つい感情的になり、心にもないことを言ってしまったり和を乱すような行動をとってしまったり……。胸に手をあててみると「あのときは大人げなかったかも」と思うふるまいをしてしまった経験がある女性も多いのでは? また、「私って大人げないと思われていないかな?」と自分の言動に自信が持てない女性もいるかもしれません。どういった言動をとってしまうと、大人げないと思われてしまうのでしょうか。心理コーディネーターの織田隼人さんに、「大人げない」人の特徴や、大人げない自分から卒業する方法などを聞きました。

■大人げないってどんな意味?

「大人げない」とは、文字通り「大人らしくない」という意味を表す言葉。大人なのに子どものようなわがままを言ったり、非常識なふるまいをしたり……。大人としての思慮分別がないと「大人げない」人と思われてしまいます。

■「大人げない」人の特徴とは?

「大人げない」と思われる人には、いくつかの特徴があります。代表的な特徴を5つ解説します。ふだんの自分の言動や考え方にあてはまるものはあるでしょうか。

◇「大人げない」人の特徴

☆自己中心的

自分の言い分を何でも通そうとします。大人になりきれていないので人との調整は苦手。そのため、自分の要望と人の要望を調整することなく、自分の要望だけを通そうとするのです。その結果、人の言うことを聞かずわがままだけ言うということに。また、わがままを通すため、声が大きくなったり意見を譲らなかったりします。

☆自分が正しいと思っている

「自分が正しい、自分が正義」と思う気持ちが強いため、人の話を聞きません。確かに正しい部分もあるのですが、勉強不足で他人の意見の正しさを受け止められないことも。どこかで聞いたような中途半端な正しさを振りかざすことが多いです。

☆政治やニュースに対して意見したがる

ニュースの背景などに関してそれほど細かくチェックせず、ニュースのタイトルや目の前にある記事くらいしかチェックしないにもかかわらず、政治やニュースに対し、上から目線で何かを否定することが多いです。真面目にニュースを議論できるようになるには、記事だけではなく記事の背景にあることなども確認しなければならないもの。しかし、そこまで情報収集を行わないので、表面的な批判だけを繰り返します。仕事の企画などについても同様で、目についた部分を批判するだけなので「害悪」と見なされることも。

☆感情の起伏が激しい

感情の起伏が激しい人は、感情が高まるのを自分で抑えられません。そのため、大人げない態度になることが多いでしょう。感情が高まっているときは、自分でも自分のことを制御できなくなるのが人間の性。自分の感情をうまく制御する練習をやってこなかった人は、大人げなくなってしまうことも多いです。

☆無責任なふるまいをする

大人が自由に行動できるのは、さまざまな責任を果たすからこそ。自由に行動する権利を手にいれるには、それ相応の責任を果たさなければなりません。しかし、中には権利だけ行使して責任を果たさない人も。大人なのに責任を果たさなかったり、権利だけ主張したりすると「大人げない」と言われてしまいます。

◇大人げない人の心理とは?

大人げない言動をとる人は相手のことを見ていないことが多いです。自分のことにしか興味が持てず、人に対してよくない態度をとるため、嫌われてしまう羽目に。言い方を変えると、「自分のことでいっぱいいっぱいな人」。人間社会は人と人との関わりで、お互いに相手のためを思って行動をする「助け合い」によって成り立っています。ですから、本来なら大人は困っている人を助けたり、自分の役割をしっかり果たしたりすべきです。しかし、大人げない人は自分の面倒しか見られず、他人のことまでは意識がいきません。よって、自分の役割を放棄したり、周りを助けずに自分の欲求を何とか通そうとしたりする「大人げない」行動に出るのです。

■大人げない自分との向き合い方

「大人げない」人は、自己中心的で相手のことを思いやっていない状態である人。自分勝手なわがままを言う人も大人げないといえるでしょう。わがままな女性は男性の目にどのように映るのでしょうか。また、大人げない言動をやめるには、何に心がければよいのでしょうか。

◇男性からみた「大人げない」女性

大人げない女性はモテない傾向が。理由は、男性からみて面倒だからです。「わがままを言う女性はモテる」と言われますが、大人げないわがままは別。モテる女性が言うわがままは、男性から見て「かわいい」と思うわがままだけです。わがままを言って男性から「かわいい」と思われる女性は、相手のことを気にかけずに自分の思っていることを言うようなことはしません。相手の男性がどう感じるのかも含め、考えた上で発言している大人の女性なのです。もし「大人げない」と周りに言われた場合には、「自分は自分のことでいっぱいいっぱいで、周りまで気にしている余裕がない状態になっている」ということに気づいた方がよいでしょう。

◇大人げない自分から卒業する方法

大人げない言動をやめるには、相手のことをしっかり考えるようにすることが大切。自分が発言するときに「相手はどのように考えるだろうか」「相手はそれによって喜ぶだろうか、それともつらい思いをするだろうか」と相手のことを考えるようにしましょう。相手が喜んでいるのか、悲しんでいるのかということを観察するのも重要なポイント。自分の思いをただぶつけるのではなく、相手を観察し相手がどう思うのかを考えた上で行動していくと、大人げない自分から抜け出していけるでしょう。「持ちつ持たれつ」でうまくいくようになっているのが人の世。「人と人との関係性」で人間社会はまわっています。ふだんから自分以外の人のことをしっかりと考え、一人ひとりを尊重していくようにすれば、大人げない行動はとれなくなるはずです。

■【番外編】大人げない人と上手に付き合うには?

自分のまわりに大人げない人がいたら、ストレスがかかるものです。大人げない人との付き合い方も理解しておくといいでしょう。

◇なるべくかかわらない

大人げない人とは密にかかわらない方が得策。まず、必要最低限のかかわりで済むように丁寧で事務的な対応を心がけるといいでしょう。会話は敬語を使って事務的にすると、相手は必要以上に近寄りづらくなります。下手に優しくすると、手駒として利用しようとしてきたり、どうでもよい無駄話や説教を長々としてきたりするので、距離をとれるように最低限の会話を事務的にこなすことが重要です。

◇一旦相手の話をすべて聞く

相手から何か話があるときには反論せず一旦全部の話を聞いて、その上で「その通りですね。それと追加でこれをやれば大丈夫ですね」というように、上手にあしらいつつ自分の意見を追加していきましょう。

■相手を思いやり大人の女性の対応を

誰しも「これがしたい」「あれがほしい」という自分の希望はあるでしょう。しかし、まわりの意見や気持ちを無視し、自分の意見を通そうとしてしまうと「大人げない」人と判断されてしまうかもしれません。人間社会は持ちつ持たれつで成り立つもの。まずは相手のことをよく見て、相手の気持ちや考えをよく推し測って行動するようにしましょう。相手のことを思いやり尊重していくことで、本当の意味での大人の女性になれるはずです。

(文:織田隼人、構成:Kaoru Sawa

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幼い自分にサヨナラ! 「大人げない」行動をやめるには