パロアルトネットワークス(アリイヒロシ会長兼社長)は9月27日、都内で年次イベント「Palo Alto Networks Day 2018」を開催した。ITインフラセキュリティー担当者を対象としたカンファレンスで、参加者は1500人を超えた。

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 基調講演に登壇したアリイ社長は、「この5年間、年平均成長率48%の勢いで伸びている。顧客数は世界150カ国・地域5万4000社以上だ」とビジネスの概況を説明。また、グーグルソフトバンクで要職を務めた経験を持つニケシュ・アローラ氏が今年6月に米国本社CEOに就任したことを受け、「今後ますますクラウドに力を入れていく」と、クラウドサービスの提供に注力する姿勢を示した。

 続いて登壇したアローラCEOは、同社に入社後、世界中の顧客と会う中で、セキュリティベンダーの数が「多すぎる」ことや、IT環境の一部分を守るポイント型のセキュリティーソリューションが多く、包括的に守るソリューションが少ないことなどがセキュリティー業界の「今後の課題」であると認識したといい、この問題の解決に向けて業界全体で連携していくことの重要性を説いた。

 パロアルトネットワークスでは、エンドポイントやファイアウォール、クラウドなど、あらゆる環境で一元的にデータの収集・分析ができる枠組みづくりを進めている。サードパーティー製品との連携においても、すでに50社以上のパートナーがエコシステムに参加しており、「これからさらにパートナーが増える」とアローラCEOは見通しを示す。また、日本でのビジネス展開について、日本法人やパートナーと力を合わせながら「問題に役立つプロダクトを提供していく」と強調した。

 アローラCEOの講演後は、東芝メモリの執行役員情報セキュリティ統括責任者(CISO)の岡明男氏、東洋大学慶應義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏が登壇。岡氏は自社工場で実践しているIT活用やセキュリティー対策について紹介し、竹中氏は政策と絡めた日本のサイバーセキュリティー対策の動向について語った。(前田幸慧)