普段はサラリーマンとして業務をこなし、休日は副業で稼ぐ……。そんな副業したい会社員が増えているようです。副業したい会社員は、どのようなことに気をつけながら、どんな副業を選ぶとよいのでしょうか。キャリアカウンセラーの小野勝弘さんに教えてもらいます。

■副業とは

会社員にとって「副業」とは、本業以外にプライベートな時間で行う仕事のこと。一般的には、別の企業で働いたり、アルバイトをしたりなどが思いつくかと思いますが、それ以外にも、資産運用や個人の物の売買なども「副業」に含まれます。

これまでは会社での終身雇用がスタンダードでした。ですが、現在ではその終身雇用制度が崩壊しています。会社がひとりの従業員の面倒をみる時代は終わり、一人ひとりがキャリアを築いていく時代を迎えたのです。ネックとなっていた副業禁止規定が緩和傾向にあり、終業時間外の副業を認めるケースが増えてきています。

■会社員(サラリーマン)が副業をする際に気をつけるポイント

実際に副業をする際に、どのようなことを知っておく必要があるのでしょうか。メインの仕事がおろそかにならないよう、また税金などの手続きの漏れがないよう、事前に気をつけるべきポイントをまとめました。

◇副業をする前にチェックすること

☆ポイント1 副業の目的を明確にする

どうして副業をすることにしたのか、なんのために副業をするのか、その目的を明確にすることが大切です。漠然と副業をこなすだけでは、思うような結果も出せません。身近な人がやっていたから、知り合いにすすめられたから、そんな理由ではうまくいかないでしょう。自分自身の目標、たとえば海外旅行を実現する、子どもの養育費を稼ぐといった、明確な目的がなければなりません。目的があるからこそ長続きするものです。

☆ポイント2 数値のゴールを明確にする

ちょっとしたおこづかい稼ぎではなく「この目標を実現するために、これだけの収入がほしい」など、値のゴールを明確にするべきです。とりあえず儲けられたらいいからと、リスクを背負い込んで損をしてしまったということもあります。自分にとって必要な金額を、コツコツ稼いでいくことが大切ですね。

☆ポイント3 現職の会社の副業禁止規定の有無を確認する

副業禁止規定があるかないか、現職の会社で確認をしなければなりません。これはとても重要なことです。内緒にしておけばいいというわけでもありませんよ。税金を支払う段階で会社に知られてしまう可能性があるのです。規定違反をしたからといって、すぐに解雇されるわけでもないかもしれませんが、今後の人間関係に影響することはいうまでもないでしょう。禁止規定があるのであれば了解を得る必要があります。

☆ポイント4 家族に了解してもらう

家族の了解がなくても副業を始めることはできますが、できるなら家族の了解は得ておくべきです。家族のために副業をはじめるということも少なくありません。だからこそ、場合によっては家族で話し合いをしなければならないようなケースもあり、隠していたことで事態がややこしいことになることも考えられます。また自分ひとりで稼がなければならないという気負いがストレスになることもあるかもしれません。家族が支えてくれるだけでも、ストレスが緩和されるでしょう。

◇副業をはじめたらすること

労働保険、社会保険、税金での手続きが必要となる場合があります。労働保険・社会保険は副業であっても、新たに雇用契約を結ぶときには手続きが必要となったり、在宅ワークであるのなら税金面で確定申告が必要となったりすることがほとんどです。(※)

■会社員(サラリーマン)にオススメの副業とは

では、副業にはどのような仕事が向いているのでしょうか。会社員が空いた時間に取り掛かりやすい副業の例を、4つ紹介します。

☆株式売買

会社員の傍ら株式投資をしている人もいます。株式を半年から一年ほど保有して、利益を出すことを目指している場合が多いようですね。自分自身の判断で割安株を購入し、値上がりを待つというスタンダードなスタイルでの運用が目立つようです。このような株式売買には、株式の知識だけでなくまとまった資金がなければ成り立ちません。まずは投資を実現するための貯金が必要でしょう。

☆土地活用

土地を所有しているのであれば、駐車場にしたり、アパートを建設したりして不動産収入を得ることができます。持ち家のキッチンのみを時間単位で貸し出すといった活用方法もあります。

☆講師

特出した知識があるのなら、講師という選択肢もあります。副業であっても、講師の仕事そのものにやりがいを感じた人は、休日講師だけでなく、有休を活用して平日に教壇に立つというケースも。塾講師、語学講師、インストラクターなど、さまざまな会社員講師が活躍しています。

フリマアプリの個人取引

限定品や趣味のコレクションをフリマアプリで販売して収入を得ることができます。自分自身がコレクターなら、そのジャンルの需要もよくわかっているはず。知識を活用してより収益が出るよう取引をすることができるでしょう。

■本当に稼げる? 副業の現実

副業というフィールドに足を踏み入れた会社員が、全員必要なだけの収益を得られるかといえば、そういうわけではありません。そもそも副業について公表しない人もいるので、実態が把握しきれないという一面もありますが、大儲けするのは一握りで、たいていの人は小さな額をコツコツと稼いでいます。それなりの成果がある場合は、共通して目標がはっきりしているということが挙げられます。なんのために、どれだけ稼ぎたいのかというゴールが見据えられていることが、副業で稼ぐための条件です。

■サラリーマン(会社員)の副業はゴールのためにコツコツ取り組むべき

会社員の副業には目的がなければいけません。この目的を実現するために、これだけの金額を稼ごうという目標があるからこそ、ゴールのために努力もできますし、コツコツと続けられるものです。また自分自身の得意分野を副業にすれば、それほど負担にもならないはず。株式の知識を活かしたり、講師やインストラクターとして活躍したりするのもいいでしょう。副業することによって、自分の新しい可能性を発見することにもつながりますよ。

(文:小野勝弘、構成:藤奈子)

※画像はイメージです

※保険・税金に関する部分は、弁護士の刈谷龍太氏が監修しました

稼ぎたい会社員必見! サラリーマンが副業をするとき気をつけること