(©ぱくたそ)
セクハラ、パワハラ以外にも、グルハラ、スメハラ、ヌーハラなど…、定着したものから認識されていないものまで、続々誕生している「ハラスメント」の種類。
猛暑つづきだった今年の夏から「エアハラ」という言葉を目にするようになった。涼しさを感じるようになり、季節の変わり目である現在もまた取り上げられている。
■夏から見かけるワード「エアハラ」
正式名称は「エアー・ハラスメント」。主にエアコンの温度設定によってのハラスメントのこと(体調不良を引き起こす)ことをいうらしい。
猛暑だった今年の夏には、設定温度が高すぎることで熱中症リスクが上がってしまうと、専門家たちは呼びかけをしていた。
これは、クールビズの期間は政府が「室温28℃」を提唱しているが、「空調設定温度28℃」に設定するものと誤解している人が多いことから、改めて注意喚起をしていたようだ。
エアコンの温度設定をめぐり、体調をはじめ人間関係にも影響があり、うつ病になってしまうおそれもある…というが、一体どういうことなのだろうか。
■冷えた空間は内臓の冷え、むくみの原因
10月中旬に差しかかり、朝晩の冷え込みや激しい気温の変化でようやく「本格的な秋」と報じられている。風邪をひきやすい季節の変わり目は、エアコンの設定温度が低いことで体調を崩しやすく、内臓が冷えてしまうこともあるという。
内臓の冷えは、腸の動きが鈍くなり便秘がちになるほか、血管が収縮することにより、肩こりや頭痛などを引き起こすおそれもある。また、冷え性の場合、老廃物や水分が体内に滞りやすく、むくみの原因にもなる。
■うつ病になるおそれ、とは…
温度が合わないことで、精神的なダメージを受けることも。たとえば…自分にとっては毛布を巻きつけたくなるほど寒く感じるが、暑がりの上司が室温を低く設定している。
しかし、「温度をあげてください」と言えないため我慢する。我慢したことで体調不良がつづく。その結果「人間関係に溝ができ、職場環境に適応できず二次的にうつ状態になる場合もある」そうだ。
普段のコミュニケ―ションの問題も影響しているのだろうか。
■「ハラスメント」なのか?
「ハラスメント」とは、本来「人を困らせること」「嫌がらせ」という意味で使われる言葉。この「エアハラ」について、ネット上では「そもそも、ハラスメントなのか?」という声も多く見受けられる。
熱がり体質の人に合わせ、温度設定をしているだけで「こいつに寒さを与えてやろう」と嫌がらせで温度を下げているわけではないという見方のようだ。
しかし、実際に冷えた社内で寒さ対策をしていた際に浴びせられた言葉に「エアハラ」を訴える声も。
「ひざ掛けもせず、半袖姿で『寒い~エアハラなんですけど~』って言ってたら、正直、同情できないよね」
「自分が寒く感じるからって、エアハラ! と騒ぐのは違うよね。自分で対策しなきゃ」
「社内が寒すぎてジャケット着てたら『暑苦しいからやめろ』と言われた。あれはハラスメントだよね」
「ひざ掛けやカーディガンを椅子に置いてたら『取引先の人が出入りするのに、見栄えが悪い』といわれた。じゃあもっと温度上げろと言いたい」
各々の基礎体温も違えば、暑がり・冷え性などで体温変化も違う。また、エアコンの冷風が直撃する場所か否か、の問題もあるだろう。自身の防寒対策と、同じ環境にいる人たちとのコミュニケーション問題が課題ではないだろうか。
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