とびきり豪華な料理が並べられたディナーはもちろん、煌びやかなドレスやジュエリー、絵画やセンスのいいインテリアで飾られた豪邸に、パリの人気レストラン「ビストロ・オートゥイユ」も登場するなど、まるでセレブの食事風景を追体験しているかのよう。全編を通して“目にもおいしい”華やかな映像には、酔いしれてしまうことだろう。

これら3作品の座席指定券2枚で応募でき、ペア食事券15,000円分やブルゴーニュワインが抽選で当たる「秋の美味しい映画〈3皿〉キャンペーン」も12月17日(月)まで開催中。キャンペーンに参加すれば、さらに“おいしい思い出”ができるかも?(Movie Walker・文/トライワークス)

見ているだけでよだれが出てしまいそうな美しいメニューの数々『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』