佐藤健高橋一生の共演で話題を呼んでいる『億男』(10月19日公開)。『モテキ』(11)や『君の名は。』(16)をヒットへ導いた映画プロデューサーの川村元気が執筆した同名小説を、大友啓史監督が実写化したお金にまつわるエンタテインメント作だ。本作でも、安定の存在感で脇を固める、藤原竜也北村一輝の“濃すぎ!”なキャラクターに注目したい!

【写真を見る】一目見ただけでは北村一輝とわからない!?ふくよかな体型に変貌した北村がギャンブル狂を怪演

今作では、宝くじで当てた3億円を、親友の九十九(高橋)に持ち逃げされてしまった一男(佐藤)の、地獄巡りのような“3億円探しの旅”が描かれる。九十九は、一男の大学時代の親友であり、巨額の資産を持つ若手IT企業家。一男は、九十九の行方を捜すため、彼の元共同経営者の億万長者たちを訪ねることになる。

藤原が演じるのは、その億万長者の一人、千住。マネーアドバイザーを名乗っているが、“夢実現セミナー”を主宰したり、“ミリオネアニューワールド”という団体の教祖を務めるなど、とにかく胡散臭い男だ。移動はリムジンを使い、衣装やカツラを付け替えて各セミナーに登壇。スポットライトを浴びながら「あなたの夢は絶対に叶いまーす!」と絶叫するさまは強烈だ。“お金=夢”をエサに人々を扇動する千住を体現する藤原は、『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(17)で見せた“ゲスな殺人犯”役に、勝るとも劣らない怪演ぶりを見せている。

一方、北村は天才エンジニアの百瀬に扮する。北村は近年『テルマエ・ロマエ』や『猫侍』シリーズなどで、強面で渋いイメージを逆手に取ったコミカルな作品に出演してきたが、今回は、一瞬では北村と認識できないような役にも挑戦。百瀬は、でっぷりとした腹回りに黒縁メガネ姿で、競馬場VIP席を占拠するギャンブル狂。大金を転がす傍らで、一男に“億男”の先輩として、高い声で関西弁の説教をまくしたてる。コミカルでハイテンションな北村が醸し出す、異様な雰囲気は必見だ。

付け髭やカツラ、腹に詰め物といった、見るからに怪しげな小道具で役になりきる、藤原竜也北村一輝。いまや“キワモノ”俳優としても注目を集める実力派両者の、インパクト大の濃いキャラをぜひ堪能してほしい!(Movie Walker・文/トライワークス)

佐藤健主演作『億男』。藤原竜也は怪しげな教祖を演じている