新日本プロレス
『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』
▽16日 東京・後楽園ホール 観衆 1,632人(満員)

 新日本プロレスの新シリーズ『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』が16日、後楽園ホールで開幕した。

 今シリーズの目玉はタイトルにもある『スーパージュニアタッグリーグ2018』だ。例年はトーナメント形式で行われてきたジュニアタッグイベントだが、今年は総当たりのリーグ戦で開催。獣神サンダー・ライガータイガーマスク、KUSHIDA&クリス・セイビン、田口隆祐&ACH(昨年度準優勝)、ボラドールJr.&ソベラーノJr.、SHO&YOH(昨年度優勝)、石森太二&ロビー・イーグルス、金丸義信&エル・デスペラード(IWGPジュニアタッグ王者組)、BUSHI&金丸義信の計8チームが参加。上位2チームが11月3日エディオンアリーナ大阪大会で優勝決定戦を行う。

 開幕戦では、ライガータイガー対石森&イーグルス、田口&ACH対ボラドールJr.&ソベラーノJr.、KUSHIDA&セイビン対金丸&デスペラード、SHO&YOHBUSHI&鷹木がラインナップされた。

 新日本初参戦でバレットクラブOG新メンバーのイーグルスは、レジェンドタッグを相手にした。石森とのタッグは最初、ぎこちなさがあった。試合も押され気味だったが、石森の巧みなリードもあり実力を発揮。最後は石森の450℃スプラッシュから、ロン・ミラー・スペシャル(ヒザへの関節技)を決めて、なんとライガーからギブアップ勝ち。初戦でインパクトを残した。2試合目はボラドールJr.が雪崩式フランケンシュタイナーでACHに勝利。3試合目はIWGPジュニアタッグ王者組である鈴木軍のラフファイトが試合を支配し、最後はデスペラードがセイビンにピンチェ・ロコで勝利を収めている。

 そして今リーグ戦の注目は、10.8両国国技館大会で、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに電撃加入した元ドラゴンゲート(ドラゲー)の“THE DRAGON”鷹木信悟である。公称96キロの鷹木のパワーは、現在の新日本ジュニアでは重量級。近年は軽量化(というより無差別級化)が進んでいるヘビー級でも十分に通用するのは、他団体でも証明済みだ。しかし、あえてジュニア新日本での活動を始めたのには何らかの理由があるのだろう。

 “飛べる”BUSHIとのタッグはお互いがないものを補えるだけに、タッグチームとしては理想的。またドラゲーでは常にジュニアクラスの選手と闘っていたので、新日本ジュニアの世界に入っても試合をスイングできるのも鷹木の強み。この日も圧倒的なパワーを見せ付けながら、SHOやYOHの技もしっかり受け切っていた。

 両国で対戦し8人タッグながらも敗れているロッポンギ3Kの2人は、試合の主導権を渡さないようコンビネーションを駆使。ロスインゴの2人に対抗していったが、随所で鷹木のケタ外れなパワーを見せつけられた。最後もYOHが鷹木のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを食らってしまい万事休す。試合後には内藤らロスインゴのメンバーがリング上をジャックし、改めて鷹木の加入を歓迎した。

 鷹木はマイクを握ると「スーパージュニアタッグリーグ開幕戦、なんとか昨年の覇者3Kに勝つことができたぞ!俺は、内藤をはじめ、ロスインゴのメンバーのおかげで俺自身が一歩踏み出す勇気をもらえた。俺がやるべきことは、このリングで結果を残すことだ。俺は決して高橋ヒロムの代わりではない。高橋ヒロムの代わりなんて俺なんかにできねぇよ。だけどよ、彼が嫉妬してジェラシー抱いて早くリングに帰ってくる状況を作るのが俺たちの使命だと思ってる。なあBUSHI!最後まで、とことん突き進むぞ!」と長期欠場中の高橋ヒロムに鷹木流のエールを送りつつ、このまま結果を出し続けていくと宣言した。

 10月7日までドラゴンゲートに所属していた鷹木信悟を誰が止めるのかが重大なテーマになってしまったのだから、これはこれですごいこと。今後対戦する主力選手が鷹木に対してどのような反応を見せるのか注目だが、またもや敗れてしまったロッポンギ3Kの2人にとって鷹木は超えなければならない存在。彼らの意地にも期待したい。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄

鷹木信悟