パナマ戦に続き、ウルグアイ戦でも先制弾の南野 切れ味鋭いターンで相手翻弄

 今、日本代表で最も勢いのある選手がMF南野拓実ザルツブルク)だ。森保一監督の就任から3戦連続ゴールと活躍し、16日の国際親善試合ウルグアイ戦(4-3)では2ゴールを叩き込んでいる。そのなかで、ひと際異彩を放っているプレーが切れ味鋭いターンだ。

 12日のパナマ戦では、0-0で迎えた前半42分にMF青山敏弘サンフレッチェ広島)からの縦パスを左足で受けると同時に、相手との間に体を入れてターン。そのまま相手ペナルティーエリア内に侵入し、左足で先制ゴールを奪った。

 さらにウルグアイ戦では、MF中島翔哉ポルティモネンセ)からの縦パスに反応。相手ゴールに背中を向けたまま、右足インサイドでトラップすると同時に重心をずらして素早いターンを見せる。ワントラップで相手をかわし、ドリブルを入れてもう一人も翻弄すると右足で先制ゴールを決めた。

 パナマ戦とウルグアイ戦の先制弾は、いずれも南野特有の低重心ターンから生まれている。相手が大柄であればあるほど効果的で、出足の鋭い南野が優位な状況に持ち込みやすいプレーだ。また、このターンが一層脅威なのは、絶妙なポジションを取っている点だ。

「監督は、前を向くプレーをチームのためにできる選手を必要としていると思う。そういうところは自分の長所でもあるので、そのために呼ばれているところもある」


香川との比較論も浮上… 「違いを作らなければいけない」で期待を超えるプレー

 自らの招集理由をそう分析していた南野は、ピッチ上で見事にストロングポイントを体現している。とりわけウルグアイ戦のターンは絶妙で、南野も「翔哉がボールを持ったらクロスもあるし、速いパスもつけてくれると試合前にも話していた。イメージ通りのプレーだったと思う」と自画自賛したほどだ。

 森保体制で未招集のMF香川真司ドルトムント)と比較する声もあるなか、南野は覚悟を持ってこの10月シリーズに臨んでいた。自身に課していたのは、既存メンバーたちと“同じ水準のプレー”ではなく、“期待を超えるプレー”だ。

「前の新しい選手は、そうやって違いを作らなければいけないと分かっていた。そのなかで自分は結果を残したかった」

 “南野ターン”を存分に駆使し、新体制3試合連続ゴール。この結果が新鋭アタッカーの存在価値を雄弁に物語っている。


Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

日本代表MF南野拓実【写真:田口有史】