建築家と最初にした打ち合わせのとき、「寝室は一人一部屋欲しい」と夫への事前の相談なく唐突に伝え、実際、寝室は一人一部屋で設計を進めてもらいました。

今回は、夫婦の寝室を別にした理由をお話しします。

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夫婦のライフスタイルの違いが最大の理由

夜に仕事
karandaev / PIXTA(ピクスタ)

仕事の都合で、ときどきですが、午前3時、4時に起き出して仕事に出かけることがある夫と、気分が乗ると深夜まで仕事に取り組むことがある私。

もともと暮らしていた借家では、息子を真ん中に、まさに川の字で眠っていました。

日付が変わる頃、息子を起こさぬようにそっと布団に入り、ようやく深い眠りに落ちるのが午前1〜2時。

やっと眠れた……、そんなタイミングで夫のスマホのアラームが鳴り出して、そのまま眠れなくなる、ということも。

睡眠
Mills / PIXTA(ピクスタ)

翌朝、寝不足でふらふらになりながら息子を送り出す、という日も少なくありませんでした。

私は寝つきが悪い性質で、横になってから寝付くまでに時間がかかるタイプ。

午前0時に布団に潜り込んでも、午前2〜3時まで眠れない、なんてこともよくあります。

目を閉じると、頭の中に次から次へとさまざまなタスクが湧いてきて、眠れなくなってしまうのです。

 

40歳を過ぎて、質の高い睡眠をとることの大切さに気付いた

寝室
Verasimon / PIXTA(ピクスタ)

家を建てるきっかけの1つは、思春期を迎える息子の自室を作ること。

ならば私にも、ゆったりと休息を取れる部屋があってもいいのではないかと思いついたわけです。

建築家の前で「寝室は各自ひと部屋」と告げたら、夫は「それ、オレ知らないよ?」という顔。

そりゃそうです。事前になんの相談もしなかったのですから。

でも、夫自身、ヘルニアの手術の経験者で腰痛持ちで眠りが浅いこと、春先になると気持ちが塞ぎ込みがちで寝つきが悪くなるなど、加齢による不調が出始めていました。

不惑を過ぎた私たちにとって「昨日のいびきがうるさかった」「寝言が面白かった」と笑うことよりも、質の高い睡眠をとることの方がずっと大切。

だから別がいいのでは?と今ある現実をそのまま説明したら、納得できたようです。

40代半ばに差し掛かって知った疲労や睡眠の悩みは、30代の頃には想像もできませんでした。

 

寝室を別にして1年半経ちました

寝室

さて。引き渡しからおよそ1年半が過ぎ、実際に一人で眠るようになってどうかといえば……、

シングルベッドとはいえ、自分以外の人寝返りによる振動や物音を感じずに眠り続けることができるのは、本当に幸せなことだと喜んでいます。

目覚めたときのすっきり感に、大きな変化が生まれました。

また、夜型で朝がてきめんに弱い私が、朝、気持ちよく起きられるようになったのは大きな収穫。

禁煙したとき以上に、時間を有効に使えるようになりました。

職業柄、自宅で仕事をする私にとって、仕事部屋としての書斎は必須でした。

ですが、もしそういう環境が必要ではないご家庭で、書斎やママスペースのようなゆとりの空間としての個室を考えているのなら、それらを兼ねて、寝室を別々にするのもひとつの手ではないか……とも思います。

 

将来、介護が必要になったときのことも考えた

図面

また、新築の注文住宅の取材をしていて、2階に主寝室を設けるお宅が非常に多いことに気づきました。

40歳を過ぎて家を建てることになり、35年後の年齢を考えると、どうしても介護を意識せずにはいられません。

どちらかが要介護になったときに、階段の上り下りが毎日、毎回、必要になることに不安があります。

でも、我が家のように1階と2階に夫婦それぞれの寝室があれば、先に介護が必要になったほうが1階の部屋を使えばいいのです。

1階にあるバスルームやキッチンまで、階段を使わずにアクセスできるのは、非常に大きなメリットだと感じました。

あとは、2人同時に要介護にならないことを祈るばかりです(笑)。

結局、夫婦の寝室を別にしたのは、大正解だと感じています。

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