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2014年、北海道足寄町の温泉施設で、50代の男性客が入浴中に硫化水素中毒の疑いで意識不明となる事故が発生。
「温泉に入っただけで意識不明になった」というショッキングな事故に、インターネット上が騒然となっている。
■硫化水素中毒で4年間意識不明に
北海道警は、「国の安全対策を怠って事故を引き起こした」として、施設運営会社の経営者の男性を業務上過失傷害容疑で週内にも釧路地検に送検するする方針を固めたことを、『読売新聞』が報じた。
温泉の浴室で発生した硫化水素による中毒を理由に刑事責任が追求されるのは初めてとのこと。
経営者の男性は、国の安全対策を怠り、温泉の注入口を浴槽の底に設置するなどし、2014年10月、男性客を硫化水素中毒で意識不明の重体にさせた疑い。男性客は脳機能障害と診断され、事故からおよそ4年が経った現在も、意識不明の状態が続いているという。
■安全対策を怠れば、死に至る危険性も
問題となっている「硫化水素」とは、高濃度のものを吸い込むと頭痛や呼吸障害を起こし、死に至ることもあるのだそう。
国は、一定量の硫化水素を成分に含む温泉施設を対象に、空気中の硫化水素の濃度が基準値を超えないよう、温泉の注入口を湯面より上部に設け、空気と触れさせて薄めるなどの安全対策を定めている。
なお、経営者の男性は今年7月、事故について「ノーコメント」としているという。
■「誰でも被害に遭う可能性がある」と騒然
温泉に入っただけで脳機能障害となってしまった恐ろしい事故に、インターネット上は騒然。『Yahoo!ニュース』では、様々な声が寄せられている。
・恐ろしいな…
・誰でも被害に遭う可能性が有る、運が悪かったでは済まされない。4年間意識不明ってお金の事を含めて家族の方は大変やろうな
・温泉が流れるとこを少し高くしてるのは見た目だけかと思ったらちゃんと意味があったんですね
・4年も経っての送検とは遅すぎる。意識不明の被害者が泣き寝入りする事だけは避けてほしい
・経営者ばかりではなく、温泉に入る人にも注意掲示が必要です
「温泉のお湯が高い位置から出ていた理由」に合点がいった、といった声も目立つ。
■「ノーコメント」に怒りの声
また、被害者が重体となる事故が発生しているにもかかわらず「ノーコメント」としている経営者の男性の対応には、怒りの声もあげられている。
・ノーコメントはひどいな
・温泉が繁盛するこれからのシーズンにこの話じゃ、温泉不審にもなり兼ねない。経営者のノーコストはもってのほか。原因をもっとはっきりして欲しいと思う
・コメント拒否なのは、今後裁判で弁護士をつけるため、不利な発言をうっかりしてしまわないためだろうな。のちのち弁護士と打ち合わせして主張を変えれば辻褄が合わなくなるからな。実に卑怯だ
・誰かが責任を取らないといけないだろうが、この人だけを責めるのは違和感がある。監督する立場の機関も同罪じゃないのかな
中には、「この男性1人だけが責任を問われることに違和感を感じる」といった声も。
秋も深まり、温泉が恋しくなる季節に報じられたショッキングな事故。安心して温泉を楽しめるよう、今一度安全対策について見直し、徹底されることを願うばかりだ。
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