ナイフで夫を刺し殺したとして殺人罪で逮捕された妻。しかし「事故」を主張し二転三転と供述を変える姿に捜査官らも呆れていたようだ。米フロリダ州で起こった事件を『New York Post』『Fox 35 Orlando』などが伝えている。

今年6月にフロリダ州ポークレイクランドで起こった事件で、10月10日レイチェル・フィダニアン(38歳)が逮捕された。

6月25日レイチェルの夫ブライアントさん(40歳)が約10cmのフィレナイフ(おろし包丁)で刺され、その後病院で死亡した。検死結果では、ナイフの刃はブライアントさんの左肋骨に深く切れ込んでおり、肺動脈が切断されていたという。同日午前9時半頃、緊急通報を受けて駆けつけた救急隊員にレイチェルは「犬を抱きながら洗い物をしていて、夫に駆け寄った時に滑ってしまい、ナイフを持ったままだったので刺さってしまった」「犬を抱えながらピザを切っていて、ナイフを持ったまま夫に近づいたところ転んでしまい、誤って刺してしまった」などと供述していた。更にポーク郡保安官事務所での事情聴取時にも、このように話していた。

「朝8時頃に起きて、冷凍ピザを夫と自分のために用意した。夫はソファで寝ていたので自分が半分先に食べた。その後、夫のために残り半分のピザを切っていたところ、犬が外でクンクン鳴くのを聞いた。犬は糞だらけだったので犬を抱き上げて家の中に入れた。リビングで犬が糞尿を漏らしたので夫に助けを求めようとした時、ラグマットに足を引っかけてつまずいた。手にしていたナイフが夫に刺さったのはあくまでも事故だ。」

捜査官らは、ブライアントさんが刺された時にレイチェルが着ていたとされるガウンを調べたが、糞まみれの犬を抱き上げたと供述しているわりには、ガウンにその痕跡が全くなかった。同郡保安官事務所のグレイディ・ジャッド保安官は「どの説明も妥当ではなく、道理にかなっていない」と述べており、捜査の結果、レイチェルブライアントさんをDV行為の果てに意図的に刺殺したことが明らかとなった。

レイチェルは取り調べで「結婚生活は素晴らしいものだった」「喧嘩などめったにしなかった」と供述していたが、実は以前から何かと問題があったようだ。近隣住民らはこの夫婦が自宅で喧嘩をしている声を幾度となく聞いており、2016年以降、警察には7件の通報が寄せられていた。しかもそのうち1件は、ブライアントさんが逮捕される結果にまで至ってしまったという。

筋の通らない供述を繰り返し「事故」と主張していたレイチェルは、事件から4か月弱経って第2級殺人罪で逮捕され、現在ポーク刑務所に拘留中とのことだ。ちなみにフロリダ州では、10月は“Domestic Violence Awareness Month(家庭内暴力根絶強化月間)”となっている。

画像は『New York Post 2018年10月12日付「Wife claims she fatally stabbed husband after slipping on dog poop」(Polk County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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