イタリアエスプレッソマシンの代名詞として知られる「Gaggia/ガジア」。その80年の歴史の原点ともいうべき、セミオートマシンがCLASSICだ。バリスタの腕前がそれなりに反映されてしまう名機。果たしてどこまで美味しく作れるのか、実際にそのマシン体験してみたい。

 

元祖セミオートマシン『CLASSIC』100Ⅴ仕様モデル

ガガガッとグラインダーでコーヒー豆を挽いて、瞬時にフィルターフォルダーで1杯なら7g、2杯なら14gを一発で判断、軽く手のひらを使い適切な圧力を加え、マシンにセットする。マシンをONにし、デミタスカップを抽出口の真下まで上げて、コーヒーがカップ側面にあたるように抽出し、すり鉢状の底にくるっと回転するのを確認してからドリップトレイに初めてカップを置く。カップに適量になるまでボタンを押すのは素人。プロのバリスタは抽出量、コーヒーの色を見極めて、瞬時に止める。出来上がった一杯には、きめの細かいヘーゼルナッツブラウンのクレマ。香ばしい香りとともに、飲む人の元へ──。

これぞエスプレッソの美学、バリスタのかっこよさ、イタリアンエスプレッソ・ファンならちょっとやそっと練習してでもマスターしたくなる光景である。そんな時にはやはりフルオートのマシンでは、確実なのかもしれないけれど格好がつかない。それなりにテクニックが必要なセミオートマシンでないと。

 

そこで紹介したいのが、「Gaggia」クラシック。80年前にアキーレガジア氏が抽出時にクレマを出せるマシンを発明、近代エスプレッソの源流を築いたが、けして簡単に美味しくできる技ではない。こうして、「バールの職人」バリスタ職が生まれたのである。

より簡単に、より気軽に家庭で美味しいエスプレッソを、という時代の要請から、ガジアも小型フルオートマシンを33年前にザッペッラ氏を中心に開発されたが、その一方で綿々と名バリスタの支持を受けて伝統を受け継いできたのが、セミオートマシンの『クラシック』なのである。

 

シンプルなデザインながら、充実した内容:プロ仕様フィルターホルダー、4つのフィルター、3ウェイバルブ、360°回転スチームパイプ。フィルターホルダーは典型的なプロ用仕様。腕次第で理想のクレマを出すことができる。

 

プロ仕様のフィルターホルダーでさらにこだわりの味を出す!

プロ仕様フィルターホルダーとシングル・ダブル

CLASSIC』の面白さは、プロ仕様のフィルターホルダーを備えていることでもわかる。腕に覚えがある人は己れの技術のみで理想のクレマを生み出すために、ハングリーな姿勢でチャレンジすることも可能だ。

 

独自技術で理想のクレマを実現する「パーフェクトクレマデバイス」の魅力

とはいえ、すべての美味しさの責任を、「Gaggia」はバリスタに押し付けたりしない。よりプロ並みに使う道具としての精度を高める工夫がなされており、その代表的なものが「Gaggia」オリジナルの「パーフェクトクレマデバイス」の存在。

その技術の中心にあるのは、フィルターホルダー中央に取り付けられる圧力弁。上手にクレマを作れない、失敗の原因の大部分は、コーヒー粉が均等に、適切な力で押し固まっていないことから生じる。しかしこの圧力弁があることで、フィルター内の圧力が均等に分散されて、理想的な粉の状態を実現するのだ。

「パーフェクトクレマデバイス」のおかげで、難しいタンピングのテクニックは必要なくなり、早い話クレマは誰でも、いつでも出来るようになった。

 

セミオート・エスプレッソマシン元祖の風格をたたえる『CLASSIC』を実際に使ってみる!

①まず、空のフィルターホルダーをマシンにセットして、スイッチをON。お湯を通してフィルター全体を温め、同時にカップも温めておこう。

 

②次に、あらかじめ挽いてあるコーヒー粉、もしくはコーヒー豆を粉砕するグラインダーで豆を挽く。挽きが細かい程、エスプレッソの味の深みがでる。

 

③1杯分のコーヒー豆7~8gをフィルターに入れ、タンパーがあれば、軽く押す。目的は粉を水平にしながら、余分な空気を出す。フィルターの縁についた粉を取り除くことも忘れないこと。

Gaggia記者会見時にバリスタの扱うのを見ていたので、それに習い、9分目くらいのところまで入れる。そしてそれを手のひらを使って平らにならす。

ずしっと重いタンパーを使って、コーヒー粉に隙間ができないように圧力をかける。

これで下準備はOKだ。そしていよいよ『CLASSIC』に装着。ガチャガチャっと軽快にセットしようとしたが、それなりに苦労する。一度は粉を入れすぎて、物理的に装着できなかった時もあった。

 

フィルターホルダーをマシンにしっかりセットして、スイッチを入れる。抽出が始まる前に、カップを抽出口の近くまで持って行き、抽出の流れがカップの縁に当たる様に位置を調整。

