巨人の菅野智之投手が14日のヤクルトとのCSファーストステージ第2戦(神宮)でノーヒットノーランを達成した。CSや日本シリーズなどのポストシーズンで、1人で投げきってのノーヒットノーランは史上初めてという快挙となった。
もっとも海を渡れば、世界は広い。メジャーリーグでは、ポストシーズンでのノーヒットノーランは過去2度達成されている。
第1号は半世紀以上前の1956年。ヤンキースのドン・ラーセンが、ドジャースとのワールドシリーズ第5戦で完全試合を成し遂げた。
後に殿堂入りする選手を4人も抱える強力打線を完璧に封じ込めた。もっともラーセン自身、記録に残る名投手というわけではなかった。この年自己最多11勝を挙げ、防御率3・26をマークしたものの、チーム内では4番手の扱い。このシリーズも第2戦に先発したが、1回1/3を1安打ながら4四球4失点で降板を告げられていた。
通算81勝91敗で11年後の67年シーズンを以て引退。唯一獲得したタイトルが、56年ワールドシリーズMVPだった。一世一代の快投だったと言っていい。
その54年後、2人目が現れた。2010年、フィリーズのロイ・ハラデーがレッズとの地区シリーズ初戦で1四球しか与えずノーヒットノーランを達成した。
ハラデーはこの年5月に完全試合も達成していた。1シーズン2度のノーヒッターは、史上5人目。長く在籍していたブルージェイズが低迷期で、33歳にしてこれがポストシーズン初登板だった。
2度のシーズン20勝以上などでサイ・ヤング賞にも2度輝き、通算203勝を挙げ、わずか105敗だった。その後17年11月に40歳の若さで急逝。自ら操縦する小型飛行機が墜落する事故死だった。
こちらは記録にも、記憶にも残る名投手。殿堂入りへ推す声も多い。投球スタイル、フォームは菅野と被る部分がある。
なお、完全試合目前での継投として語りぐさなのが07年の日本シリーズ第5戦。優勝に王手をかけた中日は、先発山井が8回まで完全投球。球数も86球と多くなかったが、1-0の最終回を落合監督は抑えの岩瀬に託した。岩瀬は見事3者凡退に抑え、継投での完全試合が完成した。
菅野はここ5登板中、抑え起用された1試合を除くと4先発全てで完封勝利中。登板間隔もタイトになる一方だが、投球内容は衰え知らずだ。再び歴史に残る快投を演じてもおかしくないオーラさえ漂わせている。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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