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 さて先月、デンマーク同性愛ペンギンカップルが、両親がうっかり放置状態にしていた赤ちゃんを保護しお世話をしていたことを受け、本物の卵を与えられたというニュースをお伝えした(関連記事)。

 さて今回、オーストラリアシドニー水族館でも、子供が欲しくて育児能力があるとみなされたゲイのペンギンカップルが正式に育児を認められたそうだ。

 ジェンツーペンギンのスフェンとマジックはオス同士の仲睦まじいカップル。そんな2羽がこの繁殖期で並々ならぬ熱意を証明。

 大量の小石をせっせと運んで営巣し、与えられたダミーの卵を交代で抱き続けるなど、赤ちゃんへの深い愛を行動で示していたのだ。

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#LoveWins Sphen and Magic Penguin Couple

小石を大量に集めて熱意を示した2羽

 スフェンとマジックの関係はいつのまにか始まっていた。2羽はいつも一緒に過ごしていて、その辺をヨチヨチ歩いたり泳いだりしていた。

 それだけなら単に気の合うオス同士に思えるかもしれない。だが、繁殖期を迎えた彼らは巣作りで真剣な愛を表した。

 この時期カップルになったジェンツーペンギンは小石を集めて巣を作る。その時に集まる石の一つ一つが繁殖への熱意を示しているという。

 そしてスフェンとマジックも、周りのオスとメスのカップルと同じようにせっせと巣作りを始めた。

小石をもらって巣に運ぶスフェン
スクリーンショット-(538)

image credit:youtube

巣の上にいるマジック
スクリーンショット-(539)
image credit:youtube

 それを飼育員がチェックすると、なんと彼らの石は一番多く、相当な気合いで営巣に挑んでいるのがわかった。彼らは本気で繁殖を目指していたのだ。

水族館からもらった偽物の卵を…

 だが他のカップルが自分の卵を抱き始める頃になると、温めるべき卵が無い2羽は途方に暮れてしまう。

 そこで、気の毒なスフェンとマジックをなぐさめるために飼育員がダミーの卵を与えた。それは2羽の見事な実践力と育児能力を開発する試みでもあった。

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image credit:youtube

 すると彼らはその卵を交代で抱き、しっかり保護するようになった。自分たちの大切な卵だけに注意を払い、他のカップルを邪魔したり小石を盗んだりもせず、ひたすら温め続けたのだ。

カップルが悪い親になることも。でも彼らはお見事!

 水族館によると、ジェンツーペンギンは一般に母親・父親の区別なく平等に育児を行う。よってカップルがオス同士でも問題はないそうだ。

 がスフェンとマジックは文句なしに素晴らしいカップルだった。今までの観察記録をすべて振り返っても、2羽がちゃんとした育児の心構えや責任感を持っているのは明らかだった。

ついに水族館が本物の卵をプレゼント!

 こうした分析から、博物館はついに2羽を「自然に育児するカップル」と認定。彼らが作った見事な巣に本物の卵を置くことにした。

 本物の卵を授かったスフェンとマジックは大喜び!

 今までの卵とは違うと気づき、すぐに抱卵を始めた。とても幸せそうな2匹に水族館のみんなも幸せな気分になり、今回の結果を心から喜んでいる。

 なお、与えた卵は別のカップルの余分な卵だ。博物館によると、ジェンツーペンギンのカップルがきちんと育てるのはたいてい1個までで、当のカップルは2個目の卵が消えたのも気づいてないらしい。

 生まれてくるであろう赤ちゃんのために頑張ったスフェンとマジック。このニュースはまたたく間にネットを駆け抜け、たくさんのユーザーがひたむきな愛に癒された。


ペンギンのエッセイの課題あって締め切りまであと12時間しかない。なのに小石で一緒に巣を作る仲のいいゲイのペンギンの話に夢中になってる自分

・ゲイのペンギンズがいてくれたらもう何もいらない!

・共同で卵を温めるゲイのペンギンカップル…こんな話題を読むたび生きてりゃ良いこともあるもんだって思う

うまくいけば来年も育児に専念

 水族館公認のイクメンカップルとなったスフェンとマジック。これで彼らは念願の育児を堂々と行えるようになった。

スクリーンショット-(541)

image credit:youtube

 このお墨付きがあれば、以前報じられたゲイのペンギンカップルのように、よそで温められてる卵を盗んだり、死んだニシンを抱くこともないだろう。

・世界初、ゲイのペンギンカップル、卵を温め孵化させることに成功(デンマーク):カラパイア

 しかし、オス同士のゲイカップルのなかには、別のメスの介入で破局にいたるケースもみられる。

・6年間連れ添ったゲイのペンギンカップル、やり手の未亡人ペンギン(メス)に間を引き裂かれる:カラパイア

 だが、シドニー水族館のスタッフは仲睦まじい彼らの将来は安定しているとみており、もし2羽がヒナを育てることに成功したら、来年も同じ形で育児をするだろう、と話している。

 動物園という環境だからなのか、自然界では数多くのペンギンが群れを作っているので観測記録がないだけなのか、研究が進んでいないのかどうかはわからないが、ペンギン界ではもはやよくあることになっているようだ。

・ペンギンの赤ちゃんが放置されているのを見たゲイのペンギンカップル、赤ちゃんを保護しお世話するも実親とのバトル勃発:カラパイア

References:nprなど /written by D/ edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52266378.html
 

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