Gaggiaオリジナルデミタス。ガラスカップでこそクレマの状態を評価できる。(理想はカップの位置を右左にちょっと開け、縁に当てる)

 

⑤心地よい機械音とともに湯がフィルターに満ちて、下にクリーミーに流れ落ちてくる。これはすごい。「パーフェクトクレマデバイス」最強。大して器用ではない記者なのに、理想的な色合いのクレマがしっかり出てきた。

 

⑥腕が上がる程、抽出を止る瞬間が分かる様になる。量はあくまでも好みで:南イタリアではとても濃厚なリストレット,約30ml以下, 典型的なエスプレッソは約40ml,ちょっと薄めはルンゴ、60~80ml. 8gで120ml以上の場合、お湯を足した方が余分な渋味や雑味がでなく頂ける。

 

飲んでみると、自分で作った感が今までの小型フルオートの機種よりもはるかに高い。その分美味しさもひときわな気がする。趣味をエスプレッソと言いたいなら、断然こちらの『CLASSIC』だろう。じゃないとカッコつかない!

オリジナルアクセサリー品が充実

この『CLASSIC』という機種は、様々なアクセサリーを揃えることで、より楽しみが広がるタイプの製品。最初から全てを揃える必要はないが、あればあるほど楽しいエスプレッソライフを送ることができる。

  • ダンプボックス
    これはエスプレッソを抽出後のコーヒーカスを捨てるためのゴミ箱。くるっとフィルターホルダーを回転させて、中身をサッと捨てられるとカッコいいエスプレッソを入れる際には必需品だ。
  • 耐熱ガラスカップ・ショットグラス
    理想のクレマができたなら、それはなるべくいろいろな角度から眺めたいもの。そんな時にクリアなガラスカップやショットグラスが理想。また目盛付きのものは、ミルク系のメニューを作る時に、比率を測るのに便利。イタリアIIAC認定のスペックでデミタスとカプチーノを用意。
  • タンパー
    重さと手の馴染みが大事。これでコーヒー粉に均等に圧力をかけて、隙間の空気を追い出す。押しすぎないのがポイント。
  • タンパーマット
    あれば便利なアイテム。不安定な状態でタンピングするのは難しい。そんな時、このマットがあると、フィルターホルダーを安定させた状態でタンパーを使うことができる。
  • ピッチャー
    ミルクフォーミングを成功させるためには、ミルクの量と温度が大事な要素。フォーミングは温度と時間との戦いなので、最低でも100mlのミルクをおすすめする。初めての方なら150ml.Gaggiaのピッチャーステンレス製で、温度が手にすぐ伝わるので、過剰フォーミング防止に役立つ。
  • ボトムレスフィルターホルダー
    初心者に優しい一つ穴フィルターホルダーか、本物のクレマを生み出すボトムレスタイプか。フォルダーの底面を無くしたことで、より香り高いエスプレッソの抽出が可能。

 

ミルクメニューは自力でフォーマーを使って作業する。でもラテアートをしたいなら、こっちじゃないと!

初心者のフォーミングの手順は、

スチームボタンに選択。適切温度になったらランプが赤く点灯する。右のスチームノブを手前に回す。約5秒間空出しをして、パイプ内にある余分なお湯を飛ばす。スチームのみが勢い良く出始めたら、一旦ノブを元に戻しスチームを止める。

 

ピッチャー内の注ぎ口のクボミの下までミルクを入れる。ここまでの目安は150ml.

 

スチームノズルをピッチャーミルクに差し入れて、ノブを回しフォーミングを始める。

注意点は…

  • スチームノズルはミルクの液面の数センチ下に絶えず位置を確認。浅すぎると、ミクルが跳ねる、深すぎると音が静かになる。適切な位置なら「ちゅるちゅる」という音がなる。フォーミングが出来た分だけ深く入れ直す。
  • スチームノズルとピッチャーには約40°の角度に保つ。
  • スチームの勢いで周りのミルクが中に吸い込まれる状態を継続する。
  • 片手をピッチャーの底面に手を添え、ミルク温度を把握する。熱くてもう触れない時点でノブを元に戻す。ミルクが68℃以上になると、泡も消えミルクの風味も落ちてしまう。ピッチャーを勢いよく回し、分離を防ぐ。スプーンピッチャーの注ぎ口にあて、ホットミルクのみをカップに約100ml入れる。GaggiaオリジナルカプチーノカップならGaggiaのロゴの真下。スプーンで泡のみをすくって、全てミルクの上に乗せる。

最後にエスプレッソを抽出。目安は40mlですが、好みに合せる。カプチーノの上手く完成した証は下からホットミルク、上のフォームと真中のエスプレッソが1:1:1の比率できれいに3層になっている。

スペック
型番:SIN035
電圧:100V
消費電力:1250W
電源:50/60Hz
本体材料:ステンレス
サイズ(幅×高さ×奥行):230×380×240mm
重量:8kg
タンク容量:2.1L
コーヒー豆容器容量:-
ポンプ圧力:15気圧
ボイラー:アルミニウム

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