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米中貿易戦争は「新冷戦」の様相を呈して来た。中国の貿易網を封じたい米国と、情報搾取チップまで使って覇権を狙う中国の間で、韓国が選択を迫られている。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)

※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2018年10月14日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

どう転んでも韓国経済を嵐が襲う?米中が繰り出した2つの禁じ手

貿易戦争から「新冷戦」へ

今回は米中貿易戦争を取り上げるが、もはや「貿易」だけの問題ではなくなってきている。

米国は中国との全面対決に入っており、例えば矯正施設でウイグル族が弾圧されていることを批判したり、南シナ海における「航行の自由」作戦を積極的に実施したりするなどを宣言して、もはや人権や安全保障などといった分野にも米中対立が及んできた

もう米中貿易戦争というよりは「新冷戦」といってもいい状況だ。米国と中国が世界の覇権を巡って互いに対立する。

いまだに中国は時代遅れの帝国主義を振りかざしているが、米国はそれを止めるにはもう時間があまり残されていないという判断なのだろう。トランプ大統領が率先してというよりは、アメリカ議会が積極的に動いている

中国は、トランプ大統領が中間選挙で負けて退けば、状況は好転するかもしれないと思って影で工作しているのだろう。しかし、アメリカ議会がやる気を出している以上、次の大統領も中国に甘いとは限らない。さらに他国のことなので、さすがにどうなるかはわからない状況だ。まあ、私はトランプ大統領が再選されると思うが、決めるのは米国の国民だ。

気になる2つの問題点

さて、前置きはこのくらいにして気になる動きを2つほど追っていきたい。

1つは、中国の工場で造られたマザーボードに、情報窃取を目的とした超小型マイクロチップが秘密裏に組み込まれていたこと。

もう1つは、毒薬条項(ポインズンピル)である。

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