クレプトマニアとは、窃盗癖ともよばれ、利益目的の窃盗(万引き)ではなく、窃盗を行うときの緊張感と、窃盗後の解放感という、精神的な起伏を好み、窃盗を繰り返してしまう精神障害の1種です。

 

犯罪自体は、数百~数千円の物を万引きするような軽微なものですが、何度も万引きを繰り返してしまい、逮捕回数も複数回に及びます。結果として、社会生活へも支障をきたしてしまうので、軽く考えてはいけない問題です。

 

最近では、有名な女子マラソン選手が万引きを繰り返したことがニュースで取り上げられた影響で、クレプトマニア(窃盗罪)という言葉も一般に浸透しつつありますね。

 

 

 

クレプトマニアの5つの特徴

クレプトマニアとは、窃盗癖とも呼ばれる窃盗を止めることのできない精神障害の一つです。犯罪行為自体は、数千円程度の軽微な万引きを繰り返すことが見受けられます。

 

お金はあるのに窃盗(万引き)を繰り返す

通常、窃盗を行なう動機は「その物が欲しいけど、お金が足りなかった」といった、利益目的の動機があるはずです。しかし、クレプトマニアの人は「窃盗している時のスリルが欲しい」「ダメだと分かっているのに止められない」といったように、利益目的と関係ない理由で窃盗を繰り返してしまいます。

 

ストレスの発散にしている可能性が高い

クレプトマニアになってしまう大きな原因が、ストレスや依存によるものです。ストレスや不安、寂しさなどを感じ、その感情の穴埋めをするために、窃盗を行ってしまいます。買い物依存症の人が「買う行為」で満たされるように、クレプトマニアは「盗む行為」で自分の満たされない感情を満たします。

 

自分も必要としていないものでも盗んでしまう

窃盗している物自体も、自分は必要としていないようなものばかりで、捨てたり、他人に譲ったり、中には万引きをしてもすぐに店に返すような行為を取ります。ギャンブル依存症などに近く、ゲーム感覚、もしくは、ストレス発散方法として窃盗を繰り返します。

 

窃盗する物に価値はない

クレプトマニアの方が窃盗する物は、大したことのない物が多く、どこにでも手に入るような数百円の物ばかりです。いざクレプトマニアで万引きした人を捕まえてみても、財布の中には盗んだ物が買えるだけのお金を十分に持っていることは往々にしてあります。

 

うつ病や摂食障害である可能性もゼロではない

過度なダイエットや精神的なストレスを抱えている方が陥りやすいと言われており、過去の判例では『摂食障害等の精神障害があり,本件犯行時の被告人の行動制御能力は,相当程度強く障害され,被告人の本件犯行は,心神耗弱に準ずる行為として評価されるべきである』とする主張を、弁護士がしていた事例もあります。

 

最終的には『犯行には,被告人のクレプトマニアや摂食障害等の精神症状による衝動制御の障害が関連してる』とする判決が出ているため、うつ病や摂食障害等でクレプトマニアとなる可能性はゼロではないと思われます。

 

常習性がある

窃盗の理由に、利益目的がありません。単に窃盗をしている瞬間の快感が欲しかったり、辛いことがあったりすると、それから逃れるために窃盗を行ってしまいます。クレプトマニアは、窃盗の為の窃盗とも言われています。

 

窃盗を行って一時的な快感を覚えた後に、罪悪感が訪れます。万引きしたところを見つかると本当に深く反省します。しかし、窃盗を止めることを自分で制御できず、時間が経つとまた窃盗を行いたくなってしまいます。

 

 

他の病気との合併症が見受けられる

クレプトマニアの人には、他の病気を合併している人が多く見受けられます。うつ病・摂食障害・女性のホルモンバランスの乱れなどが見られます。特にクレプトマニアは、女性が多くなっています。

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